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【理由考察】バークシャーがHP株取得、42億ドル超相当

2022年4月7日。
バークシャー・ハサウェイが
パソコン・プリンターの大手、ヒューレットパッカードに
投資したことが発表されました。

個人的にウォーレン・バフェットを尊敬しているので、
以下に、今回の投資に結びついたと思われる理由をまとめます。

■結論

以下の理由により、ヒューレットパッカードに投資したのだろう。

  1. 規模の経済による、コスト競争力の高さ

  2. 極めて安定したキャッシュフロー。マイナスのキャッシュ・コンバージョン・サイクル

  3. 割安感の高い価格

PC関連は、爆発的な伸びは期待できませんが、
上記の理由により、着実な利益成長が見込めます。

直近(2022年4月7日時点)だと
・PERは6.55倍
・配当利回り2.23%

割安感も高く、丁度良いタイミングで投資したのではないでしょうか。

一方で、
4. PCやプリンターが主要事業って伸びしろがあるのか?
という疑問もあります。
ここに関しては、投資の神様であるウォーレン・バフェットだから見抜いたポイントがあるはずです。
今後2,3年経った後の、ヒューレットパッカードの事業成長を見ることで、
答えが出るでしょう。

■具体例

1.規模の経済による、コスト競争力の高さ

ヒューレットパッカードは出荷台数で世界シェア2位のPCメーカーです。

参考リンクは以下

ですが、20年3Qでシェアは23.0%と、
ダントツトップ。という訳ではありません。
そのため、寡占的な事業展開で値上げできる状態ではないと想像できます。

その代わり、ヒューレットパッカードは、
世界2位というその規模を活かし、
部品調達や製造において、大量購買・発注によるディスカウントを効かせているはずです。

やはり、PL実績を見ても、
営業利益率が10%を超えることもなく、
粗利も30%以下、
ということで、薄利多売型であることが分かります。


2.極めて安定したキャッシュフロー。マイナスのキャッシュ・コンバージョン・サイクル

・キャッシュフロー
営業CFが継続して、投資CFを上回っています。
また、営業利益と営業CFが高い相関を持っており、
安定した現金創出力があることを示してます。

・マイナスのキャッシュ・コンバージョン・サイクル
上記の現金創出力は、キャッシュ・コンバージョン・サイクルにも現れています。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは
「仕入れ債務が発生してから、売上債権を回収するまでの日数」
を意味します。
これがマイナスなので、
お金を貰ってから仕入れをしている状態に近いです。

20年4月から継続してキャッシュ・コンバージョン・サイクルはマイナスです。

ヒューレットパッカードのPCは受注生産方式であることが、これに大きく影響していると思われます。
受注生産なので、まずお金を入金頂いてから製品を作り始めます。

この様に、ヒューレットパッカードは現金創出力が極めて高く、
事業の安定感が高いことが分かります。

3.割安感の高い価格

以下に示す通り、ヒューレットパッカードは割安感の高い状態で放置されていました。

PER=15倍以下が継続
EV/EBITDA倍率=10倍以下が継続


4. PCやプリンターが主要事業って伸びしろがあるのか?

上記、記事によると、
2022年以降、世界のPC業界はほぼ横ばいと予測されています。

やはり、「PCやプリンターが主要事業って伸びしろがあるのか?」
という疑問が残ります。

再掲 ヒューレットパッカードの売上は伸び悩んでいる

ここに関しては、投資の神様であるウォーレン・バフェットだから見抜いたポイントがあるはずです。
今後2,3年経った後の、ヒューレットパッカードの事業成長を見ることで、
答えが出るでしょう。

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