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監獄見学をしてさらに寒い地域へ突入の巻【24冬日本半周#8】

東横インでいつもよりも豪勢な朝食を食べました。朝食サービスは宿泊料金内なので本日の朝食費はタダ。それならばここに泊まってよかった、カモ。

ストリングス、網走監獄に入獄(?)

午前中は網走を観光します。網走の有名なスポットといえば、網走監獄!!

市内観光巡りバスを使えば7分くらいで到着しますが、本数は1時間に1本。他の観光客もたくさんいるので混雑は必至です。

ここで面白い(?)小話を。現在も網走には、場所を変えて網走刑務所という刑務所があります。そして観光巡りバスはその近辺を通るのですが、刑務所の最寄りのバス停は当然「刑務所前」。英訳するとどっちも Abashiri Prison なわけで、何も知らないでバスに乗っていると網走監獄に行きたいはずが網走刑務所へ行くはめになります。

「絶対間違えるだろうな〜」と思っていると、案の定外国人観光客が勘違いして「刑務所前」で降車しようとしてしまいました。幸い運転手さんが「ここではない」と説明し、事なきを得ました。こういったケースには慣れているんでしょうね。

こうして我々一行は、網走監獄へ“護送”されました。

門番人形がお出迎え
こんなにも広い敷地

網走監獄は、明治時代に北海道開拓の際「囚人に開拓作業をさせよう」という考えのもと建設されました。北海道開拓というと屯田兵とかが有名ですが、囚人による労働もあったのです。

距離にして200キロ超の中央道路の開通を僅か8ヶ月で行えという無理難題な工事。囚人は休みなく働かせられました。またその監視として看守も駆り出され、これまたキツい労働を課せられたそうです。

その結果6人に1人の囚人が亡くなるなど多大な犠牲を出し、工事は“無事に”完了しました。元看守の残した「北海道の開拓は半ば囚人たちによってなされたものだ」という言葉がとても印象的でした。

監獄のお話に戻ります。上はよく見る網走監獄の独房の写真ですが、この独房には興味深い構造があります。それは斜め格子という特殊な格子です。

本来は真四角な四角柱で檻を作るのですが、柱を菱形にして斜めの格子にすることで、廊下の看守からは部屋の様子が見えますが、中の囚人からは向かいの部屋の様子を見ることが全くできないようになっているのです。

看守は中が見えるが
囚人は向かいの部屋を見ることができない

網走駅前には手書きの「網走駅」という看板がありますが、縦書きになっています。これは「網走から出獄した元囚人には真っ直ぐに生きていて欲しい」という願いが込められているそうです。

縦書きの「網走駅」

監獄の歴史だけでなく、明治の開拓時代の証言として今なお残されている網走監獄。ぜひ一度ご訪問下さい!!

ハッカの町・北見

網走監獄は見応えがあり、結局見学に2時間を要しました。行きと同じバスに乗り、門を出ます。2時間ぶりのシャバです。

これから列車で西へ西へ、今日の目的地は旭川。これまで訪れた土地よりも低い気温が観測されている寒冷地です。どんどん寒くなりますよ〜(笑)。

その途中、北見駅で下車。北見はハッカの名産地です。今まで知らなかったのですが、ハッカは「薄荷」と書くそうです。

北見にある「ハッカ記念館」

北見駅から徒歩10分、ハッカ記念館に立ち寄ります。ここでは北見のハッカの歴史やハッカの製造工程を知ることができます。しかもタダで。

ハッカには「精油」と「精脳」の2種類があり、ハッカという植物の葉っぱを蒸溜させることで取卸油を抽出。それから遠心分離で精油の素と精脳の素(粗脳)に分けます。

ハッカの蒸溜実演

それから粗脳を脱油させ、乾燥させることで結晶ができます。これが精脳となり「ハッカ脳」として製品になります。

北見はハッカを育てるのに大変良い土地で、最盛期の1930年代には世界シェアの7割を誇っていたのです!!北見はハッカによって発展したと言っても過言ではありません。

記念館がタダといっても何とかお金を落としたい。そんなわけで僕はハッカが入った羊羹「薄荷羊羹」を、Rさんはそれと「はっか糖」を購入しました。

小さいもので280円

薄荷羊羹はとても甘く、それでも後味にほんのりとハッカの香りがするとても美味しいお菓子でした。ぜひご賞味ください!!

日本最北端のスタバでコーヒーを買う

ここ北見には僕がぜひ行きたい場所がありました。それは日本最北端のスターバックスです!!

この旅が計画された時から「何かの最北端に行きたい」と考えていたテラヲさん、大学からの帰り道でピカッと閃いた!!

「そうだ、日本最北端のスタバに行こう!!!」

かくして我々(もとい僕)は北見にあるスタバ、スターバックスコーヒー北見KITFRONT店を訪れることにしたのです。Rさんはあんまり乗り気じゃなかったのですが(笑)。

北見駅から網走方面への列車で引き返すこと一駅、柏陽駅がその最寄り駅です。折り返しの列車は35分後、スタバまでの道はGoogleMap曰く15分。早歩きで向かいます。

雪道を急ぐこと10分で到着。最近できた店舗のようで外装もキレイだなぁ、、、なんて言ってる場合ではありません。混んでいるので素早く買わねば間に合いません!!

変なアングルでしか撮れなかった

カフェアメリカーノを注文し受け取り口へ。この店舗はドライブスルーもあり、そこからの注文も来るのでなかなか僕のコーヒーは来ません。刻一刻と時間は迫ります。

発車12分前でようやく受注でき、帰り道を急いで歩きます。下り道だったので負担はそれほどありません。

駅に着いたのは発車2分前。おお、ちょうど列車が来たようです。「あぶねー、あぶねー(寺田交差点構文)」

闇夜を抜け旭川へ

無事コーヒーも買えました。折り返しの西留辺蘂行に乗車し、留辺蘂駅まで行きます。

留辺蘂ってどう読むか?「るべしべ」です。蘂は「しべ」と読みます。雄しべ・雌しべのしべですね。なかなか普段では書くことのない漢字ですので、初見の方は読めない難読駅名です。

丸いひらがなで書かれている

ここ留辺蘂駅は無人駅のため、窓口で指定席券等を買うなんてことはできません。そこで使われるのが、簡易委託というものです。簡単にいえば地元自治体に切符の販売(出札業務)をJRが委託しているのです。例えば、美深駅では美深町が受託しています。

ここでは呉服店が務めます

委託先によって販売できる切符も限られます。人口の少ない地域が多い北海道ならではの仕組みです(一部本州もあり)。

後続の遠軽行に乗り、遠軽駅で1時間ほど待ったのちに本日最後の列車・オホーツク4号にて旭川へと向かいます。乗車時間は2時間、旭川到着は21時過ぎです…。

セコマのやっすいが美味いパスタを2つ食べた頃には、時計は10を表示。あ〜〜くたびれた。

それでは次回、クソ長い一本道を突き進むの巻(仮称)でお会いしましょう!!!さようなら〜。


※ これは連載記事「鉄路で日本"半周" in 2024 Winter」の一環です。

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