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叫び2

 僕は小さくなる いよいよ小さくなる
 やがて地上で一番小さいものとなる
 朝まだき 草の草原で
 僕はいちばん小さい草花に手をさしのべ
 花のそばに顔を埋め
 ささやく
 「靴もなく着物もない 吾子(あこ)よ
 空は輝く朝露の玉をもて
 我が身を支える お前を頼みとて
 満点の重さを
 かけて」
 (作者はチェコの抒情詩人イジー・ヴォルケル(1900~24))

「カフカとの対話 手記と追想」

グスタフ・ヤノーホ・著/吉田仙太郎・訳

(みすず書房)

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