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事例演習刑事訴訟法解答

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事例演習刑事訴訟法の参考答案です。
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#同一性

事例演習刑事訴訟法 1.任意捜査と強制捜査

第1 小間1について
1 本件捜査は、写真撮影として五官の作用により対象を認識し、その私的領域に侵入する「検証」(刑事訴訟法(以下、略)218条1項)に該当するものであるが、令状の発付を受けることなく実施している。そこで、本件捜査は令状主義とならないか。「強制の処分」(197条1項但書)の意義が問題となる。
2(1)197条1項但書の趣旨は、国民の重要な基本的権利・自由を制約する処分について、厳格

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16 訴因変更の可否

16 訴因変更の可否

1 裁判所は、過失運転致死罪の訴因を犯人隠避罪の訴因へ変更する許可を許可すべきか。訴因変更の可否が問題となる。
(1)「公訴事実の同一性」(刑事訴訟法(以下、略)312条1項)は、訴因変更の限界を画する機能概念であるから、新旧両訴因の基本的事実関係の同一性を意味する。
 このような機能からすれば、両訴因が1個の刑罰権の枠内に含まれているかという観点から判断すべきである。具体的には、両訴因の犯罪を構

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