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強い経理のつくりかた

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強い経理があれば長寿企業になるわけではないけれど、長寿企業には必ず強い経理があります。強い経理になるために経理部員に何ができるのか、考えていきたいと思います。
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2024年4月の記事一覧

【経理】"補足"と"蛇足"は、似て非なるもの。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 世の中はゴールデンウィーク中ですが、3月決算法人の経理部の方は仕事をされている方も多いかと思います。 今日は「"伝えるべき事実" と "自分の考え"は全く別のものなので、区別して伝える」ということについて書きます。 通訳するときの"補足"と"蛇足"は、似て非なるもの。先日、食事のために蕎麦店に入ったのですが、注文に時間のかかっている席がありました。 英語を話す外国からいらした方2名と、日本語を話すホスト役の2名の合計

【経理】企業の風土は、"空気" のようなもの。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「企業の風土は人によって作られる "空気" のようなものなので、簡単に淀んだり澄んだりする」ということについて書きます。 スタッフが変わると、企業風土が変わる。この3月の所得税の確定申告期限直前に、顧客の取引先に直接確認しなければいけないことがありました。 その取引先は仙台にある介護関係の企業で、今すぐ確認するには、電話確認するしかありません。担当が分かれている会社さんだったので、話が通じそうな担当の方にたどり

【経理】自己評価は記録にもとづき、他者評価は記憶にもとづく。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 社内で正式な評価制度がある会社であれば、自分のパフォーマンスを定期的に評価してもらえますが、ひとり経理や小規模経理になりがちな中小企業では、自己評価が難しいことが多いと思います。 今日は「評価制度がない会社で自己を評価する際は "記録" をベースにし、他者からの評価を見るときは "記憶" をベースにすると、割と参考にしやすい」ということについて書きます。 自己評価のバランス感覚。今は会社の外側から経営者や経理さんを通し

【経理】経営者の思考&行動スピードは、"自分の3倍以上" と考える。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「経営者の思考力と行動力は桁違いなので、伝える情報の正確さと、レスポンスの早さには気を付けよう」ということについて書きます。 気づいたときには、すべて終わっている。自分が中小企業の "ひとり経理" だったときですが、お昼休みにうっかり口を滑らせてしまったことがあります。 「A社の経理部長の〇〇さんと毎月打合せをするが、毎回、個人的な話を聞かれて困っている。うまく回避する方法を探している。」ということを、その当時の

【経理】"1年後のワタシ" は、ほぼ別人。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 この時期、3月決算法人の経理さんは「年1回しかやらない作業」をやることが多いと思います。 今日は「年1回しかやらない作業の手順は忘れやすいが、1年後の自分が困らないように工夫をしよう」ということについて書きます。 年1回しかやらない作業の手順は、忘れるのが当たり前。年度決算作業は12回目の月次決算ではあるものの、どうしても「年度決算のときだけやる作業」というものは出てきてしまいます。 忙しい時期の作業で、しかも、年1

【経理】中小企業の経理さんの多すぎる兼任と、内部統制の話。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 それぞれの企業によりますが、中小企業の経理さんは、経理以外の業務も担当されていることが多いと思います。優秀だからこそできてしまいますし、お話を伺うと、それを「特別な負担だと思ったことはない」という方も多いです。 今日は、「中小企業の経理さんの業務兼任を見直したら、会社の仕組みそのものが変わる」ということについて書きます。 記憶力&記録力に優れているから、重宝されてしまう。中小企業の経理さんは、記憶力・記録力に優れている

【雑談】事業承継と相続は、 "時間" と "お金" がある人が、勝つ。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「事業承継と相続の検討・相談は、早ければ早い方が良い」ということについて書きます。 今回は、経理向けというよりは、経営者向けです。 専門分野ではないけれど。税理士にもいろいろな方がいらっしゃると思うのですが、私自身は、事業承継や相続はほとんど担当しない税理士です。お客様からご相談を受けた場合には、お話を伺った上で、グループ内の専門の税理士に連携することにしています。 最近、お客様から立て続けに事業承継・相続関

【経理】売掛金管理ツールには、こだわりたい。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「売掛金管理ツールを選定するときは、めちゃくちゃこだわった方が良い」ということについて書きます。 「売掛金管理ツールを利用しなくても良い仕組みづくり」が、大前提。企業の売上代金の回収状況を把握するのに、売掛金管理ツールは必須です。自社の売上代金が早期に、かつ、確実に回収されて現金収入を得るからこそ、事業を継続できるからです。 もちろん、この「売掛金管理ツール」がなくても、全く問題ない場合があります。 例えば、

【経理】初めての、税効果会計。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 ベテランの経理さんになると、年度末に税効果会計の担当になることもあるかと思います。3月決算前に「初めて税効果会計をやるので不安」「1年にいちどしかやらないので、ほとんど覚えていない」など、不安の声を聞くことも多いです。 今日は、初めて税効果会計に取り組む場合や、苦手意識を持っている場合に、どのように取り組んだら良いかについて、書いてみたいと思います。 税効果会計に苦手意識を持ちやすい理由。「税効果会計」という表現にも表