松岡正剛「サブカルズ」

松岡正剛がサブカルを斬る

文化論・歴史論で名高い松岡正剛が遂にサブカルチャーを語る

サブカルチャーといってもアニメ、マンガといった局所的なサブカル論ではない
音楽、都市といった「そんなものまでテーマにする?」といった驚きの視点もサブカルとして捉え包括的にこの世の全てを語る内容となっている
東京の都市においては秋葉原から竹下通りまで、ポップカルチャーはポケモンを、日本語ロックでは忌野清志郎からエレカシまで、サブカルをテーマに縦横無尽に語り尽くす松岡正剛ワールドの片鱗を掴める一冊である

松岡正剛主催の「千夜千冊」からサブカルがテーマの回を抜粋し一冊にまとめた

そもそも千夜千冊とは?

松岡正剛は単なる書評ではなく「編集工学者」という肩書きである
軽妙な筆致で世界を語りアラビアンナイト=千夜一夜物語になぞらえ千夜千冊、ありとあらゆるジャンルの本を語り尽くす


秋葉原とアキハバラ

1172夜のドナルド・リチー「イメージ・ファクトリー」は松岡正剛ワールドのエッセンスが凝縮されている

https://1000ya.isis.ne.jp/1172.html

サブカルズの評文ではこう著している


おかげで石庭と五重の塔を見た帰りにダッコちゃんやポケモンに出会い、歌舞伎座と浅草に寄った帰りに竹下通りやアキハバラに迷い込み、どこにかしこにも名伏しがたい”変な日本”があることを見いだすことになる

秋葉原をアキハバラと書く
これは電気街としての秋葉原とメイドカフェやコンカフェのアキハバラの二面性を表現しているはずだ
しかし浅草は浅草のままでいいのか?
竹下通り以外にも原宿はスポットがあるのになぜ竹下通りなのか?
この一文だけで読書は松岡正剛ワールドにどんどん入り込んでしまう

一冊を中心にどんどんインフォグラフィックが広がっていく
「サブカルズ」を読んで卓越した文体とリズムとテンポで松岡正剛ワールドを喰らえ!

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