CS 2018振り返り①:ROIの話は危険信号

はじまり

2018年3月、弊社新年度の始まりとともに組織変更があり、青天の霹靂的なアサインでカスタマーサクセスグループの責任者になりました。
既存ユーザーに対する支援やコミュニケーションの弱さを課題として指摘していたので、まさにブーメラン。

当時は、カスタマーサクセスという言葉自体を知らず何をやるのかよく分からないまま手探りで活動を始め、間もなく1年。この1年を振り返りつつ、自分の気付きを3部作くらいでお送りする(予定)です。

とにもかくにも、まずはユーザーが今どんな状況にいるのか、何に困っているのかについて話を聞こうと思いドサ周りを始めました。想像以上にサービスを使い倒されているユーザーもいれば、開口一番に解約を宣言されるユーザーもおり、笑いあり涙ありの珍道中でした。

ROIってどうしてますか?

そんな中で、ちょくちょくあがるサービスに対するROIの話題。曰く、ROIを計りかねているとのこと。単純な話ではないのは分かるものの、そんなに困るもんかねと軽めに考えていましたが・・・よくよく話を聞いていくと根深い問題であることに気付きました。

課題・目的を定義・言語化できない。

ユーザー自身がそもそも何のためにサービスを使っているのか分からないと言っているような状態で、これではROIなんて出しようもありません。このような状況に陥ってしまった原因として以下が挙げられるかと思います。

1)特定の業界や業務にフォーカスしたバーティカルなサービスではなく、さまざまに活用できるホリゾンタルなサービスであるため、目的・ゴールが曖昧になりがち。

2)ブームのおかげで導入ユーザーが増加する一方で、ブームの波に乗せられて本質を捉えず曖昧な目的のまま導入されたユーザーも多かったのかもしれない。

3)上記のような状況の中で、導入に至るまでに目的・ゴールの解像度を高める十分な対応を取ることができなかった。

とにもかくにも、このままだとサービスの効果が計測できない=価値を説明できない=チャーンに直結する、と危機感を抱きました。

誰も「そもそも論」なんてしたくない

ここからCSが挽回にかかろうとしても、課題や目的といった「そもそも論」を今更されても・・・というのがユーザーの本音だと思います。もっと早く言えよ、と。必要性は理解いただいても、なかなか納得し難いというか、腰が重いというか。

こちらとしても正解を教えてあげられる訳ではないので、粘り強く対応していく必要があるのですが、これがなかなかにしんどいのも正直なところです。

本来もっと早い段階でやっておくべきことを、後から挽回するのは相当に難しいという当たり前の話を身をもって感じた経験でした。

じゃあ、どうするのか?

1)カスタマージャーニーの中でサービスの提供価値について一貫したメッセージを発信し、理解してもらうこと。
これにより、サービスの価値とユーザーが抱える課題とをすり合わせ、導入目的・実現したいことの解像度を高めること。

2)オンボーディング時の確認・握りを確実にすること。

3)ユーザー同士がコミュニケーションできるようにすること。
ベンダーがとやかく言うよりも、サクセスユーザーの話の方がをよっぽど刺さるという身も蓋もない話です。実際に活用しているユーザーの話が最も説得力があるという真実味しかない話で、ベンダーこそユーザーであれということでもあります。

終わりに

ROIの話が出るときは、「R」が定義できていないことが多く、チャーンのリスクが高まるという話でした。対応としては当たり前のものばかりですが、これらをやっていくしかないと考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
フィードバックもらえるとありがたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?