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なぜ韓国の専攻医は大量辞職するのか
韓国で専攻医1万3千人のうち9000人近くが辞職している件について。
この記事がわかりやすかったです。
韓国も日本と悩みは同じ。政府は僻地としんどい科の医者を増やしたい。
だから医学部の定員を2000人増やすと政府が発表し、専攻医がボイコット。
専攻医の意見は、
「医学部の定員を2000人増やすのは医者の給料を下げるだけ」
「こんなに長時間働いているのになぜ将来の報酬が下がらないといけないのか」
「政府はまず地域の医療環境改善を」
結果、大量辞職。
う~ん、日本人からすると言いたいことはわかるんだけど・・、
なんでこんなに行動が過激なの?
そう不思議に思う方も多いでしょう。
在日コリアン3世、現役医師が考察しました。
市民運動と政府の戦い
韓国は市民と政府の戦いで発展してきた国です。
韓国は休戦中のため、市民運動で赤い思想が広まらないか目を光らせていました。
1948年の済州四・三事件、1980年の光州五・一八事件、ともに政府は軍を投入し一般市民を大量虐殺して制圧しました。
(興味ある方はWikipediaを参照。光州事件については映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』がおすすめ。あとBTSの曲にも光州事件について触れた歌詞があります)
自国軍が一般市民を殺害するという、絶対にあってはならない事件でした。
済州島の美しい海にはたくさんの血が流れ、いまも済州空港には虐殺された市民の遺骨が眠っています。
済州四・三事件では、韓国軍の虐殺から逃れるために多くの市民が日本へ渡りました。
そしてたくさんの人が在日コリアンとして日本で暮らしています(わたしもその子孫の一人)。
済州四・三事件と光州五・一八事件。
韓国政府はどちらの事件も存在を認めて、大統領が毎年現地で謝罪しています。
市民が動いて国を動かす。
そんな市民運動を経て、1987年に韓国は民主化しました。
つまり40年前に日本がバブルで浮ついていたときはまだ軍事政権だったのです。
最近では、朴槿恵大統領の汚職に対して市民が「ろうそく革命」でデモを起こしたことが記憶に新しいでしょう。
ろうそく革命で朴槿恵大統領は大統領の座を追われ、懲役判決が言い渡されました。
専攻医の大量辞職、結局どうなるの?
というわけで、韓国は「市民が動いて国を動かす」国なのです。
日本にはあまりない文化ですよね。
政府のやり方に不満があって大量辞職する、というのは韓国の現代史を知っているとそれほど不思議ではありません。
政府への不信感も日本より強いです。
「市民が動いて国を動かす」ことがいいか悪いかはなんとも言えませんが、
日本より生きにくいかも、とは思っています。
韓国の大統領で幸せな余生を送った人をひとりも知りません。
ところで、一般の方は専攻医の大量辞職をどう思っているのか。
NAVERやTwitterで意見を調べてみました。
予想通り、ほぼすべて辞職した専攻医たちに対する猛烈な反感でした。
わたしでさえ思いますよ。
「政府のやり方に不満があるにしても、ほかにやり方はなかったのかな・・」と。
この若手医師のストライキがどう終結するのか。日本から見届けましょう。
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