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【物理】ラケットを速く振る方法

皆さん、ラケットを速く振りたいですよね。
まずは理屈を理解しておきましょう。スイングのあれやこれやは、これを理解してからのほうが良いかもしれません。

「段階的に回転半径を小さくしていき、最終的には手首を回転中心とする」

まずは右半身全体を動かし、ある程度、スピードが高まったら、右肩にブレーキをかける。そうしたら右腕が前に走り、ラケットの速度が少し上がる。そして次の段階として右肘にブレーキをかける。前腕が前に走る。さらには右手首をストップさせた直後にインパクトを迎えると、最高速でのインパクトとなる。

物理的な説明

理屈としてはフィギュアスケートのスピンが腕を縮めた途端にスピードアップするのと同じこと。
まず、角運動量Lは質量mと半径r、角速度ωを用いて、
L = m・r^2・ω
と表現される。一旦、始まったスイングにおいては角運動量が保存されるので、Lは一定となる。今回の説明では回転半径rが小さくなっていく。そして腕の重さが、マイナス上腕、マイナス前腕と減っていくので、質量mも小さくなっていく。スイートスポットの速度は半径と角速度との積と考えられるので、r・ωである。
回転半径が小さくなり、その影響がωr^2で効いてくる。スイートスポットの速度にはrで効いてくる。合わせることでスイートスポットの速度は半径の逆数で速くなる。
質量は小さくなるので、その影響は角速度に質量の逆数で効いてくる。
以上を合わせると、回転半径に反比例してラケットの速度が上がり、質量に反比例してさらに上がる。つまり、回転中心を徐々に先端へと移動させることが有効である。

現実的なコツ

最後まで全身で振り切っては速度が上がらないということです。スイングの各段階で関節が前に進まないようにブレーキをかけることになります。なんなら、後ろに引っ張る筋力をフルに使うこともあるかと思います。これはボクサーのパンチと同じです。ボクサーは背中の筋肉、特に広背筋が発達しています。これはパンチを加速させるために体幹に近い部分を引っ張っているからです。

前へ前へと腕を伸ばしていくスイング

話をテニスに戻します。つまりこの図のように前足に乗って、腕全体を前に出していくようなスイングであるとほとんどブレーキが掛かっていないことになります。大きく振っているのにスイングスピードは上がりません。試合に勝つことを目標にする方ならスイングスピードは重要でないことも多いです。しかし、今時のフォアハンドを身につけるためにはスイングスピードを上げることは必須の技能となります。

さあ、肘や手首にブレーキをかけましょう。普段使わない逆向きの筋肉や、関節への負担はそれなりに高まるかと思いますが、可能な範囲で試してみてください。

ちなみにこの話は全てのスイングに共通です。サービス、ボレーにも当てはまります。両手打ちバックならブレーキを右手で掛けるという裏技があります。その辺りはまた後日。

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