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エッセイを読むと言うことについてのショートエッセイ

パリに行った。
その足でアフリカにも渡った。
お土産にほこりをかぶった骨董品も買う。

姪っ子の小学生に癒される。
訛ってるおじいさんにカモの名前を教わる。


これらはぜんぶ、ぼく自身の体験ではない。
でも、新鮮味とともに、ある種の懐かしさを覚えながら、ぼくはこの体験に浸っている。

いま読んでいるのは、小川糸さんの『たそがれビール』。

ベッドの枕元にこの文庫本を置いといて、気が向いたときにちょっとずつ読み進めている。

この、見開き2ページほどの短いエッセイは、サクッと読めて割と好きだ。


自分以外の誰かの、よくわからない体験。そこに芽生えた著者のフィーリング。

そういう類のものを、著者の目線で、視点を通して感じる。それがちょっと面白かったり、ちょっとした発見に繋がったり、そういったことがある。

ぼくは小川さんとまったく同じ体験はできないし、同じことを感じることもできない。

だからこそ、この短いエッセイに、ぼくは小さな価値を感じる。そして、微々たる魅力を感じるんだと思う。


たまには、他人というフィルターを通した世界を覗いてみるのも悪くない。

これは、ぼくのエッセイ。

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