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一瞬で短期記憶から長期記憶に!?記憶のプロが密かに使うテクニックを公開!

すぐに忘れてしまう短期記憶から、ずっと忘れない長期記憶にカンタンにできたら
と思ったことはないでしょうか。

初めて会った人の顔と名前をすぐに覚えられれば、次にあった時に好印象を与えることができるので、協力しやすくなり結果を残しやすくなります。

また、資格・語学の勉強などでも、学んだことをすぐに長期記憶にすることができたら、少しの勉強で済むので、ストレスなくスキルを上げることができますよね。

ただ、そうカンタンに短期記憶を長期記憶にすることはできないということは、学生時代の試験勉強などで経験済みではないでしょうか。

英単語や歴史などは、繰り返し書いたり、読み込んだりすることで、やっと覚えることができました。

反復は、記憶の定着にとても効果的なのですが、時間がたくさんかかるのがデメリットなので、忙しい社会人にとっては、1分・1秒も無駄にはしたくありませんよね。

そこで、カンタンに短期記憶を長期記憶にしたいという方向けに、記憶のプロが密かに使っている、とっておきのテクニックをご紹介します。

記憶のプロであるメモリーアスリートは、1時間で1000桁以上の数字を暗記してしまう、
記憶の超人たちです。

彼らが使っているテクニックをマスターして、記憶したいことを自由自在に覚えられるようになりましょう。

1 記憶の仕組み

記憶のプロが使うテクニックを紹介する前に、記憶の仕組みについてカンタンにご紹介します。

専門的な話ですが、大学の教授が書いている論文のような難しい内容ではなく、
小学生でもわかるように説明しています。

どうやって記憶がされているかを知っていると、覚えるときの効率も上げることができるので、さっと読んでみてください。

1.1 海馬の仕組み

「海馬」という脳の部位が、記憶をする時に重要な役割をしてくれています。

海馬の働きをカンタンに言えば、「記憶の整理をする」ことです。

例えば、部屋の整理整頓をする時には、大切なものは残して、もう必要のないものは捨ててしまいますよね。

海馬がしてくれている整理は、これの脳に入ってくる情報バージョンです。

会議の資料は作り終わって、やることリストから忘れてしまってもいい情報だから、
短期記憶にしておこう。

〇〇さんは大切な仕事相手なので、名前を絶対に忘れてはいけないから、
長期記憶にしておかないと。

このように、短期記憶と長期記憶にする情報を分けてくれているのが海馬なのです。

1.2 長期記憶にしやすい時間とは

東京大学の深田 吉孝(生物科学専攻 教授)と、清水 貴美子(生物科学専攻 助教)の研究によって、長期記憶をしやすい時間帯がわかりました。

実験の結果を要約すると、「活動を始めたときが一番長期記憶になりやすい」ということです。

一方、短期記憶は、どの時間帯でも記憶力に関係はないということでした。

つまり、長期記憶をしたいことがある場合には、活動を始める午前中などにやってしまった方がいいということです。

2 記憶の種類

記憶の種類は、大きく分けると3つあります。

・感覚記憶
・短期記憶
・長期記憶

それぞれについて、カンタンにご紹介します。

2.1 感覚記憶

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感覚記憶は、五感で手に入れた情報の記憶です。

例えば、出勤で会社に行く時に、たくさんの人や車・建物などが目に入りますよね。
でも、すれ違った人の顔を覚えている人は少ないのではないでしょうか。

目でみたことだけでなく、耳で聞いた音も、車の音や電車が線路を走っている音、
誰かの話し声などが聞こえていたはずです。

しかし、これらの情報はほとんど覚えていませんよね。

それもそのはずで、目と耳を使った、視覚と聴覚だけでもたくさんあるのに、
嗅覚・触覚・味覚も合わせたら、とんでもない量の情報です。

全てを記憶していたら、脳がパンクしてしまいます。

ですので、大体の感覚記憶は1〜4秒で忘れてしまうと言われています。

忘れるまで最短なのが、この感覚記憶です。

2.2 短期記憶


短期記憶は、感覚記憶よりは長く覚えていられる記憶のことです。

例えば、初対面の人と会った時には、最初に自己紹介をしますよね。

名前を聞いてすぐは覚えていても、すぐに忘れてしまうので、1ヶ月後に会った時には、
「あれ、名前が出てこない、、、」となってしまいます。

英単語なども、「次の日には忘れてしまう」なんてことが良くあります。

忘れていると勘違いされがちですが、短期記憶は完全に脳から消去されてはいません。

脳の中には情報が入っているのですが、その情報をどこにしまったのか分からなくなっているのです。

年末の大掃除をしていたら、押入れの中から学生時代の写真が出てきた、なんて事ありますよね。

押入れの中にはずっとあったのに、どこにしまったのか忘れてしまっているのです。

短期記憶もこれと同じで、初めて会った〇〇さんの名前を記憶していた場所が、分からなくなっているのです。

ですので、少し後で思い出すということもありますよね。

短期記憶については不明なことも多いので、どのくらい記憶が保存されるかわかっていませんが、1年間は残るという研究もあります。

2.3 長期記憶

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短期記憶は、しまっておいた情報の場所が分からなくなっていましたが、長期記憶はいつでも取り出せる状態になっている記憶です。

例えば、自宅にある、お風呂の場所や、トイレの場所を忘れることはありません。

長期記憶にしてしまえば、半永久的に覚えておけるので、勉強した知識や会った人の名前など、できる限り長期記憶にしていきたいですよね。

その場合に活用してもらいたいテクニックを次でご紹介します。

3 短期記憶を長期記憶にする方法

これからお伝えするのが、記憶のプロであるメモリーアスリートも使っている記憶術です。

知っているだけでも、長期記憶にしやすくなりますので、ぜひ普段の生活でも活用してみてください。

3.1 エピソード記憶

はじめに海馬についてお伝えしましたが、海馬が長期記憶にするかを決めるポイントには、
「感情が入っている情報かどうか」というものがあります。

初恋や、友人と喧嘩したこと、家族旅行に行ったことなどは記憶に残っていますよね。

ずいぶん前に起きたことなのに、昨日のことのように思い出すことができます。

ずっと覚えておける理由は、イベントと感情がセットになって記憶されているからです。

初恋の相手に手紙を書いて、渡そうとしたときの緊張でドキドキしたこと。
たわいもない一言で友人と喧嘩をしてしまって、後悔したこと。
家族みんなで、旅館でまったりしながら楽しんだこと。

思い出せばキリがありませんが、感情が混ざっている記憶は海馬が大切だと判断して、
長期記憶として残ります。

ですので、もし覚えておきたいことがあったら、そのときの感情を一緒に記憶しておくと忘れにくくなります。

もし、感情とセットにするのが難しい時は、好きな音楽を聴いて、その歌から感じたことを一緒に記憶すると効果的です。

3.2 場所法

メモリーアスリートの9割以上が使っているのが、この「場所法」というテクニックです。

人間にとって「場所」は、忘れる方が難しいということが、ノーベル賞を受賞した研究によって、すでに分かっているのです。

長期記憶を紹介する時に、「自宅にある、お風呂の場所や、トイレの場所を忘れることはない」という例を出しましたが、かなり昔の記憶でも忘れていないはずです。

小学校や中学校までの通学路はどうでしょうか。

学校にたどり着くまでに、何があったのかを思い出すことができると思います。

つまり、脳は「場所」を長期記憶として残そうとするので、場所とセットで記憶をしてしまおうというのが、「場所法」です。

例えば、初対面の方とカフェで会ったら、そのカフェと相手の名前をセットにして記憶してください。

次にあった時には、カフェのことを思い出せば、名前も一緒に思い出すことができます。

3.3 メモの活用

記憶のプロたちは、競技中にメモを使えないので、番外編になりますが、
メモの活用も長期記憶をするために、とても役立ちます。

当然ですが、メモをしておけば、その紙をなくさない限り、ずっと情報が残り続けます。

ちょっとしたことでも、すぐにメモをする癖をつければ、記憶術に頼らなくてもカンタンに長期記憶をすることができます。

ただし、短期記憶と同様に、メモしたことを忘れてしまうことがあるので、管理をする時には注意が必要です。


4 まとめ

いかがだったでしょうか。

記憶の中にも、感覚記憶・短期記憶・長期記憶という3つの種類があります。

そして、情報を整理して、短期記憶にするのか、長期記憶にするのかを決める役割をしているのが、脳の「海馬」という部位です。

「海馬」は、感情がセットになっている情報を、長期記憶にしようとするので、忘れたくないことは、そのときの喜怒哀楽を一緒に記憶すると効果的です。

「場所法」はノーベル賞で証明されているほど、長期記憶をしやすい方法であることもご紹介しました。

記憶のプロであるメモリーアスリートが使う「場所法」を使って、短期記憶を長期記憶にしてみてください。


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