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『蚊が歴史をつくった』を読んで

こんにちは。久々のnoteです(汗)
ちょっと今回の本を読み切るのにかなり時間がかかってしまいました。
というのも、夏に蚊の内容だったので、なかなか読み進めず…

内容


古代メソポタミア文明や古代エジプト時代から、蚊は人類にとってのもっとも危険な殺人鬼だった。
蚊が媒介するマラリアなどの病気によって、古代からとても多くの人が死んでいる。
そしてこの本で取り上げられているのは、戦争など軍事的な戦いの中で、蚊がいかに多くの人を苦しめ、そして殺しているかが列挙されている。
古代エジプト、ローマ、チンギス・ハーンの戦い、アメリカ南北戦争、第二次世界大戦。

また、アフリカ人奴隷が世界各地に売られていったことによるマラリアの拡散。

そして、DDTによる蚊の撲滅。蚊が媒介する感染症の劇的な感染率低下。
ただしその後、耐性菌が産まれ、感染率は元に戻ってしまう。

今だ、蚊による感染症を克服していないが、遺伝子操作を容易にするクリスパーの技術の登場により、蚊を撲滅することができるようになるのか、今後注目される。



防虫菊は最初に商用化された殺虫剤。
世界各地の文化における菊の印象は、蚊の媒介する感染症の感染者が多かった地域かどうかでずいぶん違っている。
感染者が多かった地域では、菊は死や悲しみを連想させるか、葬儀や墓標への喧嘩としてのみ差し出される。
感染者がほとんどいない地域では、愛や喜び、生命力を象徴する。
アメリカでは北部はポジティブな意味だが、南部、とくに20世紀初頭まで黄熱とマラリアの流行の中心地だったニューオーリンズでは、おぞましい意味合いを持つ。

感想

夏になると蚊に刺されないか気になる程度しか、蚊については関心がなかったが、太古の昔から、こんなにも多くの人命が蚊によって失われているのかと、この本を読んでびっくりした。

とくに、戦争など攻めていくときに、湿地などを通っていくと途端に蚊にさされ、マラリアなどの感染症に苦しめられ、兵士のほとんどが重症か死んでいったのは、驚きである。
そう、この本のタイトル通り、歴史の陰には蚊がいて、それによって歴史が変わったでろう事実が多数なのである。
そして、改めてこんなにも人類は戦争をし続けているのだ、という事実にショックを受けている。
今もウクライナなど、世界では戦闘が行われている地域があり、なぜ、人間はこんなにも争いをするのだろう、と考え込んでしまった。
そして、読んだのが夏ということもあり、戦争でいかに蚊が兵士におそいかかったか、を読んでいるのがつらくなってしまった。

普段は気にも留めない蚊について考えるいい機会となった本です。



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