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マリー・ローランサンから学ぶ「決断で一番大切なこと」

アーティゾン美術館で開催されている
「マリー・ローランサン ― 時代をうつす眼」展
を見てきました(2024年3月3日[日]まで)。
パステルカラーの奥に隠れた、彼女の秘密を垣間見たような気がします。
その秘密とは、「人生の主導権を握る選択をする」こと。
どういう事でしょうか?
若者が行う3つの大きな決断シーンで、マリーの場合を妄想してみます。


決断➊「どこに住むか?」

=住む場所で人生の生末が決定してしまうのに、どこに住むかを決めるのにほとんど時間をかけない=
マリーはパリ10区に生まれ、結婚後の亡命期間を除いてはパリにずっと住んでいます。そのため、日常生活を通じて芸術文化の中心地で美意識が磨かれたり、世界中から集まる多様で才能豊かなアーティストとの交流から新しい発想を得たり、作品制作をする数多くの機会に遭遇できました。その結果、1920年代「エコール・ド・パリ」と呼ばれる繫栄期にはココ・シャネルをはじめ上流婦人がマリーに肖像画を注文することが流行します。故郷というだけでなく、アーティストとしての成功確率が最も高い場所だったからこそパリに住み続けたに違いありません。
あなたは年収や成功確率が高まる国や場所を選択して住んでいますか?

決断➋「誰と恋愛するか?」

=誰と恋愛するかを決めるのにほとんど時間をかけない=
マリーは22歳の頃、詩人のアポリネールと出会い恋愛関係になります。その後、アポリネールがモナリザ盗難事件の容疑者となったのをきっかけに愛想をつかして破局というのが通説です。
しかし、マリーはアポリネールの才能やコミュニティーによって彼女自身をアップデートできるという理由からも彼を選択したと思うのです。だから、容疑の影響が自分にも及ぶ前にアポリネールと距離を置いた。また、アポリネールの彼女としてではなく、画家マリー・ローランサンとして生きる自覚を持った。そして、理想的な制作環境を得るためにドイツ人男爵と結婚したのです(亡命で制作がままならなくなり離婚しますが)。
あなたが最も大切だと考える価値観を共有するパートナーやコミュニティとつながっていますか?

決断➌「どんな仕事をするか?」

=仕事にとてつもない時間を費やすのに、どの仕事に就くかにはほとんど時間をかけない=
画家を目指したマリーはなぜキュビズムを選んだのでしょうか?単にキュビズムの始祖ブラックとアカデミーで知り合ったからだけではないでしょう。それは、印象派には既に女流画家がいたから。当時、女流画家は多くないにしても生計のために自らのポジショニングを検討する必要があったのです。だから戦略的に黎明期のキュビズムを選択した。と考えれば、キュビズム女性画家の筆頭に挙げられるのも頷けます。
あなたはユニークでこれから成長する領域がどこかを見極め、キャリア選択やポジショニングしていますか?

まとめ

マリー・ローランサンは自分自身の人生を生きるため、慎重に決断を下したことでしょう。その際の判断基準は「人生の主導権を握る選択か?」。
だからこそ、彼女の作品は生き続けるのです。類まれなる決断の証として。


マリー・ローランサン自画像(21歳)

#マリー・ローランサン #アーティゾン美術館 #決断 #選択 #ジブン株式会社マガジン


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