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【思い出語り⑧】黄昏が知ってる

夕焼けってなんか不思議な力があると思っていて。
夕焼けに後押しされるお話です。

脚本の内容に触れるので、まだの方はこちらからどうぞ↓

タイトルは神のみぞ知る、の夕陽バージョンです。

これまで私の脚本を読んできた人ならわかると思うのですが、私は人外が大好きで。人外ってファンタジーの生き物だと思われてるけど、人間界にふつうに紛れて生活してて、それに人間たちが気づいていないだけなんじゃないかなと思っていて。
主人公以外全員人外にしてみました。(西宮さんと君島さんはわからないけど)
あま毒は全員人間だったから、その反動っていうのもあるかもしれない。

そもそも、ハンカチのことをお父さんって呼んでる家族が居たら面白いな~とふと思いついたのがきっかけで、ハンカチがお父さんなら、お父さんの部屋はたんすの引き出しだよね、と連想ゲームしていってお話を組み立てました。

登場人物の大半が人外で、書くのが楽しくてノリノリで上げた(なんならいつもより時間がなかったけど結構早く上がった気がする)せいか、お客さんからの受けも結構よかった。思い出。
最近の何作か見ている人だと、これ好きだったって今でも言ってくれる人もいるくらい。上演中も、せいら役の私がハンカチで鼻をかんだら、客席から「お父さんが…!!」とお父さんを心配する声が聞こえてきてほんと面白かった。

家族ものをやりたいよね~という話を団員としていて。
核家族もそうだけど、「家族をつくる」話がやりたかったので主題がプロポーズになりました。
人間界では、みんな人間だから人間の中の「ふつう」という定規があるんだけど、もし家族という狭い世界の中で自分だけ人間でほかが人外だったら、「ふつう」の定規ってわけわかんなくなるじゃないですか。絶対。
母数が多い方が「ふつう」の定規を持つことができるわけだけど、その「ふつう」って小さな世界の中でしか通用しなくて。だから本当は「ふつう」なんてどこにもなくて、一歩踏み出せば「ふつう」の呪縛から抜け出せるんじゃないかなって。

昴 「姉さんも、父さんも、母さんも、俺とは違って妖の特徴があるだろ。もともと、何の特徴もない『フツウ』の俺とは違う人間だろ。」
せいら 「それが何? ちょっと妖の血が濃いだけで、ふつうに生活してる、ふつうの人間よ。あんたと同じ。」
昴 「何が普通だよ…。俺にとっては、みんなふつうなんかじゃない。父さんは布だし、母さんは狸だし、姉さんは河童だ。ふつうなんかじゃないだろ。」
せいら 「そうやって自分を正当化するために周りに壁作ってわめいたところで、現実は何も変わらないのよ。私なんて、きゅうりが好きでちょっと泳ぐのが得意なくらいのふつうの人間よ?」
昴 「ふつうの人間はきゅうりを主食にしないだろ」
せいら 「大体、あんたの言う『フツウ』ってなに? ふつうなんて、自分がふつうだと思えばなんでもふつうなのよ。世の中に、本当にふつうの人間なんて一人もいないの。あんた、個性と特徴をはき違えているのよ。」

だから、「ふつう」の定規があることってある意味安心できるけど、「ふつう」に縛られて自分の思う通り自由になれないなら、とっぱらっちゃっていいと思うんです。
もちろん、誰かに危害を加えるようなことはしちゃいけないけど。
そうじゃなくて、「これをやるとふつうじゃないって思われるかな? でも、自分はこうありたい」を少しでも叶えられたら素敵だよなぁと思います。

真緒子ちゃんは私の理想の女の子像みたいなところがあるんですが、カワイイ女の子にカワイイ女の子の役を演じてもらって満足でした。
ちょうかわいかったな~~おこめちゃんの真緒子ちゃん。
あと、ナッツがAQUA初舞台で主役をやってくれました。ナッツはね~、練習始まってしばらくはナッツのまま頑張るんですけど、ある時突然「その役」になるんです。いきなり一段あがるんです。それが練習を見ていると面白くて。お前先週と全然違うやんけ!どうした!?となるんですよね。すごいわあの能力。

「アオハルにシャッター」でも、ナッツの名演技が光るので見逃さないでね!

↓↓劇団AQUAの次回公演、「アオハルにシャッター」もよろしくね!

アオハル表

アオハル裏


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