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☆夢も希望もないこの世界で君は何を思い僕は何を思う☆◆10章◆前編・何もかも全てが闇へと消えて地獄へ落ちた

◆10章◆前編・何もかも全てが闇へと消えて地獄へ落ちた

1話・もう一度やり直せたら

マサト、25歳…漫画喫茶で暮らす

退職金30万円片手に漫画喫茶で1ヶ月引きこもり残り20万円になっていた…

やり残した事がある…

それはまだ離婚届を書いていなかった…

マキのいる、青森の実家に行くしかない…

自分への贖罪の意味を込めてママチャリを買った、そして青森へと自転車を漕いで必死に向かった!

もう一度マキとやり直せたら…


そう思いながら必死に漕いで漕いで漕ぎまくった…!!

汗だくになりながらお尻や足が痛くなりながらあてもなく地図もなくひたすら10時間以上漕いだ!!

だが、自分の思いとは虚しく

荒川の土手で自転車が砂利道でタイヤが滑りひっくり返り自転車は壊れ自分は草むらの方へ倒れ込んだ…!!

ハァハァハァ…息を荒あげながら日が沈んでいく空を見上げていた…

もう一度やり直せたら…そんな都合がいい事あるわけないよな…


やり直せたところでマキを幸せにする事できないよな…

俺みたいな人間がっ!!

そして重い腰をあげ、次の日飛行機でマキのいる青森の実家へ向かった!

2話・最後の夜

マキのいる実家に着いた!

玄関を開けるとそこにはマキの母親が出迎えてくれた

マキの母親は病院の看護師をやっていて見た目も言葉使いも優しい感じだった

そしてその後ろにはマキと父親がいた!

マキ「離婚届書きに来てくれたん?」
マサト「う、うん…」
マキの父親「マサト君、ちょっとそこに座りなさい!!」
マサト「は、はい…」

バチーーーンっ!!

いきなりビンタされた!!!

マキの父親「お店のお金盗んだらしいな…」
マサト「は、は、はい…」
マキの父親「うちの娘を捨てて逃げてよくもノコノコと顔を出せたもんだな!」
マサト「す、すいません…ご、ごめんなさい…」
マキの父親「やり直すつもりはあるのか?」
マサト「………!!?…あ、あります!!」
マキの父親「お前みたいな犯罪者にマキをやれんっ!!離婚届書いてさっさと出ていけ!!!」
マサト「は、はい…わかりました…」

そして…泣きじゃくりながら離婚届を書き判子を押した…

マキの母親「もう夜遅いから今夜は泊まっていきなさい!」
マサト「あ、ありがとうございます…ほんとにすいません…申し訳ございません」

そして…マキとの

最後の夜…


今までの事やお互いの気持ちを話した…

マキ「私、1人で生きていくから大丈夫!家族もいるしね!マサトとはもう一緒にいる気はないから…」
マサト「……」

何も返事を返せずそのままただただ号泣するだけだった…

そして次の日の朝、マキと家族に挨拶をしてそのまま飛行機で東京へと戻っていった…


3話・何かも全てが闇へと消えて地獄へ落ちた

青森から東京へ戻ってきたマサト…

頭の中がもう真っ白になってしまった…

残りの所持金は15万円…

また漫画喫茶に行き寝泊まりをした

そしてお金が残りの5万円になった時、その時は突然訪れた!!!

渋谷の漫画喫茶で寝ていたら後ろから何者かに財布を盗まれたのである!!

そして…全財産がなくなった…!!!

免許証や身分証明書…財布の中の5万円…!!

なんで…

なんで自分の財布盗むんだよっ!!!

一体何の恨みがあるんだよ!!!

クソがっ!!

因果応報なのかもしれないな…自分はお金を盗んだことあるからそれがこういう形で返ってきたのかもしれない…

とりあえず漫画喫茶の代金は昔の同僚の友達の電話番号を何故か覚えていて持ってきて貰いお金を払ってくれた…

お金はできた時でいいからいつでも返してきていいよ!そう言うと彼は2万円渡して去っていった…

なんて、良い奴だ…

でも、何もかも失ってしまった…

財布を盗まれ…残りは2万円…僅かな希望だけ残し

この寒い冬の12月に東京駅でホームレス達が集まって寝ている所に身を寄せた…

何も飲まず食わず誰とも会話もせず…

ただただ白い息が出るだけで目は虚ろになり

何もかも全て闇へと消えて地獄へ落ちた…


これが…この世の地獄っていうやつなのかな…

このままホームレス生活も悪くないな…

この世の終わりだな…

そして…ゆっくりと目を閉じた…


10章後編へつづく!!のか…





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