かもめの本屋さんが始まったきっかけ
宮城県の南三陸町歌津に「かもめの本屋さん」があります。
まずは、この本屋さんができるきっかけになった、新聞記事からの引用を紹介します。
引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから
2011年の東日本大震災がきっかけで、東京から南三陸町歌津に移住してきた"変なおじさん”です。
今度、南三陸ハマーレ歌津にある「かもめ館」で、ユニークな本屋さんを始めます。
「かもめの本屋さん」には二つのルールがあります。
ルール1「かもめの本屋さん」にある本は、誰かがあなたに感動を伝えるために寄贈してくれました。
興味ある本を見つけたら、ご自由にお持ち帰りください。
ルール2 あなたが読んだ本の感動を誰かに伝えるために「かもめの本屋さん」に本を寄贈してください。
誰でもそうだと思いますが、感動した本は誰かに勧めたくなります。
岡倉天心の茶の本は、今までに数十冊買いました。
自分の感動を伝えたくて、後輩にプレゼントしたからです。
後輩たちも何冊も買うようになりました。
これを私は、「感動のリレー」と呼んでいます。
あなたも感動のリレーの中にいます。
子供の頃、最初に手にした本がそうです。
おっとう、おっかあ、じっつあま、ばっつぁまが、息子や娘、孫に感動を伝えるために一生懸命考えて選んでプレゼントしてくれた本です。
あなたもやがて、子育てが始まった時、息子や娘に絵本を買うでしょう。
それは親から子へ、子から孫へつながる感動のリレーなのです。
感動のリレー先をわが子に限定しないで、よその子に向けることで世界が変わると思いませんか?
年齢や性別に関係なく、皆がリレーに参加すれば、楽しいと思いませんか。
いま書いている原稿は、三陸新報のリレー随想でした。
なんという偶然!人から人へ、何かをつなぐ企画ですね。
素晴らしい!
「かもめの本屋さん」が、無料で本を配ったら、本屋さんが儲からなくなると心配しないでください。
自分が感動した本はプレゼントして手元にないので、また買いに行くことになるでしょう。
「かもめの本屋さん」で貰った本に感動したら、手元に置いておきたくなるはずです。
「かもめの本屋さん」のルールを思い出してください。あなたは自分の感動を誰かに伝える必要があります。
他の感動した本を寄贈するのもいいし、同じ本を買って寄贈しても良いのです。
本屋さんの良い本は、どんどん売れるようになります。
この「かもめの本屋さんプロジェクト」の発足前に、SNSにアイデアを投稿したら、京都在住の方から参加の希望がありました。
京都から本が送られてくることになるでしょう。
そこで気付きました。その方が南三陸町に来て、「かもめの本屋さん」から興味ある本を持ち帰ることで、二つのルールが守られることになります。
観光振卿にも一役買うことになるかもしれません。
誰かが感動した本ばかり置いてある、不思議な本屋さんが私たちの地域にオープンしたら、今まで以上に子供たちの知識欲が向上するかもしれません。
本屋さんに集い、新たな興味のある本に出会うことで、みんなが幸せになる。
図書館があっても、普通の本屋さんがあっても、「かもめの本屋さん」が必要になるでしょう。
引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここまで
紹介されて、地元紙である三陸新報のリレー随想を書くことになりました。
南三陸町は、東日本大震災で町内から本屋さんが消えました。
それまで東京に住んでいたので10分歩けば大手の書店がありました。
本屋さんが無いのは自分にとっては結構苦しかった事を思い出し、上記の随想を新聞に載せてもらいました。
記事は公開されましたが、「かもめの本屋さん」は、自分の妄想の中だけに存在し、リアルな本屋さんはありませんでした。
記事を読んだ人が南三陸ハマーレ歌津にあるかもめ館という施設にやってきて「かもめの本屋さん」を探したという話は、二ヶ月後に聞く事になります。
おい、お前!新聞読んだぞ、どうするんだ?
かもめの本屋さん構想を話した周囲の人たちの最初の反応は、「そんなもの実現しないよ」、「妄想の世界だろ」・・・まあ、散々でした。
新聞記事が出てからちょっと周囲の反応が違ってきました。
「新聞で始めますと宣言したんだろ、どうするんだ!」
プレッシャーをかけてくるんですよね、周りが・・・
本棚はどうするんだと言われて、DAYでコンパネを買ってきて自分で作ると言ったら、散々馬鹿にしていた人たちが
「本棚代出してやるから、Amazonで買え!」『え?』
「場所が必要だろ、許可をもらってきてやるからここに本棚を置け!」『えええ???』
あれよあれよという間に、リアル「かもめの本屋さん」が出来ちゃったんです。
新聞の力が偉大なのか、それを望んでいたけど言い出せなかったのか・・・
まあ、わかりませんが
宮城県本吉郡南三陸町歌津字伊里前の南三陸ハマーレ歌津・かもめ館にかもめの本屋さんがあります。
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