FACT FULLNESS(21/01/07)
Quiz
世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子どもはどのくらいいるでしょう?
A.20% B.50% C.80%
このようなグローバルに関するクイズが冒頭から出題される。
私もクイズに挑戦したが大ハズレ。チンパンジー(3択なので33%だ)以下だった。
本に書いてある事はそんなに目新しい事ではない。
活動家やメディアが出す数字、ドラマチックな数字に踊らされる事なく、全体感を意識してファクトベースで物事を捉えましょう、というものだ。
そして、世界は少しずつ、より良い方向に進んでいるのだという認識を持ちましょう(一部だけを見て全てが悲観的なイメージを持つ事をやめて冷静になりましょう)、という点を、貧困・ジェンダー・世界人口といったいくつかの切り口で述べられている。
SDGsやESGを標榜する経営者、グローバル展開している企業の経営者、コロナ対応で右往左往する政治家、投資家は是非とも手に取ってほしい一冊だ。いや、それよりも、コロナ新規感染者の増減で一喜一憂する自らを律するべきなのだろう。
面白かったポイントの1つは『先進国』と『発展途上国』のような分け方が既に適切ではない(1965年では、その分け方は適切だったのかもしれないが、現代の世界では適切ではない)という観点だ。本の中では、所得レベルに応じてレベル1~レベル4という新たな分類方法が提案されている。
以下に、ファクトフルネス(データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣)を習慣づけるためのルールを記載しておく(自分なり解釈)
1.分断本能を抑えるために・・・
平均の比較に注意する。平均はあくまで平均であり、分散がある。
極端な数字の比較に注意する。最上位と最下位だけを比較するのでは
なく、全体を俯瞰する。
2.ネガティブ本能を抑えるために・・・
悪いニュースの方が広めやすい・広まりやすいと心得ておく
3.直線本能を抑えるために・・・
世の中の物事は全てが直線ではなく、S字やn次関数・指数関数・
正規分布のように表現される事を知っておく
4.恐怖本能を抑えるために・・・
恐ろしいものに自然と目が行ってしまう、という事を知っておく
5.過大視本能を抑えるために・・・
単一の数字の大きさだけを見るのではなく他の数字と比較する。
6.パターン化本能を抑えるために・・・
そのパターンの分け方が適切なのかどうかを疑う。
7.宿命本能を抑えるために・・・
そもそも宿命などというものは存在しない。
8.単純化本能を抑えるために・・・
数字の持つ裏の意味を考える。数字に対して謙虚になる。
9.犯人捜し本能を抑えるために・・・10.焦り本能を抑えるために・・・
直情的にならず、冷静になること。
なお、本の中でも紹介されているが、世界各国の所得と平均年齢、人口の歴史的変遷が以下のURLから参照可能となっている。
https://www.gapminder.org/tools/
日本の変遷は以下のような感じだ。これも中々興味深い。
なお、冒頭クイズの正解は、C.80%である。