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#見えないもの
【借りものたちのメッセージ】 第2編 「見えないけど」 :後編(No.0194)
前編のつづき
もう彼女はどんな波に流されようが、どんな反応を触手が示そうがこの気持ちが消えることは無くなりました。
やがて彼女は寂しくて静かな海が好きになりました。
それまでは寂しい海だと不安を感じるので、もっと賑々しい海を好んでいたのです。
でも、あの気持ちが彼女を捉えてからは、そんなうるさい海は嫌になりました。
それは、静かな寂しい海だと彼女の心を捉えてしまったあの気持ちについて想いを
【借りものたちのメッセージ】 第2編 「見えないけど」 :前編(No.0193)
今この海には1匹のクラゲがいます。
緑色でキレイなので、人間がつけた名前は知りませんが、みんなからミドリさんと言われています。
ミドリさんは子供の頃から色んな海でフカフカと浮いてきました。
クラゲは色んなところで波に流れて生活をしなくてはいけません。
ですからミドリさんも色々な場所へ流れたりして孤独に過ごしてきました。
でもミドリさんは優しいかたですから、行く先々で友達もおりました。