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最果てへの一本道をひたすら突き進むの巻【24冬日本半周#9】

ホテルの朝食をのんびり食べていたら出発まであと僅かだと気づき、慌ててホテルを後にしました。

駅チカなのが幸いして、なんとか8:30発特急カムイ12号に乗れました。「あぶねー、あぶねー(またかよ)!」

留萌まで“行けない”留萌本線

本日の最終目的地は宗谷本線・南稚内駅。最果ての駅・稚内駅の一駅手前ですが、駅周辺はそれよりも栄えています。

では早速宗谷本線へ!…というわけではなく、先ほど申し上げたカムイ12号に乗って一旦深川まで向かい、留萌本線を走破します。

留萌本線は名の通り留萌まで行く鉄道“でした”。しかし利用者の減少により令和5年に石狩沼田〜留萌間が廃線になり、ついに留萌本線は名の由来である留萌駅に行かない、行けない路線となってしまったのです。

僅か1両の気動車が走るのみ

往年は確か特急だか急行だか「るもい」という列車も走っていた留萌本線。栄光は見る影もありません。

それを象徴するものがホーム。留萌本線の車両がいるホームだけなぜかカチンコチン。ツルツルの氷が張っている危ないホームになっています。しっかりとした除雪をしてもらえないのでしょうか、見るも無惨な姿です…。

ここだけツルツル

列車に揺られて十数分、終点の石狩沼田駅に到着。駅舎には数人ほど待ち客がいました。客層の9割は高齢者、駅にあったパンフレット曰く「日本一子育てのしやすいまち」を目指しているそうです。

ちなみに石狩沼田駅も例によってツルツル・カチンコチンホーム。Rさんは「仕方がないよ」なんて言いますが、利用者のほとんどが高齢者と考えると危ない気がするのですが…。

北上、ただ、北上

再び旭川駅に戻りましたがそれも束の間。これより宗谷本線に入り、最果てへと向かいます!!

ここからが本番!!!

稚内までの道のりはただ一つ、旭川駅から縦に伸びる宗谷本線のみです。つまりそこを出ればその先は一本道、迂回も何もできません。緊張が走ります。

途中の名寄駅までは快速なよろ1号で向かいます。快速なので速いのですが、使用車両はたった1両の気動車です。

快速なよろ1号

快速ということもあって利用者は多く、発車前に立ち客が発生する始末。もう一両欲しい。

発車するとさすが快速、速い。駅をすっ飛ばしてひたすら北上していきます。外からは気流の「ビュルビュル」という音が聞こえます。それほどに速い列車なのです。

難読駅名・和寒(わっさむ)駅

と思ったら南下、そして北上

こうして列車は無事に終点名寄駅に到着…と思っていたのか?ここで問題発生。

Rさん「士別で降りるの忘れてた」

Rさんは北海道旅行中「北の大地入場券」の収集に邁進していて、今日も士別駅で入場券を買う予定だったのですが、お互いそれを失念、終点まで来てしまったのです。

そして士別駅まで折り返し。Rさんの謎の執念には理解できません。この入場券ですが、函館では2日間もいたのに買うの忘れてたんですよ?どうせ全部集められないのに…ゴホンゴホン!

幸い次乗る予定だった特急サロベツ1号には士別でも乗れるそうで、一応安心しました。全くやれやれ。

それでは本日最後の乗車、サロベツ1号で南稚内へ。乗車時間は怒涛の3時間!!!距離にして約200km、遠い。冗談抜きに遠い。

稚内はまだはるか彼方

乗車中列車は何度もピーッと汽笛を鳴らします。線路上に鹿がいるのです。

鹿の群れが目の前に!!

元はと言えば鹿がこの地域の住民。あとからやってきた列車は腰を低くして知らせます。

「おーい鹿さん通してくださいな」
「了解、“しか”たがないなぁ(鹿だけに)」

乗車から3時間、ようやく、ようやく南稚内駅に到着しました。外は雨と強い風。あ〜しんど。

明日は朝早くから出発して、ついに最果ての地を踏みます!!なので今日は早めにおやすみです。

それでは次回、最果ての土地で降り降られ(仮称)でお会いしましょう!!さようなら〜。


※ これは連載記事「鉄路で日本"半周" in 2024 Winter」の一環です。

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