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お知らせ:仙台市『一般財団法人仙台こども財団』の理事にSTORIA代表理事・佐々木が就任いたしました

仙台こども財団は、子どもの健やかな育ちと子育てを地域社会全体で支えるとともに、子どもや子育て家庭をめぐる課題や多様化するニーズに的確に対応しながら、子どもを中心とした社会づくりを進め、
「子育てが楽しいまち・仙台」の実現に寄与することを目的に、
令和5年11月20日に設立いたしました。
(毎年11月20日は「世界こどもの日」です)

この度、STORIAの代表理事の佐々木が
財団の理事として就任いたしました。

STORIA代表理事・仙台こども財団理事:佐々木からメッセージ

私のお役目は、表には出にくい困難を抱えた子どもたちや、その親御さんの声なき声を届けることだと思っております。
これからもSTORIAとサポーターさんと共に、一人ひとりの子どもたちの成長を一緒に見守っていただけたら心からにうれしく思います。

子ども達はもちろんのこと、その親御さんや社会の皆さんと共に対話を重ね、子どもたちが自分らしく、そして幸せに生きられる未来を創造的に作りだすことを目指していきたいと思っています。

微力ではありますが、与えられたお役目を心を込めて尽力してまいります。
引き続きお力添えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

仙台こども財団 理事就任への想い

複雑性かつ不確実性が高いと言われているこれからの世界に、
子どもたちがこの世界で生きていくために、
私たち大人は何ができるだろうか。

正直に申し上げると自分自身で悩みながらも、
そんな問いから考えたいと思い、
『仙台こども財団』の理事をお引き受けいたしました。

お引き受けに至った私の想いをお話しします。

私は、システム思考についてよく考えます。
システム思考とは、問題の原因を個人のみに帰属するのではなく、
その出来事のパターンや、背景にある構造、心理的前提までをシステムとして捉え、分析することで、より深い変化を目指す考え方です。

社会、会社、教育、家族、個人へ、またその逆の流れも影響し合います。
例えば、「困窮は自己責任の問題」「努力や忍耐がたりないからだ」というスティグマ(世論)が個人に相談する勇気をなくし、孤立させてしまいます。

私たちはシステムの中にいる一員として、
影響「されている」存在であり、影響「させている」存在でもあるのです。

私たち大人がこれまでに良いと思っていることの認識を改め直すこと、
つまり、アンラーン(Unlearn)することが必要だと思うのです。

現在、子どもや若者を取り巻く様々な課題が起きています。
その課題の一部として、
私たち大人が過去に良しとして生きてきた価値観に、
時代が変わった今もなお囚われているのではないかと
問わなければなりません。

たとえば、子どもたちと接する中で、
子どもが大人に「これをしても良いですか?」と許可をとります。
また、大人に答えを求めることもあります。

子どもたちは正解を探すのです。

その言葉を聞いた私たち大人は、つい答えを言いたくなります。
 
しかし、はたして大人が出す答えが、
これからの時代を生きる子どもたちに対して、
的確な答えになっているのでしょうか。
 
そう私自身は自問します。
また、普遍的で本質的なことは何だろうかと同時に考えます。

大人たちは子どもに、よくこう言います。
ちゃんとしなさい。
学校には行くべきだ。
勉強しなさい。
良い学校にはいれば良い会社に入れる。
そうすれば幸せになれる。

本当にそうなのでしょうか。

これを読んでくださっている皆さんは既にお気付きだと思いますが、
人間が幸せに生きていくというということは、
それだけじゃない要因がたくさんあるのです。

子ども財団の役目は、
『子ども達や親を取り巻く課題を、財団が解決します』
ということではなく、
 
『子ども、親御さん、そして市民である私たち全員が主体者であり、
共創する世界を生み出す主体者である』
と私は思っています。

大人たちのみならず、子どもたち、親御さん、私たち市民自身が幸せ、
そして豊かに生きることについて、みんなで対話をし、
様々な意見の中でそれぞれの立場を理解し、尊重していく。
それぞれの価値観を1つにまとめるのではなく、
多様性も相互承認ができる関係性をつくる。

一つ一つ起きている課題を考えていく必要もありますが、
こどもも親御さんも、そして私たち市民もウェルビーイングに生きられるような社会を目指していくこと、
そのプロセスの中で課題が解決されていくのではないかと
私は考えています。
子ども財団はそのような存在でありたいと願い、
仙台こども財団の理事にこの度就任いたしました。

~STORIAが大切にしていること~
STORIAでは、様々な困難を抱えているご家庭や子どもたちと対面し関わっています。
団体の中で、大人もこどもも、EQ(エモーショナルインテリジェンス:感情的知性)を育むことを大切にしています。

世界の研究結果でもわかっているように
心の知性や感情の知性は、人間の土台とも言われています。

EQ(エモーショナルインテリジェンス:感情的知性)は、
まさに自分らしく生きること、
自分の気持ちに正直になり、他者の気持ちを理解し思いやることができる、
そして向社会性といわれる「自分はこの社会の一員であり、社会というものを自分ごととして捉えられ、社会を愛する力」が豊かになると考えています。

間違っても「EQ」を子どもたちに植え付けさせるという考えではありません。
人間が本来持っている素地を呼び覚まし、
もともと備わっている種子に水や肥料を流して大切に育ていくという考え方です。

EQ(エモーショナルインテリジェンス:感情的知性)を整理すると、
下記のように言われています。

1、自分の感情に気づく力
2、セルフマネジメント:感じていることを適切に対処する力
3、他者を理解する力:他者の考えを理解し尊重する力
4、ソーシャルスキル:上記3つを統合して調和の取れた関係性を築く力
5、これらを総動員し、より良い意思決定ができる力

これらは私たち大人が出来ていますでしょうか…?
私自身も自信がないです。

だからこそ、今を生きている子どもの意見や思いを聴きながら、
私たちもこれまでの価値観をアンラーンし、共に学び直し続けること、
子どもたちの願いを聞くための対話をし続けることが大切なのだと思います。

それを実現するためにとても大切なことは、
大人も子どももありのままでいられ、
見守り支えられていると感じられる安全地帯があることです。
 
失敗してもいい。
失敗はもはや失敗ではなく、
簡単ではないけれど人生の学びであると捉えなおし、
いつでも個々がリスタートでき、それをよしとして
優しく受け止めあう社会であることを目指したいと想っています。

特に虐待やいじめ、大変な状況に置かれている子どもほど、
このような安全地帯が必要です。

たった1人の理解者がいるだけでその子どもはレジリエンスを得て、
彼ら彼女らの人生を変えていくのです。

~さいごに~
みなさんに最後にお伝えしたいのは

「傷ついた人を受け入れて行く社会を選ぶのか」
「傷ついた人を切り捨てる社会にしていくのか」

私たち自身も東日本大震災を経験しながら、
それぞれ深い傷を持って生きてきました。
みなさんと一緒にこの仙台を、この世界を
優しい社会にしていきたいと心から願います。

私たち大人も子どもも、共に学び合いながら、
この財団を作っていく仲間として、
ぜひ、皆さまにも一緒に参画していただきたいと切に願っております。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

設立シンポジウムにてトークセッションいたしました

令和6年3月21日には、設立シンポジウムのパネラーとして、
仙台市の郡和子市長、
理事長の湯浅誠氏、
理事の菅野澄枝氏(仙台市地域防災リーダー)、
佐々木綾子(STORIA代表理事)
にてトークセッションをいたしました。

仙台こども財団シンポジウムの様子は、
財団公式チャンネルにて公開されております。
ぜひ、ご覧くださいませ。


第1部 基調講演 
■理事長 湯浅 誠
 「仙台こども財団がこれから取り組んでいくこと」

第2部 パネルディスカッション
 「子育てが楽しいまち・仙台」の実現に向けて
 ■パネラー
   仙台市長 郡 和子
   理事 菅野 澄枝  (仙台市地域防災リーダー)
   理事 佐々木 綾子 (認定特定非営利活動法人STORIA代表理事)
   コーディネーター  湯浅 誠

左からSTORIA佐々木、菅野澄枝氏、郡和子市長、湯浅誠氏

シンポジウムの様子は、
仙台市政だより5月号にも
市政トピックスとして掲載されております。

以下、リンク先のPDFからご覧いただけます。
仙台市以外にお住まいのみなさまも、ぜひご一読くださいませ。

https://www.city.sendai.jp/shiminkoho/shise/koho/koho/shisedayori/2024-05/documents/2024-05P06-07.pdf

STORIAの活動についてはホームページをご覧ください。
みなさまからのあたたかなご寄付を、
いつもありがとうございます。



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