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「私の解放日誌」を見ていたら昔「生きてる男」がいいって言った友達を思い出した話

私はシュールな物語が大好きなのですが、ここまで人間のリアルを秀逸に描いたドラマは久々。

「現代社会で生きるのってすごく疲れるよね?いいんだよ、疲れるなーって感じているあなたの感覚は正しいのよ。気にせず自分らしく、多少狂って生きたっていいから。」

そんなふうに静かに語りかけてくるようなドラマだった。

平凡な生活の中で自分の幸せを忠実に追い求めようとするヨムミジョン。葛藤と戦いながらも自分の牙城を守ろうとするク氏。ケンカばかりだけど一応最低限には思いやっている3兄弟。特に姉のギジョンのクセの強さはあっぱれ。

平凡すぎる毎日の中で一度は満たされたいと思うミジョンが、居候のク氏に「あがめて」というパワーワードを発することで物語が展開されていくのだが、このドラマはなんといっても謎めいたク氏、ソンソックの魅力が爆発している。
2話に「言葉で人の気を引くのに味を占めだしたらもう終わりよ」というセリフがあるけど、まさにそれを体現するかのように、寡黙ながら強烈な魅力を発するソンソック。あえてペラペラのカットソーを着させられているんだと思うけどそれがまた本物感をよく演出している(単純に体格が良すぎる)

昔、友達とどんな男がいい?ていうような話になったときに、「生きてる男がいい」って言った友達がいたのをふと思い出した。その時は具体的なイメージが湧かなかったのだけど、たぶん彼女が求めていた”生きてる”男っていうのがたぶんク氏なのかもしれない。(いや私の理想なだけ説)

自分の人生の「解放」を目指すミジョンは会社の同志と「解放クラブ」というのを立ち上げるのだが、そこでのルールがまた秀逸。

「幸せなふりをしない、不幸なふりをしない、正直に向き合う」

SNSで自分の日常を発信することが当たり前になった今、これは意外と難しいのかもしれない。

あなたは自分自身にどこまで正直になれていますか?ーそんなことを突きつけてくるようなドラマでもある。

他人に過干渉することなく、最後までそれぞれの人生に正直に生きることを描いたこのドラマ、一見暗いトンマナだけど心の中を明るくしてくれる名作だと思う。

欲をいえば、ク氏がヨンミジョンのために、あのセンスゼロのサスペンサー上司を一発殴るシーンがほしかったなー。いや、殴ろうとしたク氏を止めて、ミジョンが自分でピンタしてすっきりがいいかもしれない。

ソンソック、新作に期待!


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