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口福レストラン

東京は新宿から電車で50分強。国立(くにたち)に、台形というレストランがある。


ホームページには、

"『台形』は、 台形のかたちをした小さな飲食店です。"

という自己紹介。

SNSで存在を知った私は、まずその料理の見た目から惚れ込んだのだった。

そして先日、2度目となる台形でのディナーをいただいてきた。
初めて行ったときは夏だったので、それから半年くらいした時、またあの料理が恋しくなって、冬の台形に行ってみたくなったのだ。

これは初めて行ったときのツイート。

期待どおり、今回もこれ以上にないほどの満たされた(お腹と)気持ちで帰路につくことになった。

素材の名前しか書かれていないコースのお品書きを眺めながら、次々と出てくる宝石のようなお料理を楽しむ。

今回は、3品目のエビのグラタンが本当に衝撃的な美味しさだった。
エビの殻を粉砕して南瓜やスパイスと合わせたソースを、殻のないエビの上にもう一度(?)かけて、少量のチーズとともにこんがり焼かれているものだ。

今までの人生で味わった中で最上のエビ料理・・・。
言葉で表すのには私の筆がおいつかないが、本当に素晴らしかった。
一滴も残したくなかった。


ちなみにこれを食べながら私がつぶやいた感想は、

「エビのアレルギーがなくて本当に良かった。」

だった(笑)。

台形は、私が東京でいちばん好きなレストランだ。

それはもちろん出てくるお料理が大好きというのもあるけれど、それ以外の部分も大きい。

お店のおふたりのお料理への愛と、来た人をもてなそうという愛。
こじんまりとした店内で過ごしていると、それを全身で感じるのだ。

どこかのおうちに"お呼ばれしている"ような錯覚を起こす。

実際には自分が行きたくて行っているのに。

だからここは特別なんだ、と今回わかった気がした。


今回行ったのは、なにか特別な日でもなんでもないふつうの日曜日だった。
むしろ、自粛生活を強いられている上に雨が降っているさえない日曜だ。
それが、特別な日になった。

実は家から1時間半もかかるのだけど、それすらもウキウキする時間に変わる。
ここは、何かを祝うために行くレストランじゃなくて、ここに行くことが祝いになってしまう、かけがえのない場所だと思う。

今回もしあわせをありがとうございました。
ご馳走さまでした。また行きます。

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