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事例演習刑事訴訟法解答

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事例演習刑事訴訟法の参考答案です。
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#補強証拠

事例演習刑事訴訟法 1.任意捜査と強制捜査

第1 小間1について
1 本件捜査は、写真撮影として五官の作用により対象を認識し、その私的領域に侵入する「検証」(刑事訴訟法(以下、略)218条1項)に該当するものであるが、令状の発付を受けることなく実施している。そこで、本件捜査は令状主義とならないか。「強制の処分」(197条1項但書)の意義が問題となる。
2(1)197条1項但書の趣旨は、国民の重要な基本的権利・自由を制約する処分について、厳格

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22 補強法則

22 補強法則

1 本件において訴訟手続の法令違反は認められるか。第一審判決で、本邦に上陸した事実について補強証拠はあるものの、被告人が有効な旅券等を所持しないで本邦に上陸した事実について自白を唯一の証拠として有罪の認定をしたことにつき、刑事訴訟法(以下、略)319条2項に違反しないか、問題となる。
(1)補強法則の趣旨は、自白偏重による誤判の防止にあるから、補強証拠となるには、証拠能力に加え、自白からの実質的独

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