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眼咽頭型筋ジストロフィー OPMD ってどんな病気?
筋ジストロフィーは筋肉の細胞質や核に異常が起きる病気である。
主な症状は、骨格筋障害による運動機能低下で、拘縮・変形、呼吸機能障害、心筋障害、 嚥下 機能障害、消化管症状、骨代謝異常、内分泌代謝異常、眼症状、難聴、中枢神経障害等の様々な機能障害や合併症を伴い、疾患ごとの特徴が出る。
臨床病型が眼咽頭型の筋ジストロフィー(OPMD oculopharyngeal muscular dystrophy)では、症状部位として、外眼筋と咽頭筋を含む眼瞼下垂、球筋の咽頭筋、四肢近位筋付近に現れ、45歳以降に発症する緩徐進行性で、具体的な症状として、以下が列挙される。
・顔面筋力低下
顔全体の筋力低下だけでなく、のど(咽頭筋)や舌の拘縮も含まれる。眼瞼下垂、眼球運動制限、嚥下障害、構音障害といった症状。
・眼瞼下垂
まぶたを上げる筋力が弱くなり、瞳を覆うようにまぶたが下がって視界が狭くなる。
・眼球運動制限
目のあらゆる向きへの動きがしづらくなり、ものが2つに見える「複視」も起きる可能性が出る。
・嚥下障害
咽頭筋や顔の筋力低下によって、食べ物をうまく飲み込めず、誤嚥性肺炎や窒息を引き起こす。
・構音障害
唇・顎・鼻・のどなど、声を出す器官の動きが低下し、発音ができなくなる。
・下肢近位筋筋力低下
ふとももなど、体の中心に近い方の筋力が低下し、高齢になると歩行困難に陥ることもある。
近年、病気の原因となる遺伝子が多数発見され、遺伝子・蛋白に基づいた分類もなされている。
一方、現在も遺伝子が同定されていない分類不能な疾患も多く存在し、これらの多くは肢帯型や先天性に分類される。
これまで確認された筋ジストロフィーの原因遺伝子の機能には、細胞膜に関連するもの、細胞の外側に存在する基底膜に関連するもの、筋線維の収縮・弛緩に関与する筋原線維(サルコメア)に関連するもの、タンパク質の糖修飾に関連するもの、核膜に関連するもの、など多様なものが確認されている。
眼咽頭型筋ジストロフィーの原因は解明されており、14番目染色体のPABPN1遺伝子が通常10回のGCN(翻訳するとアミノ酸アラニンAlaに相当する)の繰り返しが12~17回に伸びることで、異常なPABPN1タンパク質(ポリアデニル酸結合タンパク質1)が筋肉内で発現し、核内凝集や繊維内凝集を起こし、正常なPAPN1は巻き込まれて機能が喪失、異常なpABPN1は毒性を発揮することで発症に至る。
この病気は家族型(遺伝型)を取り、一対の遺伝子の片方に変異があると発症し、次世代への伝藩確率は男女の区別がなく1/2の確率で遺伝する常染色体顕性(優性)形式とされている。
参考文献
眼咽頭型筋ジストロフィー | 病型と治療 | MD Clinical Station (mdcst.jp)
筋肉の病気 (pathologycenter.jp)
筋ジストロフィー(指定難病113) – 難病情報センター (nanbyou.or.jp)
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