【２】無人島の秘密

第2話：謎の痕跡

翌朝、大学生のタカシ、ケンジ、マリは早起きして準備を整えました。昨日の探索で見つけた火の跡や折れた枝などの痕跡が彼らの好奇心をくすぐっていたのです。彼らは再び森の奥へと足を踏み入れました。

「今日こそは何か手掛かりを見つけるぞ。」タカシが意気込んで言いました。

「うん、でも慎重にね。昨日の痕跡からすると、誰かがここにいるかもしれない。」ケンジも同意しました。

マリは少し不安げでしたが、勇気を出して仲間に続きました。3人は昨日とは違うルートを選び、島のさらに奥深くへと進みました。木々はますます密集し、足元は苔や落ち葉で覆われていました。

突然、ケンジが立ち止まりました。「見て！あそこに何かある。」

彼が指さした先には、小さな石積みがありました。その上には古びた木の箱が置かれていました。タカシが近づいて箱を開けると、中には古い日記のようなものが入っていました。

「これ、誰のものだろう？」タカシがつぶやきながら日記を手に取りました。ページをめくると、そこには筆跡が整った文字で書かれた日記がありました。

「ここには100年以上前に誰かが住んでいたみたいだ。この日記にはその人の生活や、島の謎について書かれている。」タカシが説明しました。

「でも、なぜそんな古い日記がここに残っているのかしら？」マリが疑問を投げかけました。

「それに、昨日の火の跡や折れた枝のことを考えると、この島には今でも誰かが住んでいる可能性がある。」ケンジが考え込むように言いました。

そのとき、彼らは遠くからかすかな物音を聞きました。振り向くと、森の奥に人影が見えたような気がしました。

「誰かいる！」タカシが叫びました。3人はその人影を追って森の奥へと駆け出しました。しかし、追いかけるうちに人影は見えなくなり、彼らは広場にたどり着きました。そこには美しい湖が広がっており、周囲には色とりどりの花が咲いていました。

「こんなところに湖があったんだ。」マリが感嘆の声を上げました。「すごく綺麗…」

しかし、その湖のほとりに立っている人影に気づいた瞬間、3人は驚きで言葉を失いました。そこには、少女の姿をした存在が彼らを見つめていたのです。彼女は長い黒髪をなびかせ、純白のワンピースを着ていました。その目には深い知恵と悲しみが宿っているように見えました。

「あなたは誰？」タカシが震える声で尋ねました。

少女は静かに微笑み、こう言いました。「私はこの島の守護者。あなたたちがここに来るのをずっと待っていました。」