【物理】ラケットをゆっくり振るのは難しい
「ラケットをゆっくり振りたい」ですか?
「ゆっくり」と言いつつ、「ゆったり」を思い浮かべてませんか?
少し変なことを話します。速く振るのには限界がありません。もちろん遠心力に耐えられることや加速に必要な筋力があることは必要ですが、やろうと思えばなんとかなります。
一方、遅く振るには限界があります。遅く動かすなら可能ですけれど。錘のついた紐を水平面内で振り回すことを考えてみてください。重さが決まっていて、回転半径が決まっているなら、ゆっくりの方には限界があるのです。したがって、我々がラケットをゆったり振りたいのなら、回転半径を大きくするしかないのです。
この図は錘を振り回しているときの力の釣り合いを示しています。遠心力の分力(黒矢印)を赤矢印2本(引っ張る力と重力)で打ち消しているわけです。遠心力が強ければ、浮き上がる力が重力よりも大きくなるし、遠心力が弱ければ、錘は下に下がっていきます。したがって、ある程度、遠心力が大きくなければラケットの高さを維持できなくなってしまうわけです。
「ゆっくり」振っている様に見える人は腕を伸ばして、ラケットの重みに任せ、振り出してからは力を追加せずに振り終わっているようなことをこっそりやっています。しかもラケットが重力で下に落ちてこない限界の遅い速度で振っています。実は高等テクニックかも知れません。難しい・・・。
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