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マラソン/トライアスロン

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マラソン、トライアスロン、等の持久系スポーツに関する情報を提供しています!
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2019年5月の記事一覧

フルマラソンの準備のために夏場のトレーニングを効果的に行うためのポイント(有料)

フルマラソンレースシーズンは秋から冬にかけて(概ね11月から3月くらいまで)であると考えられるため、フルマラソンに出るための準備(練習)は夏場に実施することを余儀なくされるといっても過言ではありません。 夏場に行われるオリンピックや世界陸上を目指すトップランナーが暑熱順化(暑さに対して身体を適応させること=暑さに慣れること)を兼ねて夏場にフルマラソンの準備を行うことは重要である面もありますが、市民ランナーが真夏の炎天下の中、冬場のフルマラソンに向けての準備をする必要があるの

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持久系アスリートと朝練

古くから持久系アスリートの多くは朝練を積極的に行なっているのではないかと推察されますが、朝練の意義、メリット、効果などについて以下に少し考察してみたいと思います。 生物には概日リズム(サーカディアンリズムリズム)と呼ばれる約24時間周期で変動する生理現象が存在し、ホルモン分泌や血圧、体温、などはサーカディアンリズムの影響を受け変動しているとされています。 これまでに多くの先行研究によって、このサーカディアンリズムと運動パフォーマンスとの関係が報告されていますが、多くの研究

生涯に渡り持久系スポーツを健康的に行っていくために

2016年5月に放映されたNHKの番組「クローズアップ現代+」でトライアスロンに取り組む中高年者が増加していることが紹介されていました。 なんと、2016年5月に開催された某トライアスロン大会では、参加者の7割が40代以上であったとか。 トライアスロンに限らず持久系スポーツの魅力の一つは、練習(トレーニング)が競技結果に直結しやすい点であり、簡単にいえば練習した分だけ競技結果が良くなるということです。 球技や対人競技は、相手があってのスポーツですので練習が試合結果に直接

VO2maxインターバルトレーニングとウエイトトレーニング

持久系競技パフォーマンスを向上させるためのポイントの1つに、TypeⅠ線維(遅筋線維)とTypeⅡa線維(速筋線維のサブタイプの1つ)のミトコンドリア容量を増やすことが挙げられます。 ミトコンドリアは、いわゆる有酸素性エネルギー代謝におけるエネルギー産生工場としてしられていることから、骨格筋のミトコンドリア容量を増やすためには比較的強度の低い有酸素運動が効果的であると考える人も多いのではないかと推察されますが、実は骨格筋のミトコンドリア容量を増やすために最も効率的な運動強度

ウエイトトレーニングがトライアスロン競技におけるBike後のRunのランニングエコノミーの改善に及ぼす影響!?

下記の記事では、トライアスロン競技パフォーマンスを決定付ける種目(Swim or Bike or Run)は何であるかということについて、過去のレース結果から分析した研究によってオリンピックディスタンスでは最終種目であるRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があり、アイアンマンディスタンスではBikeパフォーマンスとRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があると示唆されていることを紹介した上で、トライアスロン競技パフォーマンスを向上させ

トライアスロン競技結果に影響を及ぼす種目は?

トライアスロン競技結果を決定付ける種目について、過去のレース結果から分析した研究(以下、参照)によれば、オリンピックディスタンスでは最終種目であるRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があることが示唆され、また、アイアンマンディスタンスではBikeパフォーマンスとRunパフォーマンスの良し悪しが競技結果を決定付ける可能性があることが示唆されていますが、このことはトライアスロン競技における各種目の配分から考えれば、ごく当たり前の結果が示されたに過ぎないといっ

筋線維組成と持久系トレーニング方法について考える

先日のオンラインカウンセリングで持久系アスリートの(持久系)トレーニング方法に関する質問を受けましたので、それに関連した記事をシェアさせて頂きます。 いわゆる競技力、競技パフォーマンスは、トレーニングによって獲得される後天的な身体能力だけでなく、先天的な資質によって左右されるともいわれています。 特にトップアスリートは人間の身体能力の限界に近い状態で競技を行なうため、そのアスリートが有する先天的資質が競技パフォーマンスを左右する重要なポイントになることが多いと考えられてい

オリンピックディスタンストライアスロン競技のバイクトレーニング再考

2019年のトライアスロンシーズンも開幕し既にヒートアップしている状況ではありますが、今年は2020年東京オリンピックの前年ということもあり更なる熱戦が繰り広げられるのではないかと推測されます。 そこで、という訳ではありませんが、オリンピックディスタンストライアスロン競技のバイクトレーニングに関して様々な示唆を与えてくれている先行研究がありましたので、以下にご紹介したいと思います。 Med Sci Sports Exerc. 2009 Jun;41(6):1296-302

やっぱりフルマラソンは特殊な持久系競技!?

近年、長距離走競技のスピード化がより進行し、その練習に対する考え方を変えなければならないといっても過言ではない状況においても、フルマラソンの準備(練習)については、これまでの考え方と大きく変わらず多くの走練習を行う必要があることは否めないと考えています。 もちろん、練習量(総走距離)とフルマラソンタイムが直線比例関係にある訳ではないと考えられますが、端的にいえば42.195kmをより速く走る練習が必要であるといえる訳ですから、他の長距離走種目の練習に比べて練習量が多くなる(