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THE Color in Black

「ふははははは!年貢の納め時だな!」
「くっここまでか…」

ここは都内某所の映画館。
上映されているのは今大ヒットしている話題の映画「THE Color in Black」だ。

アメリカのとあるマフィアに潜入した警察官が奴らのアジトを掴み、そして今正体がバレたクライマックスのシーンに突入したところだった。

至って普通のストーリー展開と過去にも何度も映画化されていそうな設定。
それでもこの映画が今流行ったのはその特殊な演出が受けて、のことだった。

「じゃあな、地獄で俺たちを捕まえられなかった事を後悔するんだなw」
バキューン!!!

悪役が主人公に向けて銃を撃つ。
そして弾丸が主人公の右胸に命中した瞬間。
真っ黒なスクリーンに飛び散る鮮血。

そう、この映画は現代フィルムには珍しくモノクロなのだ。
そして、この主人公が撃たれた血だけが赤く染まるのだ。
ここまで暗いマフィアの世界を観てきた私たちにはその赤色が衝撃的で、なんとも美しく、そして主人公の命の儚さを思わせるようで…

とにかくこの演出が観客の心を鷲掴みにし、「THE Color in Black」は公開12週目にしても尚その成績を伸ばし続けていた。
私は3ヶ月目にしてやっと劇場に足を運んだのだが、もっと早く観れば良かったと後悔したよ。

CGでとにかくカラフルに、派手にの現代にモノクロの至ってリアルテイストな作風。
そして、1色だけに色を付けることで印象を最大限に。
この監督は色彩の才能に秀でているんだろうなぁ。
そんな事を思いながら、私は、次の日の座席予約をして帰ったのであった。


* 3月21日 カラー映画の日 *
1951(昭和26)年のこの日、初の国産総天然色(カラー)映画『カルメン故郷に帰る』が公開された。
引用:今日は何の日(https://www.nnh.to/03/21.html)

[ あとがき ]
「THE Color in Black」は若干元ネタがありまして、「シン・シティ」と言う2005年の作品になります。
1色だけではなく、基本はモノクロでところどころカラーだったのですが、ものすごい衝撃を受けて、大好きになった作品です。

引用:映画.com

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