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サーブ・レセプションの評価

 これまで、スパイクやブロックの評価方法について考えをまとめてきました。

  今回は、サーブの評価方法について思う所を書いていきたいと思います。そして、サーブの評価を考えていくとレセプションも表裏一体の関係になると思うのでタイトルには一緒にしています。

現行のサーブのスタッツと評価

 イタリアのサーブのスタッツでは、得点と失点の記録しかありません。一方、Vリーグでは、サーブの効果という要素も追加されます。
 
 サーブの効果とは、相手チームの レセプション(サーブレシーブ)を崩し、レセプション失敗と判定されたサーブ(下記リンク)で、これを元に効果率というスタッツもあります。 

  この以下に示すサーブ効果率の計算法について、以前に最適な係数を模索したりもしたのですが、今回はサーブの効果についてもう少し考えてみたいと思います。
 
 サーブ効果率=(サービスエース×100+サーブ効果×25-サーブ失点×25)/サーブ打数 

サーブの効果をどう考えるか?

 相手チームのレセプションを崩したかどうか、これを判定する基準にA・B・C・Dというレセプションの返球の精度を分類する方法があります。
 
 しかし、個人的にはこの分類方法にはそろそろ限界が来ているように感じています。
 
 その理由ですが、1つは主観に頼った判定が必要になる点です。主観=悪というわけではないのですが、複数の判定員の判断基準を一致させるというのは大変だからです。
 
 もう1点、近年の傾向としてAパスに頼らない流れができてきているように思うからです。例えば、以下のインタビューでもBパスからコンビが使えるようになったとあります。 

  全てのレセプションをAパスで返球するよりも、Bパス程度であれば問題なく攻撃できるチームを目指すというのは現実的な考え方だと思います。それなら、レセプションの失敗をCパスのみにすればよいということも可能ですが、その場合レセプションが、A&Bパスか、Cパスという分類としては少々大雑把なものになってしまうように思います。

サーブ・レセプションの評価案

 ではどうしたら良いのかというと、先日考案した2ndタッチの位置からのスパイクによる得点期待値を用いればよいのではないかと考えます。
 
 あくまで試案ではありますが、コートを分割して、レセプションからの2ndタッチの位置を求め、そこでのスパイクがどれくらいの確率で得点になるかという期待値を求めるというものです。

 図のように、レセプションの返球位置が異なれば、平均的なスパイク決定率(期待値)も異なってくるはずで、それをサーブとレセプションの効果と考えることはできないだろうか?とうわけです。
 
 この方法の良い所は、レセプションの位置情報を判定すればよく、精度の良し悪しという質の部分を判定する必要がないことです。期待値は事前に収集したデータから求められるためです。A・B・Cという質的な判定ではなく、確率という値を取る点も使いやすいかもしれません。

まとめ

 スパイクの時に出したアイデアの転用ですが、2ndタッチの位置での得点期待値を求めることができれば、スパイク・サーブ・レセプションの評価に用いることができるというのは、適用範囲が広くて良いと思います。
 
 高精度な位置情報のデータがあるに越したことはないですが、目視でもある程度集計可能ではないかと思いますので、精度は追々高めていくとして、まずは第一歩を踏み出してみても良いかと思います。
 
 タイトル画像:いらすとや


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