見出し画像

サマーソニック2023の記録(2日目編)〜The Beautiful People in 幕張〜

あまりに過酷な暑さの中、感動的なライブ連続の1日目を経て、2日目です。


1日目の時、11時頃幕張に着いたのだけど駅近くのコインロッカーは既に埋まっていて、もっと早く行けば大丈夫かな?と思って2日目は9時頃到着したのだけどそれでも全く空きなかった。やっぱ完全ソールドアウトって恐ろしいな…

というわけで2日目のレポート、いきます!

w.o.d.

今年のアラバキで衝撃受けて以来のw.o.d.。頑張って前の方に行き、3列目くらいでみれた。メンバーの表情もよくわかる。

SEであるヴァニラ・ファッジによるビートルズの"Ticket To Ride"のカバーが鳴り響く。さあ、爆音ロックンロールショーの始まりだ。ドラムの元良くんが元気に駆け込んできて、ベースのKenさん、ボーカルサイトウタクヤが颯爽と現れる。サイトウはスマッシングパンプキンズのTシャツにアラバキでも着ていた柄シャツを羽織っていた。

SEが止み、"1994"からスタート!!イントロが鳴った瞬間の周りの歓声ヤバかった。ロイヤルなファンな集っていた。3ピースとはとても思えない轟音が早速ソニックステージを揺らす。観客の熱烈な反応を受けてか、心なしかメンバーのテンションも1曲目から最高潮に。間髪入れず"イカロス"のゴリゴリのベースイントロが鳴らされると早くもクライマックスのような盛り上がりを見せる。ダウンピッキングで頭を振りながら重低音を出しまくるKenさんが最高にかっこいい。元良くんのデイヴグロール的な熱量あふれるドラムも、サイトウのキレッキレのシャウトも炸裂しまくる。そして"Mayday"。シームレスに披露されたこの3曲でもはや勝利確定。この日のw.o.d.はバンドもお客さんも物凄いテンションで、何らかの特別な化学反応が起きていたとしか思えなかった。曲間でのケンさーん!!という呼びかけに片手をあげて答えるKenさんが最高にクール。

「サマソニ、最高に楽しいっすね…」と、クールな印象のあるサイトウが嬉しさを隠しきれない、という表情でMC。「リアムやで?ケンドリックやで?最高やん」と、ミュージシャンである以前に生粋の音楽ファンであることも伺わせる。
「俺ら、7年前くらいに『出れんのサマソニ』に出て、今日と同じステージで朝に演奏したんすけど…その時は今日の…500分の1くらいしか入ってなくて。こんな集まってくれてありがとう」と感傷的なMCも。前方にいたからあまりわからなかったけど、おそらく後ろの方までかなり入っていたはずだ。ステージからの景色はさぞ壮観だろうな。

新曲"STARS"もこれだよこれ!って感じのギラついたギターとシャウトがたまらなくかっこいい。そして間をおかず鳴り響く、元良くんによるハンマービート。"楽園"だ。赤い照明に照らされながら熱情溢れまくりの演奏で圧倒しにかかる。3ピースバンドの世界最高峰だよこれ。
ファズかかりまくりのイントロから"踊る阿呆に見る阿呆"に突入するとそこは完全に狂乱のダンスフロア。前にいたお兄さんの汗が飛んでくるほどの暑くて熱い盛り上がり。
「楽しすぎて終わりたくないんすけど…あと1曲です」というmcから、ラストに選ばれたのは"My Generation"!背景のスクリーンには特製のVJが映し出され、ラストにふさわしいとんでもない盛り上がりを見せる。みんな飛び跳ね、腕を振り、暴れ倒していた。かくいう僕も。
「ばいばーい」と言い残し、去っていったメンバー。Kenさんは客席に向けてピースを掲げて去っていった。

いやぁ、凄かった。演奏も凄かったしとにかく客が熱すぎた。奇跡的な盛り上がりだった。


The Snuts

ソニックステージ、物凄い入りだった。初来日のはずだが、ここまで人気があるとは。おそらくリアムを見に来たUKロック好きが結構入っていたのでは。様子見の人も多かったと思うが、そんな人たちも最終的に完全に持っていってしまう、素晴らしいパフォーマンスだった。

グラサンかけて歌う姿がなんだかVerveのリチャードアシュクロフトに見えたボーカルくん、とにかく声が素晴らしい。UK、こういう天性の歌声持った新人が定期的に出てくるのマジですごい。
「Make some noise please!」と、新人とは思えないほど慣れた様子で盛り上げる。ボーカルはオーラ抜群だが、他のメンバーはイギリスの普通の若者って感じで、それもまた良かった。初期Oasisだってギャラガー兄弟以外はただのマンチェスターのチンピラだし。

シャウト連発の熱い曲からメランコリックな曲まで幅広く演奏し、ラストに選ばれた"Fatboy Slim"、この曲でのシンガロングが感動的だった。「トウキョー!」と何度も煽り、それに全力で応えるオーディテンス。最高に熱い空間。ボーカルくんはなんども「Beautiful!!」も我々を称賛してくれた。

これからきっとサマソニ常連になってくれるんじゃないかと思う。Two DoorやCirca Waves、そしてThe1975みたいに。
次はマリンステージ行けちゃうんじゃないか?これからも追っかけようと思う。


Maisie Peters

可愛い。可愛すぎる。ポニーテールを揺らしながらステージに駆け込んできた時点でもうみんな一目惚れだったと思う。しかもめちゃくちゃ可愛い声で「コンニチハ、トウキョー!💕」とか言ってくれるのよ。可愛すぎる。好き。

どの曲もキャッチーな上、曲展開も意外と捻っていたりして、全く飽きない。そして1曲ごとにこの曲はこういう思いがあって書いたの、というMCを挟んでくれる。
歌、めちゃくちゃ上手い。声もキュートで永遠に聴いていたい、と思うくらい。
最後に披露された"Lost The Breakup"がとにかく最高だった。めちゃくちゃキャッチーで、自然と頬が持ち上がってしまうほど素晴らしいメロディ。なおかつサポートメンバーのギタリストが最後にはステージ前方に躍り出て、熱いソロを披露してくれた。
開演直後は少し不安になる客入りだったけど、ぐんぐん人が集まり、最終的には大入りに。よかった。
Next カーリーレイジェプセン、あるいはテイラースイフトはMaisie Petersで決まりでしょう。もっともっと売れっ子になって戻ってきてほしい!


Maisie Petersのあとは最初のw.o.d.で暴れすぎた疲れに襲われ、座って休んでいた。休みながらマウンテンステージのFLOを見ていたのだけど、遠くからでもわかるとんでもないオーラと熱気。世界最高峰のアクトといって差し支えないだろう。ヘッドライナーに匹敵する熱量がひしひしと伝わってきたし、なにより3人のハーモニーがずるいくらいに良い。
「I love you Japan!!」と何度も叫んでいたし、また日本に来てほしいな。


休憩を終え、ケバブで腹ごしらえをしたあとはマリンステージへ。リアムに会うため前アクトのSOLからスタンド入りした。

SOLは全くノータッチのジャンルだったけど、観客への誠実な姿勢が伝わってくる感動的なライブだった。歌でもダンスでも魅せまくる圧倒的カリスマ性。MCはほぼ日本語で行なっていた。
「最後の曲です」とバラードを披露し、退場…とか思ったら「…もう1曲聴きたいですか?まだぼくには時間があるみたい」なんて言い出すもんだから会場は大興奮。「どうする?帰る?歌う?帰っちゃうよ?」なんて観客を焦らした後に披露したのがめちゃくちゃカッコいいラップとダンスを交えた曲で、すごくよかった。俺の前に座っていた黒人の厳ついお兄さんも、それまでスマホ見てたのにその曲だけは食い入るように見ていたのが印象的。
時間余った云々は本当に打ち合わせなしのサプライズだったのか、計算ずくだったのかはわからないが、どっちでもあまり関係ないだろう。満員のスタジアムが圧倒的な歓喜に包まれていたからノー問題だ。

そしてリアムがいよいよやってくる。スタンディングエリアはもうとんでもない混雑であった。ステージMCのサッシャさんが最早パニック状態のフロアを上手いことコントロールする。「出たい人優先ですよー」「半歩後ろに下がりましょうか?」などと。下手すれば将棋倒しになって大事故につながりかねない混雑、怪我人とか出なかっただろうか。


Liam Gallagher

リアム、実在しました。

まず、開演前のオーディエンスの熱気がすごかった。本当に"異様"としかいいようがない、ヘッドライナーなのかと錯覚するほどの空気。大入り満員だし、「リアム!リアム!」コールが何度も起きるし、待ちきれなくて奇声を上げてる人なんかもいた。

そして"Fuck'n In The Bushes"が鳴り響く。あの瞬間の爆発具合、すごかった。そしてリアムがのっしのっしと歩いてくる。こんな暑い中トレードマークのフード付きウインドブレーカーを着込んでいる。すごいオーラだ…!!

「コンニチハ、トウキョー!!」と叫び、"Morning Glory"が始まった瞬間、歓喜が大爆発。スタジアムのオーディエンスは飛び跳ねまくりだ。そしてリアム、声の調子がめちゃくちゃ良い!
そこから続くのが"Rock'n'Roll Star"なのだからもう大変だ。感情が大変だ。リアムが目の前にいるのだ!何度も聴いたOasisの曲が爆音で今、鳴っているのだ!!!

「アリガトウ!」とリアム。この日のリアムはかなりご機嫌でした。あと足元の扇風機の位置と角度をしきりに調整してたのがなんか可笑しかった。

"Wall of Glass"は最早代表曲の風格だし、他のソロ曲、個人的には"More Power"がめちゃくちゃ良かった。圧倒的に盛り上がるのはやはりOasis曲だけど、ソロ曲もリアムが自信満々に歌ってくれるおかげで見劣りしない強度を誇っていた

でもやっぱりOasis曲はつよい。"Stand By Me"はサビをほぼ観客に任せてしまう。それに全力で応えるオーディエンス。観客の歌を聴きながらリアムはタンバリンを口に咥えて仁王立ち。

数曲、息子のジーン・ギャラガーが登場。サングラス越しでもわかるくらいの男前で、ドラムを担当していた。リアムが父親ってどんな人生なんだろ。

感動的だったのはラストだ。"Once"披露時にはもう既に日が暮れ、スタジアムはかなり暗くなっていた。メランコリックなバラード曲に合わせ、スタンドの観客が次々とケータイのライトを点け始める。気づけば前日のBlurがTenderやった時みたいに、スタジアムは星空に。それを見たリアムは曲終わりに「Thank you,beautiful people!!」と叫んでいた。その一言で僕は泣きました。眼前の光景に美しいというのではなく、それを作り出している我々を称賛してくれた。すごいでしょ、俺たちリアムに認められたんだぜ。

そして最後は"Wonderwall"、"Champagne Supernova"とかいう反則すぎる流れ。レッドカード待ったなし。
数万人の観客と一緒にOasisを歌ったあの時間、あまりにも美しすぎて、今思い出しても涙腺がおかしくなる。生きてて良かったよほんと。


ここで僕は体力の限界とこのあと東京在住の友達に会う予定があったため、退場。ケンドリック見なくてごめんなさい。

ステージから出ると外では"Live Forever"が流れていた。口ずさみながらスタジアムを後にした。


総括

行ってよかった、本当に。観たライブ全て素晴らしかった。根がネガティブだから人生なんてしんどいことばっかりだ、って常日頃から思ってしまうタイプなのだけど、この2日間だけはとにかく楽しくて、生きててよかったと思える瞬間がたくさんあった。

チケット完全ソールドアウトのサマソニはもうとんでもない混み具合。座る場所を確保するにも、ご飯やお酒を買うにも一苦労だ。
男はそうでもなかったけど、女性はトイレが本当にかわいそうだった。どこのトイレもとんでもない長蛇の列。あれ、なんとかできないのかね…

そういえば今年はマリンスタジアム⇔メッセの移動にはシャトルバスを利用した。もしかしたら走った方が早いのかもしれないが、今年はあまりにも暑すぎて、なおかつ僕の基礎的な体力不足、さらにシャトルバス内のあまりの涼しさの誘惑に完全敗北した。時間によっては結構並んでいたけど、思ったより待たされることはなかった。十分な台数を用意してくれていたようだし、サマソニ側のスタッフとバス会社(京急バスだったかな?)側のスタッフの連携がうまく取れているようだった。特にバス会社側のおじさんが愛想よくお客を捌いていて非常に好印象。おそらくベテランの方。ベストアクトはBlurだが、ベストスタッフはあの方に決定。

フェス飯は台湾油そば、カルビ丼、普通の油そば、ケバブサンド、そしてビールにレモンサワー、2日目後半には疲れた体に活を入れようとレッドブルウォッカをいただきました。ちなみに効果はそんなになかった。美味しかったしいいや。
どれも美味しかったけどベストは会場に着いていちばん最初に食べた台湾油そばかな。
ただ、値段の割に量少なかったな…仕方ないけど。ぶっちゃけコンビニでおにぎりか何か買って持ち込んだ方がコスパ良い(実際、そういう人を結構見かけた)のかもだけど、やっぱフェスに来たら屋台で買って食べたほうがテンション上がりますよね。
ちなみに並び具合に関しては時間による、という感じ。近くのステージで注目アクトがやってる時間帯なんかは結構すぐ買えた。


屋台、グッズ売り場含め、店員さんも愛想のいい方ばかりでよかった。グッズ売り場にてWet LegのTシャツを買ったのだけど、大学生くらいの、おそらくバイトと思われる女の子が「Wet Leg"さん"ですね!」って、律儀にさん付けしてたのがなんだか可笑しかった。バス会社おじさんに次ぐベストスタッフ、次点はこの子で。

サマソニ2023、観た中でのベストアクトはやはりBlurだろうか。やっとBlurを見れた!という感動も勿論あるのだが、それ以上に単純な曲の良さと演奏の上手さ。新譜の曲と往年の名曲の混ぜ方も本当にうまい。そしてなんと言ってもグレアムのギター。あらためて彼はとにかく異質なギタリストだなと思う。あんなオルタナティブな音がスタジアムで鳴り響いたの、あまりにも最高だ。

次点、Cornerius。全てが計算し尽くされた、何か一つの映画を見ているかのような完璧なステージ。徹底的な食事制限とトレーニングを積んだボディビルダーのような一切の隙のない演奏に鳥肌立ちっぱなしだった。

でも本当にこれは誇張抜きで、観たアクト全てが最高だった。

しあわせな2日間でした。音楽最高!!

ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?