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[コラム]目から入る情報('21/4/9)

今週、1月のテレビでの当社取材の際にお世話になったディレクターさんとランチの機会があった。

最近の当社の状況などをお話ししながら、テレビ番組を作る際のご苦労などお聞きした。
テレビ業界の中で、その時代の先端を取材し番組にされているバリバリのディレクターさんから、その舞台裏を聞けるなんて、なんという幸せ!

テレビ番組を作る際に、
「目から入る情報のインパクトはとても強い。なので、主役の登場人物と同じくらい、その人物の背景にも気を使う。背景に目につくものがあったりすると、本来伝えたいことが全然視聴者に伝わらなくなるので。目から入る情報とはそれくらいインパクトがある。」というお話。

確かに、インタビューに答えている人がいても、その背景におどろおどろしい置物が置いてあったら「一体なんの置物だろう」の方が気になって、インタビューの内容は全然入ってこなくなるかもしれない。
そういうわけで、カメラさんも撮影の際にはそこに映るすべてに気を遣う。それでもたくさんの時間撮影して、使える映像がほんの一部だけということもある。

仕事の世界では、最近は会議というとリモート会議が主流だ。
リモート会議の背景映像は、みなさんたいていは無難なオフィスの中の風景の場合が多い。
人によっては「自分の故郷の映像なんです!」と言って、たくさんの真っ赤な顔の猿軍団が温泉に入っている背景を使っている人もいる。最近は慣れたがしばらくは猿が気になっていた。
今思えばこれは意識的に猿に目が行くことで、気をそらすのが相手の意図だったのかもしれない。確かに、目に入る映像のインパクトはかなり大きい。

きっと近いうちに、リモート会議で最適な背景を、その打合せの目的に合わせてAIが選んでくれるようになるだろう。
その次は、AIが参加者の表情を自動で最適化して映してくれるようになるだろう。プリクラのおめめパッチリ効果あり写真と同じように。
そしてさらにその先は、AIが私のアバターを自動操作して、会議を自分で勝手に進めておいてくれるようになる。そうなると、もう私自身がやることは何もない。AIに「こうしておいて」と言えばそれでよろしくやっておいてくれる。

そこまで行くと、私の存在価値はどこにあるということになるのだろう?
その世界での幸せとは、どういうものになるのだろう?
すごく悩ましい!! 解決しそうな問題とも思えない。

とは言え、その頃まで生きていればという話だから今は気にする必要はない。
当面はリモート会議の背景問題だけ考えておこう。
悩みが少なくなって、今のこの世界に生きていて本当によかった。幸せだ。

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