佐藤優「日本共産党の100年」

代表作となる一冊


2022年7月朝日新聞出版より刊行
日本共産党は「普通の政党ではない」というコピーが目を引く
日本共産党の光と影の部分-どちらかと言えば影の部分を書き出している
著者佐藤優の今後の代表作となることは間違いない
「日本共産党の100年」はデビュー作にして最高傑作「外務省に告ぐ」と驚異的記憶力で512日間の拘置所体験を記録した「獄中記」に並ぶ傑作である
鈴木宗男事件に連座し「外務省のラスプーチン」と呼ばれマスコミを騒がせた人物として、元外務省主任分析官の見地からロシア・ウクライナをはじめとする外交問題の専門家として、国内では沖縄と本土の格差の問題提起を行う人物として幅広く執筆を行う佐藤優の今回のテーマは日本共産党である

「福祉政党」の真の姿


日本共産党と聞いてどんなイメージを迎えるのだろうか
選挙におけるキャッチコピーは「平和と自由」「ぶれずにいのち」と平和・福祉を前面に押し出したイメージが強い
しかし「日本共産党の100年」を読み終えて浮かび上がるのは「革命政党」「天皇制廃止論」といった刺激的なワードであり、福祉政党とは異なる前衛組織の姿である
「綱領」と言った普段なかなか目にすることができない一次資料をもとに丹念に解き明かしている

ミクロとマクロ


佐藤優は近年著者自身のこれまでの仕事の総仕上げにかかった
人生の残り時間を意識したとも告白し前立腺がんを公表して以降、更に精力的な活動を展開している
佐藤優が膨大な知識量と経験をバックとして読者に新たな視点を提供している
「日本共産党の100年」は戦前戦後だけでなく直近の野党共闘もテーマとしてる
野党共闘というと新聞・テレビでは選挙対策、野合など表面的部分しか見えてこない
しかし佐藤優によりマクロな視点からこれまで見えなかった日本共産党の本当の姿が見えてくるはずだ


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