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旅の記録 #2
至るところに記憶が残っている。夢や希望といった輝きを放つものだけではなく、薄暗いひっそりとした気持ちも存在している。どれが正解なんて分からない世界を彷徨っても、流れる外の景色は変わらずそこにある。
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押してくださいと訴える姿がとても寂しく見えた。生き生きと笑っている表情と、不安げな表情を繰り返すところが少し人間みたいだ。
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バスから流れる景色は青かった。初めて通る場所に興奮を覚える。空が赤から青に変わる瞬間はいつだって切なくて美しい。その刹那を胸に刻んで、誰にも知られない気持ちとして残しておく。
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夜は不安が力を増して、押しつぶされるようだ。足元や安全を謳う看板に少し眩暈がする。暗い夜は誰も助けてくれなくて、一人彷徨う。誰かが生き方を教えてくれるわけでもない、ヒーローになれるチャンスが転がってるわけでもない。静かな夜に溺れてしまいそうだ。
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閉鎖されたこの先に待ち受けているのは期待なのか。絶望が向こうから歩いてきそうで目を逸らせない。なにが怖いんだっけ。幽霊?見えない将来?掴めない人間関係?何も成せていない自分?
これまでを怠けて生きてきたわけではない。だけど、特技を持たぬと辿り着けないのか。時間の安売りが必要なのか。思考回路は迷宮入りしてしまう。
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頭上には星が見えた。なんか綺麗だって思えて幸せになれた。ああそれくらいのことが大事なんだって思う。
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東京タワーみたいなんて笑ってしまえる。
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先のことなんて分からない。不安はずっと消えない。それでもこれまでやってこれた。間違ってなんかない。そう自分で思うことが必要だと思う。知らない場所を見て、未知の興奮を求め続けていきたい。生きる実感を持っていたい。
誰にも訪れる夜が、色を変えて溶け込んでいく。
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