見出し画像

ジャルジャルが優勝したキングオブコント2020をみたファンの話

私がジャルジャルにハマったのは6年前、たまたまyoutubeで関連動画に出てきた「ハンドイートマン」というコントを見たのがきっかけでした。
それまでジャルジャルに持っていたイメージは「なんか若くてシュッとしてて事務所から売り出されてて人気があってシュールなネタをしているらしい人達」というものでした。そのイメージが一瞬でぶっ壊れた、いい意味で頭のおかしいコントを見てから、私はジャルジャルのファンになりました。

その後ジャルジャルの単独ライブに初めて行った時に観たネタ「練習の鬼」は、私が人生で笑ったランキングの一位にずっといます。そして帰り道に、「今までジャルジャルの単独を見逃してきたことが悔しい」と思うと同時に、「これからのジャルジャルが作る単独を観たい」と強く思いました。ジャルジャルが作るコントが大好きになっていました。

M-1では無冠でラストイヤーを迎えたものの、世間に与えたインパクトはとてつもないもので、ジャルジャルの面白さ、ストイックさが伝わった数年間の挑戦でした。

そんなジャルジャルは「コント職人」と呼ばれながらも、ずっとキングオブコント コントの日本一の称号を獲れなかったのです。2018年から1日1本ネタをyoutubeに上げて、8000本のコントを2039年に上げ終えてジャルジャルタワーを作る、という激ヤバな計画を始めたり、相変わらず単独はオール新ネタで構成にもこだわり、ひたすらコントコントな生き方をしているジャルジャルでも、キングオブコントは2010年の決勝進出を最後に、2018年までずっと準決勝止まりでした。もちろん、準決までいくことは全く容易いことではないし、ジャルジャルは第一回大会から今大会までの13回連続で準決勝に進出した唯一の記録を持っていました。それでも、ファンは、何より本人は、優勝したいと言い続けていました。

それは、優勝してもっとテレビに出たいだとか、仕事がもっと欲しいという理由ではなく、「優勝」という事実が欲しい、という願望からでした。コントで生きて、コントのために生きる二人に足りないのは、コント日本一を決める大会での優勝だけでした。

毎年、準決勝を観に行った人のレポを観て、「うけてたけど…」という言葉を何回も見て、ずっと不安な気持ちを抱きながら結果が出る時間に何回もサイトを再読み込みして、そこに名前はなくて、あ、今年もあかんのか、って、何回も何回も何回も思いました。単独で見てめちゃめちゃ面白かったネタをやってた年も、あえて昔のネタをやっていた年も、決勝にはいかなくて、この人達に何が足りないのか、正直全く分かりませんでした。何も手を抜かずに、ずっと本気で取り組んでいる人達にあと何があればあの舞台にもう一度いってもらえるのか、何も分かりませんでした。世の中全ての努力が報われるとは思っていませんが、劇場出番で観るたびに同じネタでも細かい部分を変えていたり、ストイックの文字がぴったりな二人になぜキングオブコントの決勝への道は繋がらないのかと、ずっと思っていました。

2019年、ついにジャルジャルは決勝の舞台に帰ってきました。待ちに待った、ずっと待っていた決勝の舞台。事情で本来やる予定ではなかったネタになったハプニングもありましたが、二本とも好きなネタでした。返り咲きしたからには、この勢いで優勝して欲しいと祈りましたが、結果は3位でした。
キングオブコントには芸歴の縛りがありません。また来年、もまだまだ言えました。それでも、この数年間挑み続けては決勝前に敗れるのを見ていて、簡単にまた来年頑張ってください!とは、とてもじゃないけど言えませんでした。

ネタ選びが間違っている、なんでそのネタをするんだ、とファンが外から言うことはとっても簡単かもしれませんが、実際にネタをやるのは本人であって、本人にしかわからない感覚が絶対にあります。結局は二人が面白い、これで行こうと思ったネタで挑み続けるのが一番と信じてました。

今年、2020年、もう一度帰ってきたジャルジャルは、単独ライブのネタと、youtubeにupしていたネタの一本を選びました。最近追い切れていなかった私は、youtubeのネタの方はまだ見たことがありませんでした。が、絶対に決勝で二本観れると確信していたので、そのまま本番を観ました。
1本目のネタは、単独でみたときよりさらに細かいところが変わっていて、面白かったです。生き生きしながら、多くの笑い声に包まれながらネタをするジャルジャルは、めちゃめちゃ面白くて、格好良かったです。点数が出た瞬間から、本当に今年は優勝するんかなあ、って、なんとなく、ぼんやり、ふわっと、でも確信に近い気持ちがありました。
2本目、初めて見たタンバリンのネタ、本当に率直にかくと、めっっっちゃアホなネタで、最ッッ高でした。ハンドイートマンを見たときの、なんじゃこの単純でアホらしくてめっちゃおもろいの!!!って衝撃を受けたそれと一緒でした。これで優勝したら、なんか、めっちゃジャルジャル。キングオブコントに寄せに行ったいつもと違う形でもなく、めっちゃジャルジャルで優勝するな、って思いました。そしてそれがベストだと思いました。

優勝が決まった瞬間、というか、松本さんの点数が出た瞬間、涙がぼやっと出てきて、どんどんどんどん目に溜まってきて、浜田さんの優勝はジャルジャル!の声とともに紙吹雪が舞って、涙ぐんだ福徳さんと、その姿を見てすぐに背中を抱きしめた後藤さんの姿を見たら、今までの二人の挑戦が、おそらく苦しかった挑戦が、全てこの今の優勝に繋がって、本当に日本一になったんかあ、すごいなあ、コント人間がついに一番欲しかったものを手にしたんやなあ、って気持ちがどどどっと押し寄せて、めちゃめちゃ泣きました。人生で、嬉しくて嬉しすぎて号泣したのは今日が初めてでした。そして、6年前、好きになってよかったな、と思いながら、二人を見ていました。

終わった後の二人の嬉しそうな表情、歓喜のTL、おめでとうと送ってくれたいろんな人からのLINE、全部が最高で、ずっと忘れられへんものになりました。
高校でジャルジャルが好きって言い続けてジャルジャルの人って認識されて、こないだテレビでジャルジャル見たとき思い出したわ〜っていっぱい言われて、M-1の次の日のテスト期間の朝も見たよーって皆言うてくれて、な日常を思い出しました。所属してた、最初は趣味もバラバラであまりまとまってなかった美術部は、ジャルジャルきっかけで絆が強まりました。
大学は、二人の後輩になりたくて、あの大学を選びました。最悪の困難も、その気持ちがあったからこそ乗り越えました。これはまた、卒業するときに書きたいなと思っていますが、とにかく私の人生においてジャルジャルはとってもとても、それはそれは大きすぎる存在で、これからも憧れの存在です。そんな二人が夢見たコント日本一に輝いた今日のことも、また私の人生の大きな出来事になりました。

と、もうとっくに日付が変わった27日の午前3時に書き終えます。ジャルジャルさん、おめでとうございます!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?