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STRIVE1号ファンド、2024年3月に満期を迎え解散。投資リターン倍率は4倍超を達成

天野雄介及び堤達生が共同代表を務めるAT-I投資事業有限責任組合(以下、STRIVE1号ファンド)は、積極的なハンズオン支援を通じたリターンの最大化を投資方針に掲げ、2014年5月に組成しましたが、2024年3月に約10年間の満期を迎え解散しました。10年間の累積投資会社数は28社(国内18社、海外10社)となり、そのうち7社がIPO、13社がM&AにてExitを実現しました。

今回は、投資機会をいただいたスタートアップの起業家や従業員、ファンド出資者、取引先等の皆さまに感謝をお伝えすると共に、ファンドの投資実績をご紹介し、スタートアップ業界の皆さまにもご参考になれば幸いです。


沿革

2014年5月に約60億円のコミットメント総額で組成されたSTRIVE1号ファンドは、組成後4年の2018年5月に元本回収を達成し、約10年目の2024年3月にファンド期間の満了を迎え解散しました。

※ 一部投資先を抜粋

投資活動と成果

投資活動の概要

投資先28社をエリア別に見ると、国内が18社(67%)、海外が10社(33%)という内訳でした。ファンド全体での投資リターン倍率は4倍超を達成し、そのうち国内は約5倍、海外は約2倍でした。ステージ別では主にシリーズAに当たるアーリーステージが全体の約6割に相当し、投資形態ではリード投資が全体の約8割、また投資先のビジネスモデル別ではB2Bが全体の約7割となりました。

主なExit事例

Exit時の状況

Exit時の状況を見ると、M&AでのExitが全体の46%、IPOが25%でした。投資リターン倍率別では、10倍以上がIPOの2社、5倍以上が7社(うちIPOが5社、M&Aが2社)、1倍以上は17社で6割超となりました。

※ 投資会社ベース

投資先別投資リターン倍率

※ 青はIPOによる回収

投資先の事業カテゴリ別の投資割合と投資リターン倍率

カテゴリ別の投資内訳は、マーケティングが29%、ECが18%、フィンテックが14%でしたが、カテゴリ別の投資リターン倍率は、1位がフィンテック、2位がマーケティング、3位がメディアとなりました。

IPOを実現した主な投資先、出資者からのコメント

2020年12月22日に東証マザーズへ上場したウェルスナビ 柴山さん、Kaizen Platform 須藤さん、ファンド出資者のみずほキャピタル 黒崎さんからコメントをいただきました。

ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO 柴山和久氏

STRIVEの1号ファンドが満期を迎えたとのこと、お祝い申し上げるとともに、これまでのご支援に感謝いたします。

天野さんは、まだ事業アイデアしかなかったウェルスナビの成長力を信じ、リード投資家として事業立案から資金調達、組織作りまで伴走してくださいました。その結果、ウェルスナビは2020年に東証マザーズへの上場を果たし、2024年初には上場時目標としていた預かり資産1兆円を突破しました。今後は資産運用の領域を超え、中立的な立場から、お客様一人ひとりのお金の悩みを総合的に解決する「総合アドバイザリー・プラットフォーム(MAP)」の実現を目指します。

天野さんのスピーディーな意思決定と熱意あふれるサポートにより、これからも時代を変える事業が生み出されていくことでしょう。ますますのご活躍を心からご期待申し上げます。

株式会社Kaizen Platform 代表取締役 須藤憲司氏

STRIVE1号ファンド満期おめでとうございます。

ちょうどリクルートを辞めるという話を堤さんにした時からVCと起業家という関係が始まったんだと思います。今思えば最初の資金調達の時から色んなVCを見ておいでと僕を泳がせてた堤さんはさすが一枚も二枚も上手でしたね。沢山回って「堤さんお願いします」と言いに行った時に孫悟空がお釈迦様の手の中だったような感覚だったのを鮮明に覚えています。思えば起業家というのは常に変化し続けていかなければいけない仕事で、沢山の失敗や困難がありましたがスドケンならなんとかするだろうという信頼をしてくれてるのを常に感じていました。ずっと資金調達をしてた感じですが、時にCFOとして時にメンターとして心強いパートナーがいる事がどれだけ心の支えになったかわかりません。未熟な経営者にとってこの目に見えない、数字に出てこない信頼が自分が成長しないといけないという原動力の一つだったと思います。

Kaizen Platformは、これから本格的な人口減少に突入する日本において、営業・マーケティング・カスタマーサポートなど攻めのDX市場において顧客体験をカイゼンするというテーマで事業を展開してきました。ここに生成AIが登場し、営業やマーケやコールセンターなどの顧客接点をデジタル化する中で、人の業務をAIでBPOし、人の生産性を爆増させるという事に挑戦し始めています。コロナの次は生成AIと市場環境の変化が激しくなる中で、未上場の時に苦労してきた事が本当に自分に血肉となってる事を感じます。

未熟で生意気な若者が起業家として経営者として世の中に出ていく過程を伴走頂いた事にとても感謝しております。本当におめでとうございます。このファンドと皆さんのおかげで経営者になれた気がしています。

みずほキャピタル株式会社 常務取締役 黒崎力蔵氏

AT-1投資事業有限責任組合(以下 AT-1)のクローズお疲れ様でした。そして素晴らしいパフォーマンスおめでとうございます。AT-1の投資先企業は多大な付加価値を世の中に提供していると実感しております。我々みずほGもAT-1への投資がスタートアップ業界への距離感をより近くする橋頭保となったことを改めて思い出しました。STRIVE10周年も合わせておめでとうございます。益々のご発展を祈念しております。

おわりに

この度STRIVEは皆さまのおかげで無事10周年を迎え1号ファンドを解散いたしました。ここまで紆余曲折ありましたが、改めまして日頃の皆さまのご支援及びご愛顧に感謝いたします。STRIVEは1号ファンドの解散後も引き続き2号ファンド及び3号ファンドの2つのファンドを運用中です。特に2号ファンドは現時点の未実現利益ベースの投資リターン倍率で1号ファンドを超えるパフォーマンスを出しており、今後が楽しみです。引き続きSTRIVEをよろしくお願いいたします。


1号ファンドの満期・解散を迎えて、正直ホッとしています。常々、「投資は誰でも出来る、運が良ければ、1社くらい投資回収できる。ただ、ファンド全体を何倍にもするには、技術が必要だ」と公言してきただけに、我々STRIVEの投資技術の確からしさが、証明出来たのではないかと思います。2号ファンド・3号ファンドとまだ続きますので、引き続き、高い投資リターンを目指して、起業家と向き合っていきたいと思います。

2024年4月に開催した「STRIVE Family Meetup」


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