先日、お客様から「小規模企業共済を解約したい」とのご相談があり、今解約したら税金が発生するか検討するにあたって、退職所得控除計算における「勤続年数」で迷ってしまった。
そこで、今日は、小規模企業共済の共済金等を受け取った際の退職所得控除の計算における「勤続年数」についてまとめてみる。
1.小規模企業共済とは
小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度。
月々1,000~70,000円まで500円単位で掛け金を自由に設定することが可能で、加入後も増額・減額できる。
確定申告時には、その全額を課税対象所得から控除できるため、節税効果が高い。
ちなみに、運営機関である中小機構は、国の機関。
2.共済金等の一括受取と税法上の取り扱い
共済金等は、一括受取、分割受取、その併用を選択することができる。
一括で受け取った共済金等は、税法上、退職所得として取り扱うこととなる。
このように、小規模企業共済の共済金等は、退職手当等とみなすとされている。
3.小規模企業共済 退職所得控除の計算における「勤続年数」
退職所得控除の計算について、所得税法には下記の通り定められている。
「政令で定める勤続年数」とあるので、所得税法施行令をみてみる。
つまり、小規模企業共済の場合には、会社に勤めていた期間ではなく、小規模共済等の組合員であった期間により、退職所得控除を計算することになる。
ちなみに…
任意解約の場合、掛金納付月数に応じて、掛金合計額の80%~120%相当額を受け取ることができる。掛金納付月数が240か月(20年)未満での受取額は、掛金合計額を下回るので注意が必要。