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瀕死の主婦が歌舞伎町怪談Barに行ったら人生変わりました

2022年12月の話です。
私は瀕死の状態でした。子育てを始めて2年が経ち転勤族のため全く知らない土地に引っ越して約9ヶ月。大げさに思われるかもしれませんが人生に行き詰まっていました。周囲から見たら多分幸せな人でしょう。でもその幸せって言葉が疎ましく思える程落ち込んでいたんですね。

そんな時ひらめきます。
「東京行こう」

そうして私は単身で東京旅行に旅立つのでした。

怪談Barとの出会い

2022年夏にディズニープラスで放送されたドラマ「すべて忘れてしまうから」。こちらに奇妙礼太郎さんやpaionia、charaといった大好きなアーティストが出るため観賞していました。

ドラマ「すべて忘れてしまうから」

その中で突然出てきた「怪談Bar」という不思議な場所。こんな面白い場所があるという事に驚きすぐに検索します。そうすると怪談というコンテンツが今盛り上がりを見せていて、怪談Barが実在していると知るのです。そこから私はSNSを通じて様々な怪談師さんを知っていきました。
ちなみにこの時ドラマに出演されていたのがなんと中山功太さん!当時は存じ上げなかったため今改めて観たいな…と思っていたら地上波でまた放送があるんです。

2023年10月13日(金)の深夜24時52分より放送されます。私は観ます。録画もします。

いざ東京へ

12月半ばに2泊3日で東京へ行きました。paioniaのライブに行きヴァニラ画廊へ立ち寄りヒグチユウコさんの個展やゴッホのひまわりを観て知り合いと飲む。そんな風に3日間全身全霊で遊びます。その中で1日目の夜歌舞伎町の怪談Barに向かったのです。

会社員時代に東京出張があれば新宿に泊まっていましたが歌舞伎町に来るのは初めて。わくわくドキドキしながら混み合う夜の街を歩きます。
時刻は22:30頃。瀕死状態な地方の主婦がひとりで歩く新宿歌舞伎町。ホストのキャッチ?勧誘?が何度もありましたが声は小さいし「スリラーナイト行くんで」と言えばすぐに諦めてくれます。女性がひとりで歩いていても危ない印象はありませんでした。

そうして辿り着いた怪談ライブバー「スリラーナイト」歌舞伎町店

怪談ライブバー「スリラーナイト」歌舞伎町店

お店の前には2組程待っている方がいらっしゃいます。お店は朝5時まで開いてるし私は徒歩で帰れる距離だったから大人しく待つことに。
気になって待ちのお客さんに話しかけてみます。一組はカップルさんでもう一組は打ち首獄門同好会のライブ帰りだという関西からいらしてたお兄さん。私が九州から来たって言うと驚かれました。
なんて話していたら15分程で席が空き3組とも中に通されます。

ホラー間満載の店内

ちなみに料金システムは1時間3980円の飲み放題。怪談ライブは1時間に1本となっております。その後は1時間延長するごとに2980円。
こういったコンセプトバーも怪談ライブを体感するのも初めてだったので、正直高いか安いか判断できませんでした。でも行った後なら分かる。これは丁度いい適正価格だと思います。お酒好きならコスパ良いとさえ感じられるんじゃないでしょうか。それぐらい私は大満足。

私の隣に座ってくれていた包帯男さん

フロア自体はそこまで広くなく、全部で6~7つ程のテーブルがあったと思います。前方、中央、後方と別れたような長方形のフロアで私が通されたのは中央のテーブルでした。もしかしたらコロナ禍の配慮かもしれませんが、ひとりでゆったりと一つのテーブルに座らせてもらいます。
全体的に薄暗く、あちこちにホラー感を演出した装飾があり既に楽しい!!!私の隣には包帯男さんの人形が座ってくれていました。かわいい。
飲み放題なのでレッドアイを注文し、別料金となるチーズ盛り合わせを頼みます。怪談は1時間に1本のため待ち時間はテーブルごとに歓談しているような雰囲気。隣のテーブルに同じく席待ちをしていた関西のお兄さんがいてお話してくださいました。全然ひとりで行っても寂しい雰囲気にはなりません。

左奥のカーテンが怪談ライブの舞台

この日の出演は村上ロックさん。出番前に各テーブルを周り「今日は僕のYouTube観てくれてる人が多いから…出してないやつにしないとな…」と仰られていました。そうして始まる生の怪談ライブ。

雷が落ちた日

壁際の怪しい装飾たち

この日は「メディアで語れない怪談」を語ってくださいました。いや、もう凄い。ただただ凄い。私の中に雷がビリビリと落ちていきました。
もちろんここに来るまで私もYouTubeで見ていたのですが、全然違いました。本当に申し訳ないのですが、私は生の語りを舐めていたんだと思います。
ライブと言うとこれまで音楽のライブしか体験していません。バンドサウンドが大好きで、それはやっぱり音源では敵わない生の楽器演奏や声、その日その時にしか表現できないライブ感というものがあるからです。

そういった感激が怪談ライブにもありました。語りそのものが動画で見てきたものと大きく異なるわけではありません。村上ロックさんの生声による音圧と緩急ついた圧倒的な話芸。まさにプロと言えるそれらが語りごと聞き手を襲いにやってくるんです。約15分という時間があっという間でした。この日の話は本当には恐かった。これまでにたくさんの怪談を聞いてきましたが、これ程印象と思い出がはっきり残っていてハッとさせられる恐さがあったのはこの日が一番です。また聞きたい…。だからまたスリラーナイトに行かないと…。

ちなみにあまり詳しくは書きませんが、スリラーナイトさんにはある仕掛けが施されています。他のお客様は「きゃ!」とか「うわあっ!」と言った悲鳴が聞こえるのですが私は「わあ♡」といった感じで思わず笑みが零れました。酔っていたのもあるかもしれませんが心底楽しかったんです。恐らく瀕死状態だったからそれら全ての刺激に気持ち良く痺れていたんだと思います。

終演後に撮って頂いた村上ロックさんとのチェキ

怪談ライブ終了後にも村上ロックさんは一席ずつ挨拶周りをしてくださり名刺をいただきました。800円でチェキが撮れるということでもちろんお願いします!
その後も隣の席のお兄さんと身近な怪談話で盛り上がったりと終始会場内は温かくて1時間まるまる楽しむことができました。延長は迷ったものの、次の日も予定が控えていたので退店。中性的でお綺麗なスタッフさんがそれぞれお客さんのことを「ねえさん」「にいさん」と呼んでくれるのですが、これになんだかドキドキしました(笑)。

これを読んで「行ってみたい」と思った方は、ぜひ行ってください!性別年齢問わず楽しめる場所です!そして温かい雰囲気のため怖いのに癒されます!寂しくなった夜なんか特にオススメ!!!

新宿の目にて復活の儀

新宿のビル群から覗く満月

今回のサムネにした「新宿の目」は椎名林檎さんのMV「鶏と蛇と豚」を観て訪れたいと思っていた場所。好きなダンサーのAYASATOさんが表舞台から去っていた後、ようやく復活されたのがあのMVだったのです。なんとなく私もここに来て心が復活できればなという願掛けでもありました。

それが怪談Barスリラーナイトに行ったことで本当に復活できたんです。村上ロックさんが落としてくれた雷のおかげで。そこから下記の文章の中身ともなる、私自身の怪談語りに繋がっていったのでした。

人生何が起こるか本当に分かりません。まさか私が怪談にのめり込み、怪談のおかげで心を取り戻して自分も怪談を語るとは。
そしてそのキッカケをくださった村上ロックさんが今度、我がふるさと福岡へ来訪されるのです!!!

人生初の福岡ということで、その舞台をこの目で見て体感できることが嬉しくて嬉しくて…。少し時間が経過していましたが今回noteに記す事としました。

今私は心身ともにめちゃめちゃ元気です。普段の生活とは別に、自分のためだけにただただ自分がやりたい事へ突っ走っているからだと思います。
瀕死の主婦であり名もなき人妻だった私は今、怪談を語ったり歌ったり文章を書きながら細々と活動を始めました。大げさですが、真っ向からもっと生きたいと思えます。良い事ばかりではないでしょうしこれからも沢山躓いて何度も小さく死ぬでしょう。それでもこの体験と経験が私を生き伸ばしてくれる源になります。

村上ロックさんに次会ったらこの感謝を伝えられたらいいな、なんて思っています。憧れの人を目の前にするとすごく挙動不審になるためうまく言葉にする自信はありませんが…。
そして、今自分自身の活動をやっていけているのは日頃声をかけてくださる方々のおかげです。7月の最恐戦から始まって怒涛の夏だった3ヶ月。僅かでも関わってくださった皆さんのおかげで今の私は続いています。本当にありがとうございます。まだまだやっていくので!どうぞ!見守ってください!

☆本記事の掲載内容につきまして、怪談Barスリラーナイト歌舞伎町店様へ許可をいただいております。ありがとうございます。また遊びに行ける機会を楽しみにしています!

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