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【夢日記】銀杏並木
古い大学の構内を独り歩いている。
戦前で時が止まっているかのような重々しい石の学び舎が立ち並んでいる。実際、向こうに覗くマンホオルには「帝國大學」の文字が未だに刻まれてある。何時から建っているかもわからぬような荘厳たる石の学び舎は、此先も何時までもこの調子なのであろうと云う心持がする。
足下に在るのは石畳の筈だが、靴の裏を伝わってくる感触はふうわりとして柔らかい。見れば黄色い絨毯が余の行く先に敷き詰められている。余の行く先?そう云えば何処へ行く積りなのかしらん。
眼前には講堂が聳え立つ。
絢爛たる絨毯の両端には、葉を黄金色にした銀杏の並木が何処迄も、何処迄も並んでいる。
銀杏並木?
フト、ギンナンの匂いが気になりだす。
…くさい。
二週間ほどぶりの休日。布団の中で目を覚ます。くさい。大方、ぼくが眠っているあいだに自分で放屁でもしたのだろう。疲労が溜まってきて調子が悪いと、ドウモ、腹具合まで悪くなってしまうから困る。
夜な夜な文字の海に漕ぎ出すための船賃に活用させていただきます。そしてきっと船旅で得たものを、またここにご披露いたしましょう。