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一流作家の作文指導に学ぶ、「子どもの気分の持ち上げ方」

得意の「制作」で、突然のスランプ。
これが、「行動観察」にも影響。
克服するヒントは、
『メンタル・タフネス』に
書いてあったのですが…。 

子どもの「制作」で、
何を、どのようにほめればいいのだろうか?

そして、
「指摘したいこと」をぐっとこれえるには、
何に目をつぶればいいのだろうか??

子どもの気分を上げて、
個性に自信を持ってもらうには???

またまた、ある日の夜更け、
ふと、自分の受験勉強を思い出しました。

思い出した本がありました。

それは、人気作家、清水義範先生の
『国語入試問題必勝法』。


【受験国語を、面白可笑しく斬る名著!】

「国語の点数を上げる方法はないか」と
思案していた時に、

  「問題を読まないでも答はわかる!? 」
  「国語が苦手な受験生に
   家庭教師が伝授する解答術は
   意表を突く秘技」

という内容を誰かから聞いて読んだのですが、
受験国語の批評は痛烈で、とても面白かったです。

が、点数上昇には至らず。

この本を思い出した流れで思い出したのが、
著者の清水先生に興味を惹かれて読んだ、
『清水義範の作文教室』でした。

【愛情ある作文指導が、麗しい】

本の帯にもある通り、
「文章にはことのほかうるさい人気作家が、
(なりゆきで面倒を見ることになった、
作文教室の生徒である)
小学生の作文を
添削指導した1年の記録」
が書かれています。

そして、1年を通して人気作家が到達した
作文指導の極意は、
これも帯にある通り、
「生徒をほめること」なのです!

この本に書かれていることと、
娘の制作に“下手に介入”をしてしまったことを
照らし合わせると、
「子どもの気分の持ち上げ方」が
見えてきたのです。


至言)
「当然のことである。小学生の書く作文なんて、
 まあその大部分がつまらないのである。
 だって、書く動機がないのだから。

 学校で国語の時間に、
 きのう行った工場見学のことを
 作文に書きましょう、
 と言われる。
 意欲はわかないのだが、
 先生の指示なんだから
 とりあえず書くことになる。
 書きたくてうずうずしているわけでもないのに。

 それに加えて、
 小学生の作文をつまらなくしている
 もうひとつの要因がある。

 それは、
 子どもたちが“いい作文”を書かなきゃいけない
 と思いこんでいる、ということである。」


耳が痛い。

幼児教室で、娘に「制作する動機」は、ない。
制作は好きだが、
「お題を与えられて、制限時間内にこなす」ことは
“テスト”なので、動機は、ない。

なのに、懸命に作った制作物に、
父親が勝手に、「いい制作物とは…」みたいな感じで
コメントされると、
子どもは、戸惑うしかないですね…。

ごめん、娘よ。

もうひとつの至言)
「私は子どもの作文に対する上で
 重要なことがひとつだけあると思っている。
 それは、彼らの作文をほめることである。
 とにかくほめる。
 なんとかほめる。

 これのいったいどこをほめればいいのかと
 気が遠くなりかけても、
 しゃにむにほめる。

 字がきれいですね、でもいい。
 どういうことがあったのか、
 よくわかりました、でもいい。
 楽しさが伝わってきます、でもいい。
 こんなむずかしい漢字を
 よく知っていたね、でもいい。
 ぶっきらぼうな言い方が
 ユーモラスだね、でもいい。
 長い文が書けるようになったね、でもいい。

 とにかくまず、ほめるのだ。
 ほめられれば気分がいいというのは、
 大人も子どもも同じである。
 うまいね、と言われれば嬉しくなってきて、
 それでよければもう少しやってみましょうか、
 という気になるではないか。
 つまり、
 作文を書くことが楽しくなってくるのだ。

 いきなり大好きになるということはなくても、
 こういうのはどうほめられるんだろう、
 と様々なトライを楽しむようになってくる。
 書くことがただ苦痛なだけの義務ではなくなり、
 積極的な遊びになってくる。

 これこそが、
 小学生にとっての作文を書く動機なのである。」


こういうことですよね!

「これのいったいどこをほめればいいのかと
 気が遠くなりかけても、しゃにむにほめる。」

「制作」は、考査科目だけど、
遊びの要素がとても強い、
本来はとても楽しい作業。
積極的に遊んで、
個性を輝かせるには、
最高の科目。

と考えてみると、
大人目線で勝手に、
「いい制作物は、こうあるべし」という、
おそらく的外れな視点で指導するのは止めて、
これのいったいどこをほめればいいのかと
気が遠くなりかけても、
しゃにむにほめた方がいい。

これのいったいどこをほめればいいのか、
という制作物へのコメントを、
「ぐっとこらえる」のはつらいけど、
「何かを見つけて、ほめまくる」のは、
娘を嬉しくさせる、楽しい行い。

これを意識して、娘に接する、
試行錯誤の夏が始まりました。

そして、それは、
さらなる苦悶の夏でした。

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