元プログラマーにとっての"#"とは


「#とは」というお題を見つけたのでとりあえず思いついたことを書いてみようかと思います。

ものすごぉーーく昔のお話なのですが,まだインターネット黎明期(ホントにホントの黎明期。まだインターネットが商用利用禁止だった時代。え?そんな時代あったの?っていう皆さんはググってみてください)にプログラマーとして某メーカーに入社した自分にとって,真っ先に思いつく"#"という記号の意味は,「シェルスクリプトのてっぺんにオマジナイのように乗っけておく文言の一部」でした。

UNIX文化に馴染みの深い貴方にはもうおわかりいただけたかと思いますが,そう,あれです。

#!/bin/sh(またはbash)

わお。懐かしい。(ものっそどうでも良い情報ですが,私はtcshが好きでした。その理由はエラーメッセージにエヴァの登場人物の台詞を設定できたから。)

これ,ホントはどう読むのか知らんのですが,うちの部では「いげた(#)ビックリ(!)すら(/)ビン(bin)すら(/)シェル(sh)orバッシュ(bash)」って読んでました。

少し話が脱線しますが,こういう「なんて読んでる?」問題ってIT関連の言葉では結構いろいろありますよね。

ちょっと(かなり?)前に「GIF」をなんて読むかって論争とかもありました。ちなみに自分は昔から「ジフ」だと思ってまして,逆につい最近になって「ギフ」って読む人がいるって知ったぐらい。ギフってなんだよ鵜飼いとか飛騨牛で有名な中部地方の行政区画かよなんてついつい口走ったとかなんとか(嘘です

この「ジフ」or「ギフ」問題は,開発者のスティーブ・ウィルハイトさんが「ジフ」なんだよって公の場で公表したことで一応決着したっぽいですね。(参照:https://www.youtube.com/watch?v=CBtKxsuGvko&feature=youtu.be)

それでもまあ,いままでギフって読んでた人たち(欧米に多いらしい)がそう簡単に呼び方を変えてくるとも思えないので,そういうときは脳内で「ああ,ジフのことね」って変換しつつ,でも自分はあくまでもジフって言うみたいな些細な抵抗を続けていきたいと思います。(どうでもいい

他にも,「JUNET」を「じゅねっと」って読むか「じぇーゆーねっと」って読むかとか(例えが古い),「ASUS」も「あすーす」なのか「えいすーす」なのかもしくは「えいさす」なのかとか(正解は「えいすーす」),「Alt」は「あると」か「おると」かとか,挙げ出したらキリがないですね。

「Alt」で思い出しましたが(ちなみに正解は「おると」。英語の「Alternate(ɔːltˈəːət)」の略なのでおるとですね。某ゲーム好きな人は「オルタ」って言いたくなるかもですけど),むかし電話でのパソコンお悩み相談みたいなアルバイトをしていたときに,キーボードの押してほしいキーを口頭で説明するのが結構たいへんでした。

電話のお相手はご高齢の方が多いのですが,まあパソコンに挑戦しようとしている時点でアルファベットは普通に読める。しかし,当然書いてないことは読めないわけで。

一番説明するのが大変だったのが「スペースキー」。昔のキーボードには「空白」って書いてあるのもあったような気がするんですが,多くの場合これって何も書いてないただの細長いキーですよね。だから必然的に口頭で電話の向こうの相手に説明するのがちょっと難しくなるんです。

「キーボードの真ん中辺りにある,細長くて何も書いてないキーがありますよね?それをですね一回ぽんと叩いてみてください」的な説明になるわけです。(以下,スペースキーという)みたいなカッコ書きをつける訳にもいかないんで,またスペースキーが出てくると「先程ご説明しました,キーボードの真ん中辺りにある~」って回りくどい説明になってしまうんです。

あと電話で説明していて結構難しいのが,Windowsとかの用語関係ですね。

例えば「タスクバー」。これ,「タスクバー」が「タスクバー」のことだってわかってる人にはすぐ話が通じるんですが(当たり前),「タスクバー」が何のことかわからない人には,当然,どこにあるかとかどんな形状をしているかとかでわかってもらわないといけない訳です。

でもって,これが意外と難しい。なぜかっていうと,人によって見えているものが違うからなんです。

「タスクバー」ってまず,Windowsのバージョンによって色が違う。さらに同じバージョンでも設定によって色が着いてたり着いてなかったりもする。(半透明な人とかもいるんですよ。ハイ,私です)

それに加えて,そこに表示されているものも人によって,どころか同じ人でも時によって違ったりする。人によっては隙間がないぐらいアイコンが並んでいる人もいるんですが,実はこういう人が一番厄介です。

タスクバー関連の相談で一時期多かったのが,なぜかタスクバーが上だの横だのに移動しちまった!っていうご相談。

知ってました?あれ,固定しないと動くんですよ。そんでもって,動くことを知らない人は自分が動かしたと思ってないし,自分で動かしたことを認識していてもどうやったから動いちゃったのかを覚えていない。いわゆるひとつの定番台詞である「何もしてないのに壊れた(動いた)」って奴ですね?

いや,やってるんです。絶対に貴方が動かしたんです。

それでもそんなことを言っていても始まりません。タスクバー殿には元の位置に戻ってきてもらわないといけません。そこで電話の向こうのお客様に説明を始める訳です。まずはタスクバーが何であるかを認識していただくことから始めます。

「パソコンの画面の一番下の方にあるーああ,今は右に行っちゃったんですね。そうその動いちゃったやつです。あれをタスクバーって言います。それのですね,背景は何色してますか?えーっと,棒全体の色って言いますか,真っ直ぐにこう画面の端にですね…ああ,黒ですね。ありがとうございます。」

という訳で今回のタスクバーは黒いってことがわかりました。次にいきなり最大の難関が訪れます。そう,タスクバーのドラッグです。

「では先程の黒いタスクバーの中で,アイコン,えっとワードとかエクセルとかのマークとかがない黒いところを人差し指でクリックしながらですね,指,離しちゃ駄目ですよ?マウスのボタンをずっと押したままーこうぐいーっと左下の方に連れてくる感じで!引っ張ってみてください。あれ,動かない。そうですか。え?なんか字が出てきた?なんて書いてあります?最近使ったアイテム。ああそうですか。それはアイコンの上をクリックしてますね。えーっとじゃあ,さっきクリックしたところよりもうちょーっと下の方のですね,真っ黒なところを…え?今度はスピーカーの絵みたいなのが出てきた?ああ,それは下に行き過ぎましたね……えーっと,もうすこーしだけ上に上がってもらって,今度こそ真っ黒なところをですね!こう押したまんまぐいーっと,動かない…そうですか。真っ黒なところを押すのは出来てますか?そしたら,人差し指でマウスを押したまま,こう手首をですね,左の方へ回転させる感じで回しながら,画面の矢印がキーボードの方まで,なんならパソコンが乗ってるデスクの方まで突き抜ける感じで持ってきてみてください。おお!動いた!元の場所に戻りましたか!ありがとうございます。ありがとうございます。」

ってな感じでなぜかこっちがめちゃくちゃ喜んじゃうっていうか達成感を味わっちゃうっていうか。いや,はい。私の語彙が少ないだけなんだとは思います。説明上手なベテランの方だとそれこそ3秒で解決しますからね。(もちろんお相手にもよりますが。)

ってせっかく達成感を味わったところですが,ここで終わりじゃありません。固定しとかないとまた動きますからね。何もしてないのに。

だからその設定の説明をします。

「えっとでは次に,もう二度と別の場所に移動しちゃわないように設定しておきましょう。まず,さっきと同じように真っ黒なところを右クリックしてみてください。え?右クリックって何かですか?えっとですね,マウスを握って,人差し指じゃなくて中指でクリックしてください。それが右クリックです。右クリックしてもらったら,なんか画面が出てくると思うんですが,その中に「タスクバーを固定する」っていう…え?ない?「最近使ったアイテム」なら出てくる?ああ,それはさっきも出てきたやつですね。もうちょっと右の方へ移動してもらって…そう,何もないところで中指!中指でマウスを押してください!あ,出た。良かった。そしたらですね,先程も申し上げましたが「タスクバーを固定する」という文字の上をですね,今度は左,っていうか人差し指でぽちっとしてみてください。え?右なのかわからない。いつの間にかさっきの画面が消えた。そうですか。ではもう一度……」

ってな感じでご説明させていただくわけです。これでめでたくタスクバーが固定できた場合にはきっともう二度とタスクバーが変なところに行っちゃった事件は起こらなくなります。

っと,随分と話が脱線しまくってますね。そうそう,元々は"#"の話でした。

(しれっと話を戻しますが)他にも"#"にはUNIXやPerlで,先頭にこの記号があったら,以下その行をコメントにする(=その文は命令ではないよーそこに何が書いてあっても実行しないですっ飛ばしていいよーって教えてあげること)という意味で使ったりもします。

えーっと,結局何が言いたかったかというと,すべての例えが懐かしすぎてごめんなさい,ってことですかね。あれ?オチがない!?これは関西の人に怒られるやつや!


次回は,「貴方の嫌いなものは?半角カナと全角スペースだよ!」です(続かない






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