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(日記)髪色とコンサート

妹と、応援しているアイドルのポップアップストアに行った。そのあと回転寿司に行きたいなと思って行き、たくさん食べた。回転寿司には回転寿司にしかない味がする。

トレカやカラビナなど、ランダム商品の絵柄を確かめるいわゆる「開封の儀」をしながら「ここで運使ったら卒業できなくなっちゃうよ」と妹に指摘されてかなりウケた。きょうだいの卒業が運で決まると思っているんですか? でも実際、そんなことになるかもしれないので気をつけねばならないなぁとも思う。大学には、7割くらいの授業に出て、そのうちちゃんと聞けているのは3割くらい……みんなレベルが高くて、自分が「?」となっている間に授業が終わっていくのでこわいぜ。


誕生日だったので、プレゼントに黒いマニキュアを買おうかなと思った。好きなアイドルがしばしば黒いネイルをしていて非常に格好良かったから……しかし、きょうのお風呂上がりに、ふいに「黒じゃないのでは」という気持ちになった。

それは、好みというよりも、好きなものを安直にそのままトレースすることにふと疑問を覚えた、という具合だ。好きだから模倣したい、は特に不思議なことはない。問題は、その模倣のレイヤーをどこに持っていくか。好きな人の真似をして爪を同じ色に染めるより、自分に似合う色や好きでたまらない色を見つけて、自分なりに装っていた方が、その人を純度高く模倣するには近いんじゃないかと思った。真似したいのは爪の色じゃなくて魂の在り方。


デカめの仕事イベントがおわったあと、ある人が「銀だこ食べたい」と言い出して、何人かが買い出し要員としてオフィスの近くの銀だこに出向いた。行動力のある会社だ。

たこ焼きが焼けるのを待っているとき、創作をやっている同僚と、どんな本を作りたいかをずっと話していた。存在しない本の話をしているときがいちばん楽しいかもしれない。

11パック、88個のたこ焼きを引っ提げて帰り、みんなで銀だこミニパーティとなった。しみじみしやすい性質なのでこういうときにしみじみする。いい部下__部下、とは言わないんだけど世間的には「部下」にあたる__ばかりで本当にすごいことだと思う。自分がいつまでもペーペーなせいで、いつも力を引き出してあげきれなくて申し訳ねぇ……と思う。上司を倒してもっと殻を破って活躍してほしいな。


文章への、おそらくは強めなこだわりを自覚する機会が何度かあった。詩歌ではなく、ふつうの文章について。わかりやすいところなら「ら抜き言葉」「文頭の『なので』」「『たり』の単独使用」など、ほかにも語句レベルの言い換え、構造の整理など。なぜかいろいろ気がつくというか気になってしまうので最終チェックがわたしに回ってくることが多い。「社内で思うってことは世間の誰かも絶対思いますよね……」という理屈でつぎつぎと修正を入れている。

「そのふるいの目の細かさは、口頭コミュニケーションへのコンプレックスの裏返しなのでは」という話が出て、盛り上がった。それなんですよ。たぶん。


今回の日記はあまりおもしろくない……なんでだろう、そんなに心の動くことを書いている感じがしないな。


髪を染めた。ブリーチは痛かった。冗談みたいな髪色になったので帰りの電車では「なんか、ステレオタイプの『売れないホスト』みたいだな……」と思ったし、今、ガラスに映る自分を見ても、冗談みたいだと思う。さすがに自己認識が崩れるよう。


と、ここまで書いて、長らく日記が下書きにて放置されていた。もう髪を染めて1か月経つ。色落ちしてきてきれいなミルクティーベージュだ。このままでも悪くないかなぁ、と思いつつ、少し暗い色にしてみる予定だ。ブルーベリーグレーとかにしてみたい。

結局、「金がいいんじゃない?」と言ってくれた友だちに見せることはないまま次の色に変わりそうだ。同じキャンパスに通っているけれども、意外と会うことは少ない。


近況として、ソシャゲデビューをした。「魔法使いの約束」をゆるりとプレイしている。どのキャラクターも複雑なストーリーを背負っていて、こうやって物語を読むように楽しむんだと知った。育成やミッションの基本所作にまだ慣れないが、思いのほか楽しい。ゲームを本格的にやるのは小学生のとき以来だ。

西の国の魔法使いたちが特に好きです。


そういえば冒頭で書いたアイドルの、コンサートを観るために妹と大阪まで遠征した。それも、もう1か月前。けれども余韻がまったく抜けない。美しい歌とか、近くで手を振ってもらったときの笑顔とか、スタジアムに一斉に灯るペンライトの光とか、ふとしたときに押し寄せてきて何度でも感慨深くなってしまう。

スタジアムは豪雨だった。笑ってしまうくらいの。ペンライトをジップロックに入れて、レインコートを着て……野外ステージで本人たちもとても大変だったろうに(お願いだから怪我はしないように気をつけてほしい)、全力で公演をしてくれて本当にかけがえない時間だった。この人たちのパフォーマンスに惚れているんだと深いところから熱を持って実感した。リーダーが最後のMCで「空が私たちに嫉妬しちゃったんだね」と言っていたのが忘れられない。

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