【思い出語り①】妄想オフィス

合宿も無事終わったことですし、続きをやっていこうと思います。
思い出語りいきます。

↓脚本の内容に触れるので、まだの方はこちらをどうぞ

もともと文章を書くのは好きだったし、何本か習作として脚本を書いたこともあったんですけど、この脚本が初めてちゃんと上演された脚本になります。

カフェ公演ということで、15分程度の短編を2本やろう!となって、そのうちの片方を担当した形です。

この当時、団員が全員学生で、社会人が一人も居なかったので、「私たちの想像する社会人」というテーマでした。
マジで社会人のしゃの字も知らなかったので、今見ると謎用語が多くて面白いです。(案件や企画書などの単語を会話に盛り込めば社会人っぽくなると思っている)

私はいまも基本当て書きで脚本を書いているのですが、この時もそうですね。
基本のストーリーラインをざっくり決めた上で、キャストさんにやってほしい役柄を設定して、実際に動かしてみてストーリーの微調整をしながら書き上げるスタイルです。
このころは、大学でジェンダー論を履修していたこともあり、男らしさ、女らしさについて考えていた時期だったので、男女の性差やジェンダーフリーっぽい要素がかる~く盛り込まれていますね。
「草食系」「女子力」という単語が流行っていた時期の直後だったので、それを意識しているところもあります。


多分この時一番書きたかったのはこのあたりかな。。。

ち「わたしがあんまり男の子を見慣れてないせいかしら…。男の子ってもうちょっとこう、サバサバした関係を築くイメージが強いのよね」
ゆ「ちはるさん女子校育ちだもんね」
坂「まぁそういう人たちも居るでしょうけど」
ゆ「特に、この課の男性陣は男らしいむさくるしい感じじゃないし」
ち「草食系って感じよね」
ゆ「もう古いですかね? 草食系男子って」
坂「今の女性が肉食すぎるんですよ。婚活だの恋活だの、アグレッシブすぎ」
ち「まぁ、そうかもしれないわね」
(中略)
坂「女性は強いですからね」
ゆ「だから男が弱くなったってこと?」
坂「弱いわけじゃないですよ。男女ともに中性的な層が増えたんじゃないかとは思いますが」

世間的にオタクという生き物が表に出始めて(受け入れられ始めて)いたこともあって、腐女子ネタとジェンダーの話を絡めています。
実際は、実在する人物の前で腐女子妄想するのはやめましょうね。。。

もともと、あんまり「男らしい」「女らしい」っていう単語が好きじゃなかったし、自分で意識して「女らしく」ふるまうのは構わないけど、他人に「女らしさ」を強制されるのは本当にイヤでした。
別に自分自身の性自認に違和感があったわけではないけれど、中性的な人間に憧れがあったのもあって、「昔は男らしさ女らしさに縛られてたけど、最近はそうでもないよね」「男女の境界線があいまいになってきているよね」「これからはそういう社会になっていくのかな。でも、皆が社会的な性に強制される必要がなくなるなら、それも悪くないよね」という気持ちで書いていました。
神田さんはそういう「中性的な立場」として作ったキャラクターだったので、お気に入りでした。

ちなみに、タイトルに言及しておくと、
私たちの妄想する社会人+女子たちの妄想するオフィス男子たちの関係性・・・
という、「妄想」という単語に二重の意味をかけたタイトルだったりします。ダブルミーニング好きですね。

さすがに7年も前の脚本となると、記憶もだいぶ薄れてきていますね。

あとは練習がひたすら楽しかった思い出しかない。
自分が脳内で動かしていた状態よりも、キャストさんが実際に演じてくれたほうが、「こうして欲しいな」を強めにくみ取ってくれたり、はたまた執筆時点では予想もしなかった動きをしてくれたり、発見があって楽しいです。これは今も同じかな。
ちはる役を演じてくれたひかるちゃんは、細かい所作やセリフの行間を読むのがものすごく上手で、たぶんAQUAの中で一番上手だと思うんだけど、この時もセリフの行間を埋める演技が上手くてすげぇな~~~~と思ったし、坂下役を演じてくれた植野くんは、テンションの上下の差を出したり間合いを読むのが上手くて掛け合いが楽しかったし、神田役を演じてくれたSHOWTAくんは、私やひかるちゃんの無茶ぶりも全部演技に反映して理想通りの神田を演じてくれて(しかもフライヤーや当パンも作ってくれた!多才!!)、今見ると本当に拙いところがたくさんあって読み返すのは恥ずかしくもあるんだけど、読み返したら当時のみんなの声で余裕で脳内再生されるくらいには印象強いし、初めて上演された脚本がこれで良かったなと思ってます。

あと、これ、AQUAでは唯一のカフェ公演で、舞台のあるカフェを貸し切って公演を行ったのですが、お客さんはコーヒーを飲みながらまったり観劇してくれて、上演のあとにビンゴ大会も行ったんですが、お客さんとの距離が割合近くて、そこも楽しかったポイントかもしれないです。
またやりたいなぁカフェ公演。


↓↓劇団AQUAの次回公演、「アオハルにシャッター」もよろしくね!

アオハル表

アオハル裏


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?