見出し画像

みうらじゅんフェス!マイブームの全貌 MJ's FES in 富山 at 富山市民プラザ

石川県金沢市に越してきましたけど、富山の話題です。
とりあえず、金沢の夜は暗いという印象です。街灯がとにかく少なく、車移動しかしない市民はほとんど歩いていません。
「だーれも居ないんだな、知らぬ間に外出禁止令でも出たのかな?」
 と思っていると、途中のコンビニとか回転寿司店には、そこそこ人の影が見える、という完全車社会が形成されています。ある意味未来的。ある意味都会的。真の意味で田舎的です。

北陸三県の人々の骨柄をあらわした印象的な文言と言えば、
映画『北陸代理戦争』(監督・深作欣二、脚本・高田宏治、主演・松方弘樹) 東映/1977年
のオーラスで流れる次の一節です。

「俗に北陸三県の気質を称して越中強盗、加賀乞食、越前詐欺師と言うが、この三者に共通しているのは生きるためにはなりふり構わず、手段を選ばぬ特有のしぶとさである」

越中=富山県。加賀=石川県。越後=福井県。になっております。
非道い言い様じゃねえか。
けど、そんなもんだと思います。映画は大変面白いので、観てください。
アウトレイジ最終章』(北野武/2017年)での大杉漣の殺され方まんまのシーンが『北陸代理戦争』で観られますので、ちょっと映画に詳しい風なツラ出来ます。
地図的に見ると、日本海への出っ張りをかましているのが石川県。右に富山、左に福井の配置です。

北陸新幹線が通ってからは、金沢〜富山間の鉄道移動には、整備新幹線の並行在来線区間を第三セクター鉄道に転換する形でローカル線化されました。いわゆる「サンセク」ですね。第三のセクシャルハラスメントみたいな響きです。サンクス。
サンセクを用いると、IRいしかわ鉄道(乗り換え)あいの風とやま鉄道で、1220円。1時間程度。
北陸新幹線を用いると、2810円。30分弱。
第三の移動手段である高速バスを用いると、930円。90分弱。
だいたい、1時間程度ですね。なら、バスでいいです。富山駅到着前に、富山市内の繁華街を流していきますので、むしろバスでいいです。サンクス。
金沢は完全なる車社会です。

目的は、みうらじゅんフェスへの参戦です。
フェスティバルに参戦、ていう表現が昨今多用されている気配があるのですが、フェスは戦争ではないですので、ピースフルに行きたい所です。モッシュとかしても、決して殺したり殺されたりしないで欲しい所です。

将棋の世界には、高橋道雄という九段の先生がおられるのですが、彼が解説の時には必ず、
“殺す”とか“死ぬ”とかは、言わないようにしましょうね
と口にします。将棋の世界で頻繁に使われる言葉として
「頓死」とか、「鬼殺し」とか、「飛車を殺す」「角が死ぬ」という表現があり、『殺し』にまつわる言葉が多いのです。高橋九段は自身の解説の際には、そういった不穏な表現は避けていらっしゃいます。お子様を将来の羽生や藤井へ育てたい!という野望をお持ちの人の親の皆さんは、将棋の世界へのソフトランディングを心がけて、まずは高橋九段の解説から英才教育を始めていただきたい所です。

カメレオンアクターとして、数々の名作で“悪役”に命を吹き込んだ名優、ゲイリー・オールドマンも、子どもを授かってからは、無慈悲に人を殺しまくる役柄のオファーを断るようになったといいます。考えさせられるお話です。

という訳で、みうらじゅんフェスに参加してきました。

三浦純から、みうらじゅんに至り、新たな概念とカテゴライズを産み出し続ける、その才覚を圧倒的な物量と、切り取り方で魅せてくれる大変楽しいフェスでした。

とにかく膨大なブツ。
膨大な物量を幼少時代から、描き、貼り、貯め、分類されているのです。捨てる技術ばかりが、デキる人間の指標とされがちな昨今ですが、集めた上でどうやって世の中に打って出るのか? という技術が詰まったフェスでした。
とは言え、ご本人も、これだけのブツの管理への危惧を懸念してはおられるようで、途中流されているムービーでは、

死んだら、こんなものどうするんだ。いっそ、富山市民プラザさんの方で、常設展にして欲しい(大意)
と述べておられました。

僕も、引越しを繰り返すたびに、かなりの量のブツを捨てながら、どうにか生きのびているのですが、その過程でしっかり残す努力を怠っており、捨てる=デキる。みたいなテーゼを信じつつあったのですが、考えさせられるお話でした。
テメエのかき集めたブツや、そばに置いていたブツに、大げさに言えば魂を宿らせるくらいの性根を持って生きなければいけない。と、思わされました。

僕は、東京生活の後半は、練馬に住んでおり池袋が至近の繁華街だったのですが、池袋の立教大学には蔵が残されています。蔵の持ち主は、かの江戸川乱歩。尋常ならざる収集癖の持ち主で、それ用の蔵建てたようです。
一方、映像コレクターのコンバットRECは、自身の収集癖を抑えるために、「まんだらけ」を中心としたサブカルの殿堂・中野ブロードウェイに住まい、「ココに有るんだから、ほぼ俺のモノ」という意識を持つことで、その癖の抑制に努めているそうです。

いずれにしても、収集が、何らかの自己言及を超えた表現、とまでいかずとも、発表に繋がらなければ、繋げなければならない。
と我が身を振り返させられました。お疲れ様した。

そして、金沢の我が家には
TENGUだっこちゃん
と、
スライダース冷マ
が、増えました。

実家の冷蔵庫には、リアルに“冷マ”が貼られてしまっている。
という抗しがたい現実をかみしめました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?