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不倫の末路

って、相当悲惨なんじゃないかと思う。


「不倫したやつはどうせ"不幸"になる」、なんて色々な人が慰めてくれたけど、そんな言葉は深く傷ついた心には届かなかった。だけど、渦中から一歩離れて考えてみれば、その"不幸"っていうのは、不倫が人にバレてどうこうとか、悪いことをしたからバチが当たるとか、そんな"並の不幸"ではないんじゃないか、と思い至ってめちゃくちゃ怖くなってきた。



不倫と言っても、様々な様態がある。元夫と不倫相手に関していえば、罪悪感を持ち合わせておらず、今もなお責任逃れに必死である。自分を正しく省みることができない彼らが行き着く先は、一体どこなんだろう。





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元夫と付き合っていた当時、彼の家は酷い状態だった。部屋には足の踏み場がないほどものが多く、水回りはいつ掃除したのかわからないくらい汚い。空またはほんの少しだけ中身が残っているペットボトルが大量にある。ペットの爬虫類のフンを片付けず、ケージの端によけるだけ。布団や枕カバーを洗わない。お風呂マットを使わないから濡れた床が波打って塗装が剥がれている。などなど。



デスク周辺だけ片付けていて、いつも大体そこに座っていた。彼がSNSに載せるのも、デスク周りだけだった。ああ、あと、外に着ていく服やバッグも綺麗にしていた。今思えば、彼の本質はそのまんま部屋に現れていた。他人に見せるほんの一部分だけ綺麗にして、あとは荒れ放題。セルフネグレクトレベルだった。



なんでそんなのと結婚したんだよ、てかなんで付き合ったんだよ、って感じだよね!!!でも今まで付き合ってきた人も、ここまでじゃないにせよみんな部屋が綺麗じゃなかったから、男の一人暮らしはこんなもんか、と思ってしまった。でも今ならわかる。家事のできない人・やらない人・女がやるのが当たり前だと思ってる人と結婚すべきじゃない、ぜったいに。



衣食住は、全ての土台になる。どれだけ着飾ろうが、SNSに映えてる写真を投稿しようが、生活の基本ができていない人と暮らすことは極めて大きなリスクを伴う。




「わたし家事好きだから」という人もいるかもしれないけど、一生今と同じように身体が動くわけじゃない。別に完璧じゃなくてよくて、自分が管理しきれない量のものは持たないとか、食材を焼く煮るができるとか、部屋を汚くしたまま長期間放置しないとか、そういうことでいい。



それさえもできない精神状態なのだとしたら、誰かと付き合ったり結婚するタイミングではなくて、自分で自分に向き合うタイミングだと思う。




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不倫女は、「ようやくワシら結ばれたンゴ」「ワシら美男美女で相性ぴったりンゴ」「趣味も同じで運命としか思えんよ」「不倫じゃなくてバチクソ純愛なんよ」(不倫相手(31)の言葉遣いを忠実に再現しました、わたしが親ならこんなのが娘なら泣く…)とか思ってるのだろうけど、彼女はとんでもないはずれくじを引いたことに、いったいいつ気づくんだろうか。



別居や離婚を経て、数ヶ月経った今心から思うのは、元夫は絶対に関わっちゃいけない人種だということ。そういう意味では元夫と不倫相手はお似合いなんだよね。



私が、元夫と不倫相手に対して完全な勝利をおさめるのは、元夫のことも不倫相手のことも全く思い出さなくなったそのとき、だと思う。今はまだ、ゴミ箱フォルダにいる。




家事も謝罪も慰謝料も、自分で自分の始末をつける、という意味では同じカテゴリーに存在する。それができない人間の末路は、目も当てられないほどのセルフネグレクト&孤独死一直線だ。



わたしが巻き込まれたのはキャッチーな昼ドラなんかではなく、底の見えないグロテスクなヒューマンホラーなのだと思うと、なんだか背筋がゾッとした。



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