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セリエAの選手の出身国の構成 女子編

 前回セリエAの男子の選手の出身国の変化を2000/2001シーズンから2021/2022シーズンまで集計しました。

 人数をカウントするという単純な集計ではありますが、セリエAを取り巻く状況の変化を見て取ることができました。
 
 今回は同様の集計を女子でもやってみようと思います。
 
 女子イタリアのセリエAに所属する選手の出身国をカウントし、2000/2001シーズンから2021/2022シーズンまでの変化を集計しました。

出身地域の推移

 データを集計したところ、選手の出身国が60を超えてしまい、全てを一括して集計するには多すぎました。
 
 そこで、まずは以下に示す選手の出身国が所属している地域の連盟で分類し、その変化を追いかけて見ることにしました。
 
 ・イタリア(ITA)
 ・欧州バレーボール連盟(CEV)
 ・北中米バレーボール連盟(NORCECA)
 ・アジアバレーボール連盟(AVC)
 ・南米バレーボール連盟(CSV)

 
 イタリアは欧州バレーボール連盟:CEVに所属していますが、自国ということで別枠としています。女子ではアフリカバレーボール連盟(CAVB)出身の選手はいなかったので、今回の分析には含みません。以降は上記の略称を用いてデータを集計します。
 
 最初に女子1部(A1)の出身地域のデータを以下の図1-1に示します。

 出身地域の割合を横の軸にとっています。各地域によって色を変えています。縦の軸に葉シーズンを取っており、上に行くほど直近のシーズンとなります。
 
 データを見ると、2000/2001シーズン頃まではイタリア(ITA)の割合が50%だったものが、直近では増加して60%程度になっています。外国人選手が減ったということになります。減少したのは欧州バレーボール連盟(CEV)の国々ということも確認できます。
 
 続いて、2部(A2)のデータを以下の図1-2に示します。

 これは前回の男子で見た傾向と同じで、イタリア(ITA)の割合が2000/2001シーズンでは80%程度だったものが、2010年代に入ると90%を超えます。
 
 1部2部共に外国人が減って、イタリア人が増えたというデータです。
 
 こうした変化の背景にあるのは何でしょうか?セリエAの方向性としてイタリア人選手が多くなるような施策をとったのか、それとも外国人選手にとって魅力がなくなったのか、こうした可能性については別途調べる必要があります。

欧州バレーボール連盟(CEV)の変化

 次は地域ごとに国別の選手の人数の変化を見ていきたいと思います。最初に見るのはイタリアを除く欧州バレーボール連盟(CEV)に該当する国になります。
 
 女子でも欧州バレーボール連盟(CEV)出身の選手は多く、図1のようなグラフにするには情報量が多すぎます。そこで、各シーズンで所属選手の多い上位3ヵ国を集計してみました。データを以下の表1に示します。

 安定して上位3ヵ国に顔を出しているのはクロアチア(CRO)とセルビア(SRB), セルビア・モンテネグロ(SCG)時代を含む)になります。近年はオランダ(NED)も多いでしょうか。そんなに大きな顔ぶれの変化は見られません。

北中米バレーボール連盟(NORCECA)の変化

 次に、北中米バレーボール連盟(NORCECA) 該当する国の人数の変化を見ていきます。こちらは9ヵ国なので、グラフにして以下の図2-1に示します。

 ほとんどがアメリカからで、近年はさらに人数を増やしていることがわかります。

アジアバレーボール連盟(AVC) の変化

 次は少数になりますが、アジアバレーボール連盟(AVC)のデータを以下の図2-2に示します。

 2000年代前半には多くいた中国がその数を減らしたといえます。

南米バレーボール連盟(CSV) の変化

 次は南米バレーボール連盟(CSV) のデータを以下の図2-3に示します。

 2000年代はアルゼンチンとブラジルから多くの選手が送り込まれていましたが、2010年代にはいると少し人数が減少します。

まとめ

 以上、セリエA女子の所属選手の出身を集計しました。欧州からはクロアチアやセルビアが大きな選手の供給源として一貫しており、2000年代はアルゼンチンとブラジルの南米勢が多く、2010年代にはいるとアメリカの人数が増えてきているようです。
 
 イタリア以外の国でも同様の集計を行った場合、どのような結果となるでしょうか?
 
 集計に手間はかかりますが、作業の難易度はそれほど高いわけではないので、色々な国でチャレンジしてくれる人が増えると有難いです。
 
 
今回分析したデータは、以下のリンクより利用可能です。 

 使ったファイルは以下になります。
 
 ・Lega_f_playerlist_2000-2021.csv

タイトル画像:いらすとや

データ元


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