AIイラストとボカロMVについて思ったこと

初めまして。strEightといいます。
ボカロMVにAIイラストを使用することに対して、ボカコレに参加するにあたって考えたことを書いておこうと思います。

投稿曲です。是非聴いてください。
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm43442444?ss_id=aedfb674-0165-4a6e-808c-544a5795a4c9&ss_pos=5&cp_in=wt_srch


 ボカコレは作品を作る人達の祭典ですから、作者の心や魂を見に来てる、ちゃんと曲そのものを聴いてくれる人が多いと思っています。

 創作をする皆さんの中には、流行りのポップスが全く好きになれない、どこかで聞いたようなことばっかりで退屈、など感じる人がいるのではと思います。きっとそれは自分の考えやこだわりの「好き」があって、作品に対して真摯に向き合ってくれているからでしょう。自分に合う・合わないがあるからこそ、流行りの曲でも好きと思えるものと、何がいいの?こんなのが人気なの?と思うものが分かれるのだと思います。

 しかし、恐らくですが、作品を自分で作らない人というのが世間の殆どで、それ故に細かいことまでは考えず何となく・流行りで好きになるという人は少なくはないだろうとも思います。つまり、作者の意図などを時間をかけて考えない人が多いだろうということです。でもそれは全く悪いことではなく、何となく好きということに理由を考える必要はきっとないです。


ここで、

自分がいいと思った作品・自分の作品と、自分が理解できない人気の作品とを比べて。私のように知られていない創作者からすると、心を込めて悩み抜いて作った作品が、流行っている・雰囲気だけの作品に負けていると勘違いしてしまうのです。
 人気のある作品には必ず何かみんなの心に響くものがあり、雰囲気だけで売れているなんてことはないのにです。

 人気が出る良い作品というのはMV、音質、広告など、聴いてくれる人に対してできる努力を最大限して作られます。
 私の曲である「咲手紙」は、魂を込めた作品ならみんなが良いと思ってくれる、と考えてあげた作品ですが、作者である私が聴いてくれる皆さんに甘えてしまったため、クオリティが低い作品になっています。

 そこでAIイラストの存在です。AIイラストは雰囲気を作るのに非常に適しており、音楽がよく分からない人や、映像技術の凄さがよく分からない人など、つまり創作活動をしていない多くの人に対してとても簡単に眼に止めて貰いやすくなる手段です。
 作品を心で見る、創作者である私たちからするとAIイラストというのは良い作品に思えない人も多いと思います。しかし多くの人は、AIイラストと手書きのイラストの区別はつかないです。
 ブランド品とその偽物を考えてもらえると分かりやすいと思います。見た目にはほとんど違いはなく、道ですれ違う分には簡単には分からないし、普段使いもできる。けれど品質や細かなロゴなど、細部を見ていくと少し違和感がある。それを踏まえて、値段というわかりやすいメリットから偽物を使う人、もしかしたら本物だと思い込んで使う人もいるのではないでしょうか。


 曲が良ければ売れる、魂が込められた本当にいい作品はMVがなくても聞いて貰える。作曲をする身としてはそうであって欲しいですが、実際には音楽が分からない人は多く、魂が籠った音楽なら人気が出るとも言えないと思います。マーケティングや広告・宣伝の経験がある方は何となく分かってくれるのではないでしょうか。知られるということは非常に重要です。

 私の作品が良いと思ってくれた人、見つけてくれてありがとうございます。本当に嬉しいです。もっといろんな人に聴いてみてほしいですが、単純に知られていないんです。数ある曲の中で聞いてもらうためには、お金をかけて時間をかけて見た目で分かりやすい映像を作るしかない。そこまでしても聴かれない可能性もあります。
 自分の心を聴いて貰えない作曲者の苦労もあることは知って欲しいです。咲手紙は私がイラストを描きました。アプリを調べて書き方を調べて、これだけでも1ヶ月近くかかったと思います。それでもこのレベルです。

 お金を払ってイラストレーターに依頼するという手段もありますが、中高生、奨学金を借りている・一人暮らしをしている大学生などにとって、絵を1枚依頼するというのはとても大変だとおもいます。作曲自体がとてもお金がかかるのに、MVがちゃんとしてないと見てすら貰えない、このようなことからAIイラストを使おうと考えるのは、完全な悪とは言いきれないかなあ、とも思います。

 AIイラストは、心を込めたイラストレーターの絵を安物にしてしまう危険性があります。魂を込めた作品を聴いてもらうために、まだできる努力があるのに他人の魂を安くしてしまう恐れがあるAIイラストは使えないなと思い使用を辞めました。最大限のできる努力がAIイラストの使用ならば、もう少し考えていく必要があるかなとおもいます。


 悪意のあるAIイラスト使用を止める、創作という文化を守るために私がしていきたい、するべきだと考えていることは、①だれかの作品に真摯に向き合い、簡単に否定しないこと ②良いと思った作品は作者にその気持ちが届くようにすること ③周りにそのきもちを広めること です。


 AIイラストの使用は、見て貰えないという葛藤からだと思います。見ているよという動きが、創作の支えになると考えました。



 色々書きましたが、未来ガールは未完成です。皆さんの思う未来ガールを描いてMVに当てはめてください。

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