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新規事業の作り方(その3)〜「ビジネスモデル」を学べ!

「新規事業の作り方」の最終回です!

これまで、
●他業種のビジネスモデルを自分の業種へ移植する
アナロジー思考が重要
というお話をしました。

では、そもそも「ビジネスモデル」とは一体何でしょう? 

簡単にいうと、企業が利益を生み出す仕組みです。そして、この仕組みは、いくつかのパターンがあります。そしてそのパターンを知ることが、新規事業を作る上でとても大切なのです。

なぜなら、利益を生み出すパターンを知らずに新規事業計画を立てても、採算見込みに乏しい絵に描いた餅で終わる可能性が高いからです。きちんと「利益を生み出す仕組み(=ビジネスモデル)」を捉えることにより、収益性の高い事業を構築できるわけです。

例えば、その1で説明したヤマト運輸は、1970年代に個人貨物に特化した宅急便サービスを始めました。この戦略はビジネスモデルでいうと、「クリームスキミング戦略」です。

もともと、クリームスキミングは、「牛乳から最も美味しい部分を取る」という意味です。つまり、ムダを削ぎ落とし、重要な箇所に特化することにより、他社よりも優位に立つビジネスモデルといえます。

「クリームスキミング戦略」の最近の成功事例としては、QBハウスが挙げられます。QBハウスでは、シャンプー・シェービング・マッサージを無くしました。そして、1000円(2019年現在は1200円)でカットを行い回転率を高め、収益を上げるビジネスモデルを確立しました。

その他、サウスウエスト航空に代表されるLCC(格安航空会社)なども「クリームスキミング戦略」の代表例です。

この他にも、いろいろなビジネスモデルがあります。エイドリアン・スライウォツキーの名著『ザ・プロフィット』では、23の利益を上げるパターン(ビジネスモデル)が紹介されています。

1.顧客ソリューション利益モデル
2.製品ピラミッド利益モデル
3.マルチコンポーネント利益モデル
4.スイッチボード利益モデル
5.時間利益モデル
6.ブロックバスター利益モデル
7.利益増殖モデル
8.起業家利益モデル
9.スペシャリスト利益モデル
10.インストール・ベース利益モデル
11.デファクト・スタンダード利益モデル
12.ブランド利益モデル
13.専門品利益モデル
14.ローカル・リーダーシップ利益モデル
15.取引規模利益モデル
16.価値連鎖循環利益モデル
17.景気循環利益モデル
18.販売後利益モデル
19.新製品利益モデル
20.相対的市場シェア利益モデル
21.経験曲線利益モデル
22.低コスト・ビジネスデザイン利益モデル
23.デジタル利益モデル

『ザ・プロフィット』は2002年に出版されました。今から17年も前です。
その後、IT技術の発展やAIの開発など、目まぐるしいビジネス環境の変化が進行しています。

そして現在は、

・フリーミアム
・シェアリングエコノミー
・サブスクリプション

など新たなビジネスモデルも登場しました。

ビジネスモデルを学ぶと、利益が生み出される仕組みを理解することができます。そうすると、自分の会社は現在、どのようにして利益をあげているのかが見えてきます。また、競争相手の戦略も見えてきます。さらに、将来の事業計画を作る上で、本当に自社に利益をもたらすかという本質も見えてくるのです。

あなたが考えた新規事業を成功させるために、ぜひビジネスモデルを理解しましょう!

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