Champion リバースウィーブの年代の見分け方
こんにちは、STORAGEの中畑です。
タグ年代シリーズ、どんどんこのnoteでも書いて行きます。
今回は古着の王様「チャンピオン」。
しかもこれまた王様ポジションジャンルの「リバースウィーブ」です。
近年、バカほど値段が高騰していましたが、リバースウィーブは調べれば調べるほど面白いので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事は公式オンラインショップ「STORAGE UNLIMITED」の記事より転載したものです。
言わずと知れたリバースウィーブ。
その近年の古着の値段の高騰は驚くばかりです。
チャンピオンはプロダクツが沢山あるのですが、今回はこのリバースウィーブを取り上げてみたいと思います。
また、年代の判別方法のみにフォーカスします。
リバースウィーブはさすがにもう判ってるよという方も、復習の意味で読んでいただけたなら幸いです。
まずはじめに、チャンピオンは歴史が相当古く、且つ超レアな商品が多いので、参考文献を取得する難易度がかなり高かった為、そのほぼを弊店のYouTubeチャンネルの動画でも取り上げたことのある雑誌「Lightning」さんの「VINTAGE CHAMPION」より出典させていただきました。
※その為著作権などの都合上、今回は商品等は掲載せず、あくまでタグのみとします
1938年〜40年代中期
チャンピオン初期タグにおける通称・デカランタグ(デカいランナーズタグ)。
チャンピオンのタグの遍歴はとても小刻みなので、混乱される方も多いかと思います。
ちなみに、この最初期のタグのスウェットはドルマン型といって、襟と袖が一体になっている形でした。
リバースウィーブ特有のサイドアクション・リブはこの時まだ付いていません。
それよりも僕は、"SET COLORS IN SALT WATER WASH SEPARATELY AND CAREFULLY" に驚きました。
色落ち予防には塩水を使ってくださいとのこと。
うーん、深い。笑
そしてライトニングには文献として無かった、もう一つの40年代中期であろうデカランタグ。
こちらは名前と住所が記載可能なタグとなっていますが、チャンピオンのルーツがトレーニングウェア足る所以でしょうか。
尚、こちらのタグが極端に少ないのには、第二次世界大戦戦時下にあったためと言われています。
1947年〜50年
アドレス欄が消え、またデカランタグのディテールが少し変化します。
1950年〜51年
通称・小文字ランタグ。
個人的ですが、これはタイの仕入の際に見たことがあります。
実はこのタグの流通は復刻が多く、ヴィンテージ品をお求めの方は安い値段に騙されない様に気をつけた方が良いかと思います。
現在の相場は状態にもよりますが、安くとも3万円くらいが妥当と思われます。
1952年〜50年代中期
通称・タタキタグ。
この52年はチャンピオンにとってもちょっとした節目の年でもあります。
リバースウィーブは38年に一度目の特許を取得するのですが、その後改良を施し52年にも特許を再取得します。
たまに詳しい方がリバースウィーブの1stと2ndと呼ばれるには、この38年の型と52年の型に由来します。
1950年代中期〜59年
1960年〜67年
この単色赤のタタキタグはこの67年で終了します。
1967年〜70年
この70sタタキタグの特徴として有名なのが、10%ポリエステル混紡素材となっていることです。
1970年〜76年
通称・単色タグ。
チャンピオンのCが目になり、最早お馴染みの様なこのタグですが、しっかりこの時代の物の特色があります。
3枚の写真は単色タグの中でも"前期"と呼ばれているものの中でも最初期型で、タグの下部に色ごとのアンダーバーが入っているのが特徴です。
尚、この色ごとにも理由があり、XS = 緑、S = 青、M = 赤、L = エンジ、XL = 金色 と、サイズ毎に色が変わっております。
こちらが単色のアンダーバーが無い前期タグ。
1976年〜81年
単色タグの"後期"です。
特筆すべきは、ポリエステルがアクリルへと変更していることと、この後期からタグの色が赤と青のみとなります。※XLのみ4色展開
また、ボディがグレーのみ、写真2枚目の綿82%、アクリル12%、レーヨン6%の混紡といった表記となります。
1981年〜83年
通称・トリコタグ。
このトリコタグについては、"前期"、"中期"、"後期"といった三度に渡ってマイナーチェンジしていきます。
こちらはその"前期"で、違いは「MADE IN U.S.A.」表記が裏面に入っているというものです。
また、混紡についてはこれまでのプロダクト同様の混合率となっています。
1983年〜85年
トリコタグ"中期"。
前述した様に、MADE IN U.S.A.表記が入っていることが判るかと思います。
また、洗濯時の注意表記の紙タグも付いています。
1985年〜90年
トリコタグ"後期"です。
一見、中期と比較してもよく分からないのですが、この後期より 綿89%、アクリル8%、レーヨン3%へ素材表記が変更されています。
1990年〜2000年代初頭
通称・刺繍タグ。
こちらがおそらく見慣れたタグであるかと思います。
古着屋でも90年代の取り扱いは割と多く、ウチでもこの年代が得意だったりします。
また、何年経ってもリバースウィーブは人気の為値段が下がらないことも特徴的です。
おわりに
さて、如何だったでしょうか。
リバースウィーブだけでもこんなにタグの種類があるのですが、それにしてもチャンピオンの遍歴はすごく、古着屋として覚えておかなくてはならないことが沢山あるのもチャンピオンだったり。
僕はファッションのルーツや歴史が好きなので、これを書いていること自体が楽しかったりしますが、皆様は如何でしょうか。
以上、中編だったわけですが、後編についてはまた違った形でチャンピオンの魅力を記事に書いてみたいと思います。
最後まで読んで頂いた方、有難う御座いました。
頂いたサポートはnoteはもちろん、YouTubeなど今後の活動費に使用させて頂きます。