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記憶の継承と生きることと役割を果たすことと

はじめに

この記事には映画「花の詩女 ゴティックメード」と「天間荘の三姉妹」についてのネタバレがあります。ネタバレを読みたくない方は即座にブラウザバックかこのタブを閉じてください。あと、記事の写真は「ゴティックメード」のパンフレットですが、「天間荘の三姉妹」のパンフレットは売り切れてて買えなかっただけなんですぅ・・・(´・ω:;.:…

そもそもなんで映画をはしごしたのか

んー、実は僕が長崎市で開催されたハッカソンイベントに2泊3日で参加したんだけど、それに参加するのにバスで行ったわけで(バス代とガソリン代、駐車場代、僕の体力諸々を考慮した結果、長崎市の駐車場代が結構エグいことが判明したので)。そしたら、ちょうどこの時期に「ゴティックメード」の10周年記念のリバイバル上映と、「天間荘の三姉妹」の封切りがあったわけで。
ちなみに「ゴティックメード」はハッカソン開催前の朝、「天間荘の三姉妹」はハッカソン終了後の午後に観たので、1日ではしごしたわけではないっす。

「花の詩女 ゴティックメード」感想

とは言っても、この映画実は今回で3回目の鑑賞なんだよなぁ・・・。というのも、未だに円盤になってないので、見たかったら映画館に行ってみるしかないわけで・・・。ちなみに1回目は純粋にストーリーを、2回目はキャラクターを、3回目は音響を堪能。
あらすじは、貧しい植民星「カーマインプラネット」に代々出現する「詩女」という特殊能力者の少女の都行きを警護するために現れた軍事大国の皇子の出会いと別れを描いたロードムービー。一見ロボットアニメっぽいけど、ロボットはおまけみたいなもん。あくまでもボーイ・ミーツ・ガールの物語に主眼が置かれてる。
で、少女ベリンと皇子トリハロンは旅を続けていく中で、はじめは衝突していたけどだんだんお互いのことを理解するようになり、というとこで謎の襲撃を受けて、それを撃退するために、ロボットが登場するわけで。
今やロボットアニメでロボットはCG作画が主流のこの時代に、監督自らが原画をすべて手描きする狂気。恐ろしいけど美しい。ベリンが放つこの言葉に全てが集約されている。
最後、都に到着した二人は別れの時を迎えるのだが、その際にトリハロンは詩女の預言を受ける。別れたあとのその後については、ナレーションで語られて一応終わるのだが、真のエンディングはそのあと。キャスト紹介でキャラクターのその後の姿がほのめかされ、実は「ファイブスター物語」の中の1エピソードでした、というオチが付く。
で、「ファイブスター物語」は今も話が続いているわけだけど、3回目になって初めて分かった(田舎なのでドリパス上映があってもそうそう簡単には見に行けない)のが、ラストでクリスティン・Vと一緒に歩いているのがダイ・グ・フィルモアVではなく、レーダーIX(本編ではノルガン・ジークボゥという名で登場)だということが判明。公開当時にはまだ本編には出てないキャラだった・・・。
この映画、音と声優さんの演技がすごいので、毎回別れのシーンで泣いてしまう。僕、意外とこういうタイプの一期一会で別れたら最後2度と会うことがない、ってのに弱いのかも。

「天間荘の三姉妹」感想

高橋ツトム先生の漫画を北村龍平監督が映画化した、以外の前知識は全然ない状態で鑑賞。まあ、このコンビなら間違いないだろうと思って見た。
あらすじは、事故で生死の境をさまよう主人公・たまえが生と死の間にある「天間荘」という旅館を訪れるところから始まる。実はたまえは天間荘の若女将のぞみ、その妹かなえとは異母姉妹。で、ひょんなことからたまえは天間荘で働きながら、色々な客と接したりするうちに、しだいに天間荘での生活に馴染んでいく。
そしてある日、天間荘のある三ツ瀬という街の住民たちが実は東日本大震災の津波被害で死んでおり、生死の境にいるのはたまえの他には宿泊客ふたりのみ、ということを知る。
そして、たまえはかなえにイルカトレーナーの訓練を受けながら、やがて決断の日を迎える。結果たまえは生きることを選択し、現実世界の三ツ瀬で水族館のイルカトレーナーとしてデビューして物語は終わる。
最近の、とりあえず漫画原作なら何でも実写化すればいいんだろ、みたいな風潮からは少し外れて、ちゃんと地に足のついた実写化。「スカイハイ」の外伝だと考えれば、このくらいのファンタジー風味は物語の適度なスパイスとして丁度いいのではないかと。ただ、唐突なカメオ出演の高橋ジョージとつのだ☆ひろはちょっと・・・w という感じだったが。
ちなみに、中盤くらいから僕の左斜め後ろからずっと鼻を啜る音が聞こえてきてて、そこの席の人の「泣きのツボ」にむっちゃハマったんだろうなぁ、と。僕は最後まで泣かなかった。いい映画だったなー、って余韻には浸れたけど。
僕的には、漫画原作の実写化作品としては十分に合格点。最近の俳優さんとか女優さんにあんまり詳しくないので、演技とかもわざとらしいわけではなく、自然に見られたので良かったのではないかと思う。漫画実写化は誰がどう考えても無理ぽなのを無理にやらなくてもいいのに。

まあ、ここからが本題。

「天間荘の三姉妹」の主演ののんさん。
僕あんまりよく知らなくて、朝のテレビ小説の「あまちゃん」でブレイクしたってことと、なんか改名騒動があって本名での芸能活動ができなくなった、ってことくらいしか知らない。(そもそも朝のテレビ小説を見てから出勤なんて会社に勤めたことない)
で、今回の映画が東日本大震災を題材にしていて、「それでも人は生きていく」的なことをテーマにしているのならば、あれからもう10年は経過しているわけだし、いつまでも彼女に「東北復興のシンボル」的な役割を担わせ続けているのはどうなのか、って思う。だって、「それでも人は生きていく」わけだし。
「ゴティックメード」風に言えば「復興の詩女」としての立ち居振る舞いをずっと押し付けてるように感じられるし。まあ、それでも生きていくわけだし、もうその呪縛から彼女を解いてあげてもいいのではないのかなぁ、と思った次第で。(ただ、本人がそれを続けたい、というのならばそれ以上部外者の僕が言うことでもない)

まあとにかく

どっちの映画もいい映画なので、機会があれば是非に。

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