見出し画像

AF(オートフォーカス)不要論

自分でやった方が早い病
この病に罹ったらもう出世することは諦めた方がいい。個人事業主は別として一般的にチームで仕事する時、自分ができることは限られているから、自分でやった方がたとえ早くても、他者へ依頼することで自分は別の仕事をこなすことができる。結果的に自分一人でやっているよりも早く仕事をこなすことができる。目の前の小さな結果だけどを見て最終ゴールをイメージできていない人を揶揄するような言葉がこれ。

写真の世界はAIによる自動処理が進んでいるから、カメラに任せてしまえというのが最近の流れ。特に顕著なのが被写体にピントを合わせるフォーカシングの作業をAIに任せてしまう、いわゆるAF(オートフォーカス)の分野で技術進歩が著しい。一度食いついたら絶対に話さないAFもそうだけど、人だけでなく、鳥、動物みたいな被写体に合わせたAFを選択できるカメラもどんどん一般化してきてる。

機械(カメラ)がやった方が早い病
AFがない時代はマニュアルフォーカスで自分の手でピントを合わせてた。職人芸みたいにドンピシャでピントを合わせる技術はあるんだろうけど、普通のカメラ趣味人にそんな技術は習得できないからこそ、こんな考えが浸透したんだろうし、至極当たり前の流れなんだろう。

酔っ払ってライカM10で撮った写真
ピント合ってないけどこれよりいい写真ってある?

でもAFって本当に必要なの?

『自分でやった方が早い病』は他者にお願いすることで仕事のスピードアップができた。じゃあ『機械(カメラ)がやった方が早い病』は本当にスピードアップできるのかな?
ボクの一般的な撮影フローはこうだ。

  1. 被写体を見つける

  2. フォーカスを合わせたい場所を決める

  3. レンズのピントリングを回してピントを合わせる

  4. シャッターボタンを押す

  5. 次の被写体を探す

特に3のピントを合わせる行為に時間がかかりがちだからこそ、AFがかわりにピントを合わせてくれて時間短縮になる。
一般的にはそう思われてる。
でも次はAFを使った場合のボクの一般的な撮影フローを見てほしい。

  1. 被写体を見つける

  2. フォーカスを合わせたい場所を決める

  3. AFがピントを合わせてくれる

  4. シャッターボタンを押す

  5. 次の被写体を探す

薄暗い中開放の薄いピントを探りながらシャッターを押す至高の時間

一見早くなってるように思えるかもしれないけど、実は無意識のうちにこれ以外の行為を行ってる。本当の撮影フローはこう。

  1. 被写体を見つける

  2. フォーカスを合わせたい場所を決める

  3. AFがピントを合わせてくれる

  4. 自分が思った場所じゃない時は再度ピントを合わせる

  5. シャッターボタンを押す

  6. ちゃんとピントが合っているか確認する

  7. 次の被写体を探す

自分がAFを使った場合は4と6の行為が自然と増えてる。さらにAIが進化してより正確性が高まってくればもしかしたら不要になってくるかもしれないけど、少なくとも現代の技術だとボクはまだそこまで信用しきれていない。
ぱっと見の撮影フローは確かに早くなったように見えるかもしれないけど、ボクにとってはこれまで不要だった工程が二つ増えることで撮影のリズムが崩れてしまうってことが多い。

AIはここにピントを合わせてくれない

AFがないカメラ

最新のミラーレスカメラにオールドレンズをつけると必然的にMF撮影しか出来なくなるからそれでもいいじゃんとイイじゃんと思う人もいるかもしれない。でもダメなんだ。
カメラにAFが付くとどうしてもボディが大きく重く高価になる。ほとんど使わない機能のためにデメリットばかり手にするのはどうしても我慢ならない。だからボクはAFがないカメラの登場を待ってる。

風景写真ならF16まで絞ってパンフォーカスで撮れちゃうよね

ちなみにM型ライカはMFでしか撮影できないから、まさにボクが望んでたカメラなんだけど、AFが搭載されていないのになぜか重くて高価。もちろんライカの写りは素晴らしいしボクにとってRICHO GRⅢ xについて最も使用頻度の高いカメラなんだけど、もっと軽くて安価なAFが使えないカメラってないのかな。やっぱりないよね。

そしてできれば動画機能も付いていないのが希望なんだけど、百歩譲って動画性能は付いていても許す。でも4K60PもLog撮影もいらない。ちょっとした手ぶれ補正までは許容する。だからカメラボディは小さく軽く安価なものにしてほしい。

今欲しいボクのカメラ

一緒を逃さなければピントは正直なくてもいい(笑)

大枠はM型ライカのイメージ。ただしやっぱりもう少し軽くて安価にして欲しい。でもあの色の出し方は素晴らしいな。そして動画撮影機能もあってもいい。背面液晶は動画メインのカメラじゃないことを考えると固定かチルト式。レンズは写りに妥協しないものがいい。AF機構を持たないからそれなりにコンパクトにできると思う。ファインダーの位置はどこでもいいんだけど、コンパクトさを重視するならレンジファインダー型がいいかな。EVFは別にいらないけど富士フイルムのハイブリットビューファインダーは便利で使いやすい。こんなカメラはまだこの世にないから仕方なくボクはライカM10を使っているけどコシナあたりがBESSA現代版みたいなカメラを作ってくれないかな。
そしてあえて現代のカメラで一番近い機種を挙げるとするならX-E4かな。AFを外してフルサイズセンサーにしてくれたらいうことなし。売れ筋カメラと真逆をいくカメラだけど、カメクラのみんなも実は同じようなことを考えているんじゃないかと夜な夜な妄想するのが楽しい。


よければサポートお願いします!あなたのサポートは新しいクリエイティブ活動に生かさせていただきます!